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Meetsな人の20軒

お好み焼き
激戦区の名店 下町の名店 老舗の実力 変り種でも実力は本格派

ミーツな人のオススメお好み焼き

ミーツな人のオススメ1軒
あらた(京都・九条)
あらたの翌朝はヒリヒリ沁みた。
 
あらた(京都・九条)

あらた(京都・九条)
高校を卒業して間もない頃、免許を取り立ての同窓生らに「辛いのイケる?うまいお好み焼き屋あるねん」と返事もしないうちにクルマに押し込まれるようにして連れてもらった。

ツレのクルマの初乗りである。それまでは、近所の公設市場のような店で半分に折って新聞紙で包むような店と、京都の裏寺のおばあがいる自分で焼く店でしかお好み焼きを知らなかった。

京都でも、パンチ頭の先輩に「あの辺はオレの地元やけど、おまえらケンカになりそうやったらヤバイから、とにかく逃げろや」と言われていたあたりにその店はあった。どう考えても路駐でやられそうにない通り沿い。春先の真っ昼間、キャロルが流れていたクルマから出て、一発で腹が鳴る匂いがした 。

店に入るとカウンターに4人並んで座った。「アカ4つ、カラカラ2つ、スジ4枚」とツレがスラスラと注文した。どうやら別の先輩らに連れてきて貰った店らしい。アカは赤ワイン(赤玉)にサイダーと焼酎が入っていたと思う。

カラカラは、卵をカラカラ音を立てて混ぜて鉄板で焼くお好み焼きが焼ける前のアテである。それまでおでん以外でスジを食べるのも初めてだった。お好みにたどり着く前に、甘くて飲みやすいアカをジョッキ2杯。明るいうちの酒も初めてだったが、ここまで回るとは思っていなかった。

当のお好みが目の前に来たときに、ドロっとしたソースをツレがドバドバと塗りたくってくれた。とにかく辛い。辛口カレーの挑戦でタダになる国道沿いの店では5倍くらいで泣いていた口が、いきなりドロソースの洗礼を受けたのだ。

が、とにかくうまかった。調子に乗って、辛口ソースをかけまくった。アカもグビグビやった。そして、翌朝、二日酔いの頭でトイレに座り、ウオー!である。

尻がヒリヒリ灼けるように痛かった。おそらく、この記憶は死ぬまで忘れないだろう。街のお好み焼きデビューはうまいと辛いと痛いものであった。

(文:曽束政昭)

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