鍵泥棒のメソッド
更新日:2012年9月7日
公開日:2012年9月15日(土)
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・鍵泥棒のメソッド
オンボロアパートで暮らす売れない役者・桜井武史は、自殺に失敗したその日の夕方、銭湯へ足を運ぶ。となりのロッカーには、高級そうなスーツに身を包み、大金が入った財布を持つ男。それを横目に見ながら浴室に入り頭を洗う桜井。そのとき、男が石けんで足を滑らせ、気絶。桜井はその男のロッカーの鍵を拾い何食わぬ顔で荷物を持ち逃げし…。
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35歳で無職の売れない役者。自殺も失敗していよいよどん詰まり。だが、銭湯に行った際、ケガで救急車で運ばれ記憶を失ったコンドウになりすますことに成功し、別の人生を歩むことに。それから優雅な生活を満喫するが…。 -

雑誌社の編集長。入院中の父親に幸せな姿を見せるため結婚を決意。結婚式に至るまでのスケジュールを事細かに決めるが、肝心の相手がいない。結婚相談所、コンパなどで花ムコ探しに躍起になるがうまくいかず…。 -

裏社会では知らない者はいない伝説の殺し屋。華麗な手口で標的をしとめ、一切証拠を残さない完璧な仕事ぶりをみせる。仕事終わりに銭湯へ足を運ぶが、そこで転んで記憶喪失になる。自分を「桜井武史」と思いこみ…。
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本作のタイトルの由来となった「メソッド・アクティング(メソッド演技法)」は、舞台好きなら必ず耳にしたことがある演技・演劇界の有名な用語だ。ロシアの演出家コンスタンチン・スタニスラフスキーの影響を受け、研究を重ねたアメリカの俳優・演出家リー・ストラスバーグらが1940年代に確立・実践。イギリス演劇の伝統芝居ではなく、演じ手が実体験や個人的な気持ちを織り交ぜながら役に近づけていく、自然体な演技法・理論のこと。記憶に新しいところでは2012年公開映画『マリリン 7日間の恋』で、ミシェル・ウィリアムズ扮するマリリン・モンローが『王様と踊り子』 の撮影のなかで、演じる役柄と私的な経験の境界をなくしてリアルな表現を試みているが、実はマリリン・モンローも、リー・ストラスバーグから「メソッド・アクティング」を指導してもらった役者のひとりとして知られている。劇中では、彼女が「自分が演じる役の気持ちが理解できない」と、自分と役の隔たりに苦悩する姿が描かれている。
『鍵泥棒のメソッド』では、主人公の役者・桜井武史がこの演技法に傾倒し、ここ一番の大勝負でお得意の「メソッド・アクティング」を披露するが、果たして…。
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2005年の劇場デビュー作『運命じゃない人』、2008年『アフタースクール』のわずか2作で名監督へとのぼりつめた内田けんじ監督。さまざまな人物の運命やトラブルが交錯する様を、時間軸、視点を入れ替えながら、複雑なサスペンスに合点をつけていくトリッキーな手法で観る者を魅了。映画的フィクションを重ねに重ねていく、それが内田映画の特徴である。4年ぶりの長編映画『鍵泥棒のメソッド』は、これまでの作風とは一味違う。「他人になりすます」といういかにも内田風の設定。確かに人物同士の関わり合いのなかで生まれる些細な勘違い、ズレが大騒動へ発展していくが、でも決してこれまでのようなトリッキーな印象は受けない。むしろ「円滑に人生を進めることができない人間のおかしみ」に着眼した王道のヒューマンドラマであり、まるで他人事には思えないのだ。この映画は一見非現実的。しかし登場人物の心情を、鑑賞者自身が、経験してきた挫折、苦労にそのまま置き変えて観ることができる。それは、フィクションとノンフィクションをすりあわせていく「メソッド・アクティング」のモチーフに、そのままあらわれているといって良い。
金が欲しい、成功したい、幸せになりたい。誰もが抱く当たり前の欲望をとらえた、とても人間的な物語。内田けんじ監督の懐の深さを感じる1本である。
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売れない役者・桜井を演じたのは堺雅人。実際の彼は、『鍵泥棒のメソッド』のほかにも、『その夜の侍』『大奥 〜永遠〜[右衛門左・綱吉編]』『ひまわりと子犬の7日間』の公開が控えるなど、メチャメチャ売れている人気俳優だ。そこで先日、堺雅人に「売れる役者になるために必要なもの」について直接話を聞いたところ、「運ですね!」という明快な答えが返ってきた。堺雅人曰く「自分はほぼ100パーセント、運でお仕事をさせていただいています。運は人様からのまわりもの、つまり巡りあわせ。人間には必ず1度、2度は思いがけないチャンスもある。桜井もそれを見逃さなければきっと、何かしら結果はでるはず」と自分が演じたキャラクターにアドバイス。ただ、桜井がメソッド演技について熱く語る場面については「彼は本当は演技論なんて持っていないでしょう(笑)」とツッコミ。ただ、「そこが頭でっかちじゃなくって、人間的に好感が持てる」とキャラクターの魅力をアピール。
売れない役者を演じた、売れっ子・堺の軽妙な芝居にご注目あれ!
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| タイトル | 鍵泥棒のメソッド |
|---|---|
| 公開 | 2012年9月15日(土) |
| 配給 | クロックワークス |
| 監督 | 内田けんじ |
| 出演 | 堺雅人 香川照之 広末涼子 荒川良々 森口瑶子 |
| 作品区分 |
(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
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