世界に誇れる、関西スイーツ文化とそのレベル。
実は、私は甘いものはそんなに得意ではない。どちらかというと酒好き、アテ好き。甘党女性の「1食抜いてでもケーキが食べた〜い」とか、「ケーキバイキング大好き!」なんて台詞は信じられない、というレベル。
そんな私でも「好きなスイーツは?」と聞かれれば10個ぐらいはさらっと出てくるし(出すぎか?)、「おいしい甘さ」というのがこの世には存在して、何層にもなった複雑な甘さ、雑味やえぐみのない甘さというのは、「いつまでも舌に残ってて〜」と幸せな気分になる。
そして、京阪神の飲食店を取材していて、改めて感じるのは、「関西のスイーツのレベルの高さはすごい」、ということ。ベタっとした血糖値の上る安易な甘さではなく、本当に手間隙をかけた「おいしい甘さ」のあるスイーツばかりだ。
以前、東京で超有名な某和菓子店の豆大福(1時間近く待ちました)を食べた時、京都の[出町ふたば]さんの豆餅が基準になっている舌には、「なんか…ちゃうねんなあ。これは並ぶほどの美味しさなのか…?」と京都の和菓子文化の高さをしみじみと舌で感じたものだ。
関西のスイーツ文化の高さを支えているのは、なんといってもそこに住む女の子たちの舌のおかげである。彼女たちのスイーツ偏差値の高さは尋常ではない。「○○って美味しい」ではなく、「○○の□□だったら、 △△の方が美味しい」とか「○○ってモンブランの味落ちたよね」なんて品目ごとに、各自批評リストがしっかり出来上がっていて、しかも随時更新され続ける。
そんな女子たちの厳しい舌で、関西のスイーツの店は鍛え上げられる。その証拠に、阪神間や元町商店街には、全国のデパートに入っている名うてのスイーツ ブランドの本店が軒を連ねている。こうして育まれたスイーツ文化の中で、老若男女、甘いもの好きもそうでない人も、関西人は自然とスイーツの英才教育を受 け、その偏差値を上げていったのだと思う。
その証拠に酒のアテ系やチーズが大人気の甘党率ゲキ低の編集部でも、「[エスコヤマ]のロールケーキ貰ったで〜」「[廣井堂]の栗蒸し羊羹買ってきました」と声が掛かれば、わらわらとテーブルに集まり、瞬時になくなる。甘かろうがしょっぱかろうが、結局「うまいもんはうまい=幸せ」ということ。そして、そんな幸せを知っていれば知っているほど、その人の人生は豊かだなあ、羨ましいなあと思うんである。
で、今回は「スイーツはあんまり得意じゃないけど、美味しいもんなら食べたい」目線で選んだ品をご紹介します。甘党じゃない男性でもきっと大丈夫(なハズ)。おつかいものレパートリー候補にも、ぜひ試してみてください。株がアップするかもしれませんから。
(文・森本亮子) |