寿司屋のカウンターはバーに似ている。
そう思った時から、いろんな寿司屋に行くのが楽しくなった。
なじみの店に一緒に連れていってもらう場合は別として、人から聞いて初めて行く寿司屋さんは、少し緊張する。表の引き戸を開ける時に足がすくむ店もあるし(特に銀座)、カウンターに座っても、ぴんと張りつめた空気になかなかなじめなかったり。
でも、大阪の寿司屋は、そんな空気感のある店はほとんどない。カウンターだけにご主人のキャラクターが前面に出るのだが、店好きとしてはそれが楽しくて通うのである。
「●●さんがプロデュースした立ち呑み屋」なんて店が登場する昨今、店主がやりたいことを貫いているお店って少なくなっている気がする。でも、寿司屋さんはそうじゃないと思うのだ。
「寿司屋なんて、家の近所か会社の近所に、好きな店3軒ぐらいあったらええやん」と言う人もいる。でも私は、自分の肌に合うバーを見つけたいなあ、と思うように、魚の味とか仕込みの具合とか、すし飯の加減とか、ご主人の話し方とか、お酒の種類とか、いろんなことをひっくるめて「ええなぁ」と思える寿司屋のカウンターをいつだって知りたい。バーと同じように、「私は好きだけど、彼には合わないかも…」という場合もあるだろう。カウンターの店は、とても個人的な好みによると思うから。
店主みずから目の前で料理したものを、その場で食べる。そんな逃げられないようなスタイルの究極が寿司屋のカウンター。「彼氏の手料理」ふうなものは出せるはずがない。というわけで、寿司屋通いにはハマッているのです。
(文・金馬由佳) |