天満天神繁昌亭 eo光寄席

eoユーザーさま限定 「第五回天満天神繁昌亭eo光寄席」 2017年2月13日突撃インタビュー公開予定

「第五回eo光寄席」出演者一覧および当日のプログラム

演目と出演順 「道具屋」桂 華紋 「七段目」桂 吉坊 「借家借り」林家 染二 (中入り) 「ホスピタル」笑福亭 たま 「ねずみ」桂 梅團治

支配人からのコメント

「第五回eo光寄席」の楽しみ方

天満天神繁昌亭支配人 恩田雅和

eo光寄席は、今回で5回目の節目の会を迎えました。節目の会にふさわしく、人気、実力を兼ね備えた出演者が揃いました。

トリは、桂春團治一門のベテラン桂梅團治が務めます。岡山県出身で九州の大学を卒業後、三代目春團治に弟子入りした異色の経歴で、関西住まいの経験がなく、当初は言葉に苦労しました。師匠から厳しい稽古をつけてもらい、訛りを克服、落語の持ちネタも増やしました。努力が実ってそれまでの春秋という名から、1997年1月、一門の由緒ある名跡の四代目梅團治を襲名しました。

ちょうど今月は襲名して、丸20年になります。また上方落語四天王の最後の一人春團治師匠が2016年1月9日他界されて、1周忌の月でもあります。さらに2017年7月、梅團治は還暦を迎えることになりますから、彼にとっては、特別な思いを込めての今回の高座になるものと思われます。

そんな梅團治が選んだ演目は、数ある甚五郎ネタの中からのひとつ『ねずみ』です。彫刻の名人、左甚五郎が題材の浪曲を、昭和30年代に三代目桂三木助が落語化したもので、人情噺の定番として東京の著名な落語家たちが受け継いできました。上方で演じられるようになったのは、ここ20年ほどのことで、四天王の師匠がたはどなたも手掛けられませんでした。梅團治は舞台を東北から西日本に替えるなどの工夫を凝らし、四天王より若い世代の意気込みを感じさせるものに仕上げています。

中トリの出演は、林家染丸の筆頭弟子の林家染二です。実は染二も、前名の染吉から三代目染二を襲名して2017年がちょうど20年です。二代目染二は現・四代目染丸の前の名ですから、いかに染二が一門では期待を込められた大きな名前であるかが想像されます。

師匠譲りのはめものがふんだんに入る音曲噺をはじめ、人情噺、滑稽噺など染二はレパートリーを増やすとともに、病気療養中の師匠に代わって弟弟子たちを指導して一門のまとめ役も担っています。2006年に開場した繁昌亭では、年間最も貢献した25年未満の落語家に贈られる繁昌亭大賞を2008年の第2回で受賞しました。

今回染二は豊富な持ちネタの中から、『借家借り』を選びました。東京では『小言幸兵衛』のタイトルでよく知られた演目ですが、上方ではなかなかやり手の少ない噺です。このネタを染二はなんと弟弟子の林家染左が演じているのを見て刺激を受け、染左からアドバイスをもらってやり始めたそうです。一門の結束の堅さがしのばれるエピソードですが、染二はアイディアをふくらませて上方落語らしくところどころにはめものを取り入れています。おそらく明治時代に上方から東京に流れて家主の小言が主体になった噺を、上方の原型に近い形に戻したのが、染二版『借家借り』の大きな聞きどころになるでしょう。

中入り直後には、笑福亭たまがお目見えします。人も知る京都大学OBの噺家第1号のたまは、すでに在学中から師匠の笑福亭福笑の落語にはまり、落語家を志しました。卒業と同時に迷いなく福笑門を叩き、唯一の弟子として師匠の落語に憧れ、研さんを続けました。

なにわの爆笑王と称される師匠福笑は、本格的な古典落語と独特なストーリーが展開される新作落語の両道を歩み、多くの根強いファンを持っています。たまは師匠が歩む道をそのままに追いかけ、数多くの古典を習得したほか、師匠が創作するものにも遜色ない奇抜な発想の新作も多く生み出しました。文化庁芸術祭新人賞など若手対象の賞はほとんど総なめしましたが、2016年6月繁昌亭夜席で催された第2回若手噺家グランプリでも優勝して、自身これが若手として受ける賞の締めくくりと広言するほどの実力者です。

そのはずで若いとみられていたたまも、2017年1月で42歳になり、今後は中堅どころとして上方落語界をリードする立場になりました。今回はあまたの傑作ネタのうちから、師匠のネタにヒントを得て作った自信作のひとつ『ホスピタル』を披露します。どんなたまワールドが繰り広げられるか、楽しみなところです。

二番目は、桂吉朝の5番弟子、桂吉坊の登場です。童顔のせいでいつも10代後半に見間違われる吉坊も、入門19年目を迎え、年齢は30代半ばに達しました。師匠亡きあとも、大師匠の桂米朝のもとに通って修業を続け、稽古に励みました。

師匠、大師匠を彷彿させる端正で確かな芸は、楽屋うちからも認められるほど厳しい鍛錬に裏打ちされていて、この人のスケールの大きさもしのばれます。それは落語だけでなく、落語家必修である太鼓、笛などのいわゆる鳴り物ばかりか、三味線、長唄にも通暁していることからもいえることと思われます。

その吉坊の手掛ける演目は、代表的な芝居噺『七段目』です。吉坊の歌舞伎への向き合い方がよくうかがえる噺で、彼が本当に好きで楽しみながら演じられるネタであることがお分かりになることでしょう。

開口一番は、桂華紋です。関西学院大学の落語研究会時代から素人落語で鳴らし、卒業と同時に大学の先輩である桂文華に弟子入りしました。師匠と同じくひたむきに古典落語に取り組む華紋は、2017年7月に30歳になります。30は而立(じりつ)の歳といわれますが、実力的にも自立し、大輪の花を咲かせる日が近いことを予感させています。そんな華紋の今回のネタは、学生の頃から馴染んでいた十八番『道具屋』です。明るく華やかな高座には、きっと好感が持てること請け合いです。

寄席マメ知識

高座の下手(客席から向かって左側)には、芸人さんの名前が書かれた紙製の札を立てます。これを、「めくり」といいます。その日の出演者の札が綴じられており、高座上の芸人が入れ替わる毎に「めくっていく」ことから、この呼び名がつきました。

芸名は、「寄席文字」という太い書体で書かれています。文字を太くするのは、隙間を小さくするため。「客席が埋まるように」という縁起をかついだものです。また、「だんだん興行がよくなるように」と、少し右肩上がりに書きます。

何気ないところにも、寄席への想いが込められているのですね。

▲ページの先頭へ戻る