天満天神繁昌亭 eo光寄席

マメ知識

落語を10倍楽しむために


上手下手
「上手下手」

古今東西、舞台では、客席から見て右側を上手、左を下手と呼びます。上手は変化を受け止めるもの。下手は変化をもたらすもの。というのが基本で、通常、上手には、年配者が座ります。落語の場合、たとえば、旦那が上手、来客が下手となります。そこで、一人芸である落語では、人物を演じ分けるのに、この上手、下手を巧みに使い分けます。首を左右に振りながら、こちらはご隠居さん。こちらは、クマさん、、といった具合です。
これは落語ならではの工夫。ところが、その基本を超えて、笑福亭福笑さんは、あえて正面を向きながら、人物を描き分けます。なぜか。客席と常に正面で向き合うことで、伝える力を倍増させるためではないでしょうか。上下に振り分けない。そういう革新的な演技スタイルも、見ものですね。


定式幕
「定式幕」

緑と茶色と柿色の三色の引幕が、中入りのときに引かれます。これが定式幕。もともとは歌舞伎の舞台で使われていたもの。歌舞伎の場合、演目、場面によって様々の幕が用いられますが、定式幕は開演と終演のときに使われます。また、幕の色目は、中村座、市村座、森田座など座によって少し異なります。さらに遡ると…舞台は、客の入りが水ものなので、縁起を担いで、仏教の寺院を飾った五色幕を用いたのが始まり。それを落語の高座に転用したのです。ちなみに、「定式」とは「常に使われるもの」の意味あい。

色目の鮮やかさも、さることながら、ここには、演者の願いが込められているわけです。そう思って、中入りどきの舞台に目をこらすと、それはそれで楽しいもの。テレビでは味わえない、寄席小屋ならではの、趣ですね。


めくり
「めくりとは?」

高座の下手(客席から向かって左側)には、芸人さんの名前が書かれた紙製の札を立てます。これを、「めくり」といいます。その日の出演者の札が綴じられており、高座上の芸人が入れ替わる毎に「めくっていく」ことから、この呼び名がつきました。

芸名は、「寄席文字」という太い書体で書かれています。文字を太くするのは、隙間を小さくするため。「客席が埋まるように」という縁起をかついだものです。また、「だんだん興行がよくなるように」と、少し右肩上がりに書きます。 何気ないところにも、寄席への想いが込められているのですね。


「マクラについて」

噺家さんが高座に上がって、すぐに、落語の本編が始まるわけではありません。多くの場合、お客さまへの挨拶や自己紹介を終えると、まず、軽い世間話や小咄を披露します。これを「マクラ」と呼びます。
このマクラが担う役割は、実はとても重要です。本編と関連した笑い話で、観客の緊張を解きほぐすとともに、噺家さんは、そのウケ具合から会場の雰囲気を把握します。また、古典落語を楽しむには、予備知識が必要な場合もあります。現在では馴染みのない言葉や風習をさりげなく解説するためにも、マクラが使われます。頻繁に天満天神繁昌亭へと通うような「落語通」となると、このマクラを聴いただけで、「お、あのネタをやるんだね」なんて分かるのだとか。


三味線
「寄席囃子」

寄席にはつきものの寄席囃子。三味線は「お囃子さん」と呼ばれるプロの女性が演奏しますが、太鼓や鉦などの鳴り物は、実は噺家の前座が担当しています。演者さんが高座に上がるときに、それぞれの「出囃子」が演奏されます。また、落語の中でBGMのようにお囃子が使われることもあります。これは「はめもの」といって、江戸落語にはない上方特有のものです。

その他にも、公演の始まりや終わりを告げる合図として太鼓が鳴らされます。開場と同時に鳴るのが「一番太鼓」。大太鼓が「ドン、ドン、ドントコイ(どんと来い)」と打たれます。開演五分前に鳴らす「二番太鼓」は、締め太鼓と大太鼓で「オタフクコイコイ(お多福来い来い)」と聞こえるように打ちます。終演時には「ハネ太鼓」が「デテケ、デテケ、デテケ(出てけ)、テンテンバラバラ…」と、お客様を追い出します。

本当にそう聞こえるかは前座さんの腕次第?ぜひ実際に足を運んで、耳を傾けてみてください。


「初めての寄席見物」

初めて寄席を見に行く人は堅いイメージがあるかもしれませんが、構える必要はありません。出演者や他のお客様の迷惑にならないようにさえすれば、自由で気楽な空間です。もちろん服装にも決まりはありません。おしゃれをする必要も、着物を着ていく必要もありません。とはいえ、せっかくのハレの日、ほんの少し着飾ってみるのも悪くないでしょう。買ったけれど着る機会のなかった着物を引っぱり出すのにも、もってこいの機会です。

繁昌亭は場内での飲食禁止です。ただし、寄席によっては飲食可能な寄席も少なくありません。客席へ出入りをする場合は、演目と演目の切れ間にしましょう。熱演の最中に立ち歩いては公演の妨げになります。なお、写真撮影や録音・録画は禁止されています。また、携帯電話はマナーモードにしましょう。

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