野菜ジュースって本当に体にいいの?飲むタイミングや選ぶポイントは?

2017年11月2日掲載

ちょっと疲れたときや野菜不足を感じたとき、手軽に栄養補給をするために野菜ジュースを選ぶ人は多いかもしれません。
しかし、果たして本当に体にいいのでしょうか。
その糖分・カロリー・効果的に飲む方法などを、辻ウェルネスクッキングスクールの副校長で管理栄養士の
辻ヒロミさんにうかがいました。

監修 辻 ヒロミ

辻ウェルネスクッキング近鉄あべのハルカス校 副校長。管理栄養士・調理師・フードスペシャリストの資格を持つ。日本国内だけではなく、フランスをはじめとしたヨーロッパ各国・北米・東南アジアの国々を訪問し、体に優しい食品や食材を探求。おいしくてヘルシーな料理を研究して、栄養調理講師としてテレビでも活躍中。

野菜ジュースを飲む2つのメリット

1.栄養を効率よく摂取できる


野菜をジュースにすると、野菜の体積が減るので効率よく栄養をとることができます。また、βカロテンやリコピンなどはジュースにする際にミキサーで発生する熱によって吸収率が上がるため、生の野菜を食べるよりもジュースの方が栄養をとれます。
その反面、野菜がジュースになる過程でビタミンCや不溶性食物繊維は少なくなってしまうので、これらの栄養素をとりたい方には、野菜ジュースは向いていないかもしれません。

2.朝飲むと、体をスムーズに活動状態に移行できる


人間の体にはサーカディアンンリズムと呼ばれる、1日のリズム感覚が備わっています。このリズムに合わせて体を目覚めから活動状態にスムーズに移行させるために、野菜ジュースに含まれるブドウ糖が役立ちます。

1日に飲んで良い量・飲むタイミング

●1日に飲んで良い量


野菜ジュースを飲む量は手作りなら一日にコップ2杯くらい、市販品なら200ml入りを1~2本くらいにしておきましょう。大切なのは、野菜ジュース以外のかたちでも食事のなかで野菜を食べることです。ジュースはあくまで補うものとして飲むようにしましょう。


●おすすめの飲むタイミング


野菜ジュースを飲むタイミングは、朝がおすすめです。しかし寝起きすぐは、コップ一杯の水か白湯(さゆ)を飲んで、自律神経を刺激して体を優しく起こす方がよいでしょう。その次に野菜ジュースでしっかり体を目覚めさせてください。寝ている間に失われた水分を補給してから野菜ジュースを飲むと、代謝がぐっと良くなります。
消化の良い野菜ジュースは素早く体に吸収されてエネルギーになりますが、起きていきなり甘いものや酸の強いものを入れると胃腸に負担をかけてしまいます。水で胃腸を潤し、刺激してから野菜ジュースなど摂取すると、消化吸収の準備も早まります。
ただし、夜の寝る前に野菜ジュースを飲むなら果汁入りは避けましょう。睡眠中に果糖に含まれる糖分が体内に吸収されて、太りやすくなってしまうからです。

市販の野菜ジュースを買うときのチェックポイント

「1日分の野菜」「1食分の野菜」と書かれたパッケージを見ると「これさえ飲んでおけば必要な野菜がとれるんだ!」と思ってしまいますが、それは勘違いです。そのような文言は、厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取量(350g)や1食分の野菜摂取量(120g)の野菜を“使っている”という意味であって、その栄養がまるまる“入っている”わけではありません。
ですので、市販の野菜ジュースを買うときはわかりやすいキャッチフレーズに惑わされずに、パッケージに記載されている原材料とその量をチェックしましょう。

成分表を見てみると、いくつかの栄養の数値に幅があることに気がつくと思います。例えば「αカロテン 1200~6200μg」と記載されていることがあります。幅がある理由は、野菜の収穫時期によって栄養素の含有量に差が出てしまうからです。どの数値が正しいかを自己判断することは難しいため、あまり深く考えずに一つの指標として捉えると良いでしょう。
また、使われている野菜や栄養成分を確認したうえで、カロリーオーバーにならないためにも砂糖・食塩・甘味料が添加されていないものを選んでいただきたいと思います。最近は食塩・砂糖・保存料を使用していない野菜ジュースが多いので、あまり心配する必要はないかもしれません。

おすすめは市販のジュースよりも、旬野菜を使った手作り!

手作りの野菜ジュースの良いところは、その時々の旬の栄養がとれることと欲しい栄養素を選べることにあります。
作るときは、野菜をよく洗って粗く切ってからミキサーかジューサーにかけます。冷蔵庫で少しだけ余ってしまった野菜を入れても良いでしょう。野菜がピューレ状になったら、ヨーグルト・牛乳・豆乳などで飲みやすくなるように伸ばします。水分を足すなら水道水ではなく、ミネラル含有量が多めのミネラルウォーターを。作り置きはおすすめしませんが、飲みきれない場合は保冷できる水筒に入れて、なるべく早めに飲みましょう。

栄養素は赤・緑・黄で覚えよう

野菜ジュースを手作りするときは、赤・緑・黄色の野菜とそれらの持つ栄養素を覚えておくとレシピの幅が広がりますよ。

【赤】

赤い野菜はパプリカやビーツなどがあります。抗酸化力があるビタミンCを多く含むため、アンチエイジングや美肌効果が期待できます。また豊富な食物繊維による整腸作用も。

【緑】

緑はほうれん草・小松菜・モロヘイヤなど。ほうれん草はシュウ酸によるエグミが強く出てしまうため、エグミが少ないサラダほうれん草がおすすめです。サラダほうれん草に含まれているカルシウムはビタミンCと合わせると吸収されやすくなるため、ビタミンCを多く含む小松菜と組み合わせると良いですよ。

【黄】

黄はキャベツがおすすめ。キャベツに含まれるビタミンUは胃粘膜を調えるため、飲み過ぎた翌朝に良いですね。

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冬に旬を迎える小松菜を使った野菜ジュースレシピ

【材料】
・小松菜(一束)
・アボカド(1/2個)
・果汁100%りんごリジュース(適量)
・はちみつ(お好みの量)

ビタミンCとβカロテンを多く含む小松菜に、ビタミン・ミネラル・食物繊維が多いアボカドを加え、さらに整腸作用のあるりんごジュースで水分を足した栄養たっぷりのジュースです。アボカドの変色を防ぐために、レモン汁をふりかけておくことを忘れずに。ビタミンCは疲労回復やアルコールを分解する役割もあるので、疲れているときや、お酒を飲む前後に飲んでおくと良いですね。

目的に応じて野菜ジュースを選ぼう

風邪予防


風邪や花粉症を予防するためには、ビタミンA・βカロテン・リコピンを多く含むトマトやパプリカなどが適しています。これらは粘膜を保護・強化してくれるため、疲れ目や肌荒れにも良いとされています。リコピンは老化の原因とされる活性酸素を取り除く効果もあるので、血糖値を下げたり紫外線によるシミやソバカスを防いだりもしてくれます。

疲れ・二日酔い対策


オールラウンドプレーヤーのビタミンCは、疲れ・朝の不調・二日酔いなどに有効です。ビタミンCと一緒にとると吸収されやすくなる植物性鉄分を合わせれば、貧血予防にも効果を発揮します。ただし、動物性の鉄分の方が栄養価は高いので、植物性の鉄分はあくまで補う程度です。

まとめ

体のために野菜をたくさんとりたいと思っていても、忙しかったり外食が続いたり、どうしてもできないときがあります。最近はカフェやファミリーレストランでも野菜ジュースがある店があるので、野菜をとれないときには清涼飲料水ではなく野菜ジュースを選ぶのも一つの方法です。野菜ジュースを過信してはいけませんが、適量を飲む分には栄養的にプラスになることもあります。食事の補助として、健康に役立ててくだい。

監修

辻ウェルネスクッキング副校長 辻 ヒロミ
辻ウェルネスクッキング URL: http://www.tsuji-w-cooking.com/