突然白目がブヨブヨに!眼科医が結膜浮腫の原因と対処法を教えます

2017年10月19日掲載

「目に違和感を覚えて鏡を見たら、白目がゼリーのようにブヨブヨになっている!」
「痒みも異物感もあるし、充血もしているし、一体何が起こったの?」

突然自分の目がこんな状態になったら、「何か大変な病気なのでは?」と怖くなってしまいますよね。

今回は、この不可解な“白目のブヨブヨ”の正体や原因・対処法・予防法などを、眼科医の野﨑真世先生に教えていただきました。

医療法人涼悠会・梅北眼科医
野﨑 真世

医療法人涼悠会・梅北眼科の眼科医師。眼科一般診療をはじめ、白内障や緑内障などの定期検査・網膜裂孔や糖尿病網膜症に対するレーザー治療・眼鏡やコンタクトレンズ処方、さらに一部形成外科手術などを行う。子供の治療にも力を入れており、近視進行予防についての提案もしている。

“白目のブヨブヨ”の正体は?

“白目のブヨブヨ”、これ自体は何かの病気というわけではありません。実は、この正体は結膜(白目の表面を覆う半透明の薄い膜)と白目の間に水分がたまることで生じる浮腫(ふしゅ)です。浮腫とは簡単に言うとむくみのようなもので、結膜炎の症状のひとつです。専門用語では結膜浮腫(けつまくふしゅ)と呼ばれています。

“白目のブヨブヨ”=結膜浮腫が起きる原因は?

結膜浮腫は、結膜炎のなかでも特にアレルギー性結膜炎が原因で生じる傾向があります。花粉や動物・ハウスダストといったアレルギー症状が強く表れて、結膜に炎症が起きている状態のときに目をこすったりかいたりすると、結膜がよれて白目との間に隙間ができます。するとそこに水分が入り込み、浮腫が生じてしまうのです。

また、長時間にわたるコンタクトレンズの装用によって結膜炎になり、結膜浮腫が生じることもあります。
顕微鏡でコンタクトレンズを外した直後の目を見てみると、白目にはコンタクトレンズの跡が丸く残り、周囲の結膜は外側に押されてシワが寄ったような状態になっていることがあります。普通はコンタクトレンズを外してしばらくすれば元に戻りますが、慢性的にコンタクトレンズをつけていると結膜のシワが常態化し、シワと白目との隙間に水分が溜まって浮腫ができやすくなってしまうのです。

特に、ドライアイの方は注意が必要です。ドライアイでは、コンタクトレンズと眼球の間に緩衝材となる涙が少なく、レンズと眼球はピタッとくっついた状態になっています。そのため、レンズ周囲の結膜にヨレやシワが生じやすくなり、浮腫を招いてしまいます。

このほか、カラーコンタクトレンズ(カラコン)をしている方はレンズを着色する色素の成分に気をつけましょう。あまり知られていませんが、カラコンの色素には金属が含まれているため、金属アレルギーを持っている方がカラコンを装用してしまうと、強いアレルギー反応が出て結膜浮腫が生じる恐れがあります。

結膜浮腫になったらどうするべき?

結膜浮腫は見た目のインパクトが強いため、「大変なことになった!」とつい慌ててしまいがちですが、時間が経てば炎症は引き、何事もなかったかのように元に戻ることがほとんどです。「急いで病院に来たけれど、病院に向かう道中や診察を待っている間にすっかり治ってしまった」という患者さんも多くいます。

もしも結膜浮腫になったら、まずはできるだけ安静にして、患部を刺激しないようにしてください。コンタクトレンズを着用している場合は、速やかに外しましょう。そして凍らせた保冷剤や水で濡らしたタオルを当てて冷やし、炎症を抑えます。それでも炎症が引かないときや、浮腫以外の症状(痒みや痛みなど)がひどいときには、眼科で診てもらうことをおすすめします。

結膜浮腫の予防法は?

1.アレルギー性結膜炎の治療を行う

結膜浮腫を予防するためには、根本原因であるアレルギー性結膜炎の治療が必要です。
結膜浮腫は一度なるとその後もなりやすい傾向がありますので、繰り返さないためには「アレルゲン物質となるものをできるだけ避ける」「眼科で抗アレルギー服用薬・点眼薬の処方を受ける」など、アレルギーへの対処を徹底しましょう。それでもアレルギー症状が生じてしまった際には、手でこすったりかいたりといった外からの摩擦を目に与えないように注意してください。
病院によっては、比較的簡単にアレルギー原因を調べる検査をしてくれます。例えば、指先に針をパチっと当てて少量の血液を採取するだけのアレルギー検査もあるので、医師に相談をしてみてはいかがでしょうか。

2.ドライアイを改善する

コンタクトレンズを装用している方はドライアイを改善すると、目にシワやヨレができる可能性が減って、結膜浮腫の予防につながります。「ドライアイは体質だから仕方ない」と思っている方は多いかもしれませんが、ドライアイは眼科での治療が可能な病気です。眼科でのドライアイ治療では、主に点眼薬の処方を行います。目の状態や症状にあわせて薬効成分を含んだ点眼薬を処方しますので、市販の目薬よりもはるかに改善が期待できます。ドライアイの自覚症状がある方は、ぜひ一度眼科で診察を受けてみましょう。

関連: 「市販の目薬ではかえって悪化?ドライアイは治療で治る?実は知らないドライアイのこと」

3.コンタクトレンズの使用状況を見直す

コンタクトレンズにまつわるトラブルに起因する結膜炎、それに伴う結膜浮腫を予防するためには、コンタクトレンズの使用をできるだけ短時間に留めましょう。朝から寝る寸前までつけっぱなしにするのはやめて、帰宅したら眼鏡に替えるなどの工夫をおすすめします。
また、コンタクトレンズを常に清潔に保つことも大切です。きちんと洗わなかったり汚れた手でレンズをつけたりしていると、雑菌やウイルスが目に入って結膜炎になってしまい、結膜浮腫を招くことがあります。
上記のことを踏まえるとアレルギー性結膜炎の方には、ケアの必要がなくすぐに外すことができるワンデータイプのコンタクトレンズが向いています。なかでもシリコーンハイドロゲルという素材で作られているレンズは、酸素透過性が高くドライアイの予防改善の観点からもおすすめです。

まとめ

白目がゼリーのようにブヨブヨに腫れる結膜浮腫は、見た目の印象こそ強烈ですがそれほど深刻にとらえる症状ではありません。しかし、外出中や大事な場面で症状が出るのはやはり避けたいものですね。気になる方は、一度ご自身のアレルギーの有無や目の健康状態・コンタクトレンズの使用状況などを見直してみてはいかがでしょうか。

監修
医療法人涼悠会 梅北眼科 野﨑 真世