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関西の専門医が語るドクター's コラム

咽喉頭異常感症の診断

咽喉頭異常感症の診断

耳鼻咽喉科では、のどの症状ひとつから、多種多様の疾患を見分けていきます。

1. 問診

まずは、具体的な症状、いつ頃から始まったのか、以前かかったことのある主な病気の有無など、さまざまなことを質問します。詳細な問診だけで診断がつくことも珍しくありません。詳細な問診は、診断の基礎となる部分であり、治療に向けてのスタート地点と言えます。問診が終わった後は、視診と触診をします。耳鼻科領域の疾患はほかの病気と違って比較的体の表面の病気なので、見て(視診)、触って(触診)、確かめることができます。

2. 視診

患部が疑われる場所を目で見て診察します。鼻からのどの一番奥(食道の入口、気管の入口)に関しては、目視が不可能な深い(奥まった)場所であるため、ファイバースコープ(内視鏡)を使って診察します。

3. 触診

目で見るだけでは分からない病気もありますから、手で触れて診察する触診を行います。口の中からのどの奥、甲状腺を含めた頸部(けいぶ:首)は、触診も重要です。

問診・視診・触診とで診断がつく場合と、診断がつかない場合があります。
診断がつかない場合や、診断に従った治療でも症状が改善しない場合は、採血をしたり、体の深部や内部の様子を見る検査を行います。

4. 検査

咽喉頭異常感症の主な追加検査には、次のようなものがあります。

  1. 採血:アレルギー、炎症、甲状腺機能について調べます
  2. 頸部超音波検査:甲状腺や頸部の病気を調べます
  3. 頸部MRI・頸部CT:頸部の深い場所にある病気を調べます
  4. 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ):食道~胃の病気を調べます
  5. 心理テスト


のどの違和感については、見落としてはならない重大な病気の有無を確認する必要があります。見えない場所にがんなどが潜んでいてはいけないので、何らかの症状がある限り、油断は禁物です。

5. 治療的診断 / 診断的治療

治療自体が、診断をつけるための検査であることもあります。ある治療に対する反応から診断を詰めてゆくのです。
「Aという病気にしか効果がない」という治療を行い、その治療に対する症状の変化を見ます。治療の結果、効果が見られたのであればAという病気と診断します。なお、咽喉頭異常感症のなかにはストレスなどからくる心因性のものもあり、場合によってはプラセボ効果※によって改善が見られる方もいます。ですから、何らかの治療で症状が改善した場合でも、心理的な理由で症状が出ていた可能性があります。
治療の効果がなかった場合は、「Aという病気ではあるものの頑固で治りにくい」のかそれとも「Aではない別の病気ではないか」と考えます。このようにして、順番に治療を行いながら、その効果によって診断を確定していきます。

※プラセボ効果とは
薬の成分を含まない偽薬によって症状が改善するというもので、偽薬効果・プラシーボ効果とも言います。

注意しなくてはならないのは、症状の原因となり得る病気の発見・治療を行ったとしても、「症状が改善しない」あるいは「症状が残る」といったケースもあるということです。そのような場合、症状の原因となり得る病気の影に、実は別の病気が潜んでいたということもあります。ですから、咽喉頭異常感症を取り扱うときには、症状がある限りは決して油断してはならないのです。

のどの症状から考えられる疾患

病気の場所 病気のタイプ 病気の種類(例) 検査(問診・視診・触診・治療的診断)
のど 炎症 慢性咽喉頭炎 咽喉頭内視鏡
アレルギーは採血
アレルギー 喉頭アレルギー
腫瘍 咽頭がん
喉頭がん
その他 喉頭蓋のう胞など
口の中 炎症 扁桃炎など 視診・培養・採血
アレルギー 口腔アレルギー症候群 採血
腫瘍 舌がん 視診・触診
その他 口腔乾燥症など 視診など
炎症 蓄膿症(副鼻腔炎) 鼻副鼻腔ファイバー
レントゲン・CT
アレルギー アレルギー性鼻炎 採血
食道~胃 腫瘍 食道・胃がん 胃食道内視鏡(胃カメラ)
治療的診断
その他 逆流性食道炎
(胃食道逆流症)
頸部
(けいぶ:首)
炎症 慢性甲状腺炎 採血
腫瘍 甲状腺腫瘍 超音波検査
その他 茎状突起過長症
(けいじょうとっきかちょうしょう)
触診・レントゲン・CT
肩こり 治療的診断
精神的 精神的なストレス・緊張・過労
がん恐怖、神経症、心身症
心理テスト・治療的診断
その他 貧血、自律神経失調、更年期障害

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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