この街、この名店 〜関西エリアのテーマ別グルメガイド〜
更新日:2011年06月07日
1912年に初代通天閣(現在は二代目)が完成し、以来昭和のレトロな風景が今も残る新世界。そんな空気感を醸成するのに一役買っているのが、古くからある新世界のお店たちだ。串カツはもちろん、喫茶店やコロッケ、蕎麦などと、ジャンルはさまざま。そこで繰り広げられる常連とお店スタッフとのやりとりは、古き良き大阪の趣きを残す。もちろん、観光客もフラリと入れる懐の深さも魅力のひとつだ。
八重勝
【居酒屋/天王寺・阿倍野】

串カツ各種100円〜/左奥「どて焼(3本)」300円
カウンターの常連と同化できる串カツ店の懐40年、50年来の常連も通う、新世界の老舗串カツ店。向かいに別館もオープンし、観光客もより気軽に入れるスタイルになった。串の種類は30種以上。毎朝、木津の中央市場から仕入れる新鮮な肉や魚介、野菜などの他に滋賀県永源寺の特産品である「永源寺こんにゃく」などの変わり種、牡蠣や蟹などの季節ものも並ぶ。それらを包むのが自家製の衣。2種類の山芋を練り込んで独特の粘りをだし、それを高温の油でフワリと揚げる。また、白みその味がきいた「牛スジ」もビールと好相性。昼の開店からお客さんが並び、ビールジョッキを傾ける姿は昔ながらの新世界の風景そのもの。串とビールを頼めば、そんなシーンの一部にすんなりと溶け込めるのも、この店の魅力だ。「店舗情報」詳細へ
千成屋珈琲店
【カフェ・喫茶/天王寺・阿倍野】

「ミックスジュース」400円
結婚さえも決意させる元祖ミックスジュースもともとはジャンジャン横丁で、青果店を営んでいたという。そこで熟し切ったフルーツを「ミックスジュース」として売ったのが、こちらの名物の始まり。1960年には、喫茶店にリニューアル。ミカン、桃、バナナ、リンゴなどのフルーツを時季ごとに状態のいい品種を見極めてジュースに仕上げる。トロリとしながらも、サッパリとした後口はまさに新世界名物。そんなジュースがきっかけで結婚を決意したのが、店を切り盛りする二代目店主の奥さん。「お見合いの時にここのミックスジュースを飲んで、あまりの美味しさに結婚を決意したんです」という話も微笑ましい。昭和の名残を感じるレトロな店内で、そんな話を聞きつついただけば、味わいもまた格別。他にも生イチゴ100%で作った「イチゴジュース」なども人気。 「店舗情報」詳細へ
総本家 更科
【麺飯類/天王寺・阿倍野】

「ざるそば」650円
白い蕎麦は昔ながらの新世界の味明治40年創業、当時東京ではやっていた蕎麦の実の中心部のみを使った更科蕎麦をいち早く大阪へと持ち込んだ一軒だ。元々は内本町で営業していたが、新世界誕生とともにこちらへ移転した。一時戦争のため阿倍野に店を移し2代目通天閣再建とともに戻ってきたという歴史も、新世界の老舗らしいエピソードだ。昔ながらの自家製麺は、更科蕎麦らしい純白の色合い。つなぎをまぜることで、口当たりをまろやかにしている。出汁の利いた蕎麦つゆが、麺に実によく絡む。また、新世界の横にある[一心寺]の宮大工が手掛けたという店のレトロな内観も、蕎麦に負けず劣らず、いい味わいを醸し出している。「店舗情報」詳細へ
肉のさかもと
【天ぷら・串揚げ・揚げ物/天王寺・阿倍野】

手前「通天閣コロッケ(1個)」80円/奥「ビフカツサンド」1,400円
新世界の食べ歩きグルメに外せない一軒。レトロな新世界商店街の入り口に鎮座するお肉屋さんは、創業100年を超えるという老舗。店頭で揚げる「串カツ」や「通天閣コロッケ」、「ビフカツサンド」など食べ歩きに最適な一品が充実しており、新世界ウォーカーはぜひ立ち寄りたい。なかでも40年以上続くロングセラーの「通天閣コロッケ」はカレー粉を隠し味に醤油や秘伝の自家製ソースでしっかりと味付けしており、ソースなしでも十分に食べ応えがある。また、お肉屋さんのポテンシャルを最大限に活かしたのが「ビフカツサンド」。150gの牛フィレステーキ用の肉を惜しげもなく使用。パンよりも分厚い肉がジューシー感をしっかりと演出。80円の「新世界コロッケ」か1,400円の「ビフカツサンド」か。どちらもコスパは抜群なので、嬉しい悩みがつきまとう。 「店舗情報」詳細へ
【取材】 木下昌輝
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