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口臭は改善できる!口のニオイ撃退法

口臭は改善できる!口のニオイ撃退法

口臭とは、口腔内などにいる微生物が作るガスと、肺から出てきた臭気を含むガス(前日食べたニンニクや、お酒の臭いなど)が混じって、口から排出されたものがその正体です。口腔内には想像を超えるほどの多くの微生物が住み着いていて、これらは外部から侵入する病原菌をシャットアウトする役割を担っています。しかしその微生物が、虫歯や、歯周病を発生させたり、口臭の素となるガスを発生させたりします。
口臭を防ぐために歯を磨くことは、微生物を減らすという意味ではいいのですが、歯磨きだけでは完全に微生物を取り除くことは難しく、完璧に口臭を防ぐことはできません。さらに口臭には内科的原因で起こるものもあるため、そのような場合は、歯磨きによって除去することはできません。

口臭を防ぐのは唾液がカギ?

ドライマウスの人は口臭が強くなりますが、これは唾液が減少しているため。
唾液には、消化機能を助けたり、刺激のあるものを食べた際、その刺激を弱めたりする作用がありますが、もっとも重要な働きは、歯や粘膜の汚物を洗い流し、口腔内を清潔に保つということです。
唾液が十分にある状態で、口臭発生要因(中等度以上の歯周病や、炎症性疾患)がなければ、口臭は起こりにくくなります。
しかし、精神的な要因などによって、一時的に唾液の分泌が抑制されることがあります。そうすると口腔内を清潔に保つ力や免疫力を失い、唾液中にある新鮮な酸素が欠乏します。その結果、細菌が活発に活動しはじめ、さらに口呼吸をすることによって口腔内が乾燥し、唾液が減少することで口臭が発生してしまいます。

口臭の種類とは

口臭の種類は、以下のようなものがあります。

1.起床時口臭
寝ている間は唾液分泌が抑制されるため、口腔内が乾燥します。そのため口腔内の自浄性や免疫力が低下して、口腔内の微生物が増殖し、活発に活動するようになります。この場合は寝る前と起きてすぐのブラッシングで、口臭は軽減されます。

2.緊張時口臭
口臭と精神的な緊張は、密接に関係しています。普段は副交感神経が刺激されることによってさらさらとした唾液が出ているのですが、緊張によるストレスがかかると副交感神経が抑制され、唾液の流れが悪くなり口臭が発生します。

3.加齢による口臭
老化すると唾液分泌だけでなく、すい臓から腸へ分泌される消化酵素など、すべての外分泌機能が低下します。したがって、口腔内も乾燥し、口臭が発生します。

4.月経時口臭
女性の場合は、人によって月経時あるいはその前後に口臭がすることがあります。これは、自律神経系のバランスの崩れや、血液中のホルモンバランスが影響している可能性があります。

5.妊娠時口臭
妊娠するとホルモンバランスの変化により歯肉炎がおこりやすくなるために口臭がすることがあります。

6.思春期口臭
第2次性徴期を迎える中学生や高校生に多く、個人差がありますが、一時的にニラのような油っぽい動物的口臭がすることがあります。急激な成長にともなう血液中の性ホルモンや成長ホルモンの影響と考えられています。

7.体調不全時の口臭
不規則な生活で体調が悪いときや、風邪をひいたときなどは、一時的に唾液分泌能力が低下します。全体的な免疫力がダウンし、舌苔(ぜったい)の付着もひどくなり口臭を引き起こします。

口臭を防ぐために気をつけることとは?

口臭の原因は、食後の歯磨きだった!?

口臭を防ぐためには、“食後の歯磨きが大切”だと思っている人は多いと思いますが、それは間違い。
実は、食後の口の中の細菌レベルは、一日のうちでもっとも良好です。食後すぐは口の中の細菌の活性がなくなるため、病的な口臭がある人でも口臭は消えます。
しかし過度に歯磨き剤で磨いてうがいをすると、口の中を清潔に保つ作用がある食後の「唾液」を全て失ってしまいます。すると食後しばらくして口腔内の乾燥や酸性化を引き起こし、口臭の原因になってしまうのです。
では食後のケアはどのようにしたらよいのでしょうか。
食後は歯の隙間や舌の上に微細な食べかすなどがありますが、唾液によって口の中は中性に保たれるため微生物の発生も抑えられます。しかし口の中を中性に保とうとする力が弱い人は唾液が酸性化し、食後しばらくして口臭が発生し虫歯の原因になります。
ですから、食後はできるだけガムを噛むなどして舌の上を美しくし、唾液の分泌を促進させて、口の中を中和することが大切です。

舌磨きは厳禁!

舌についている舌苔(ぜったい)が口臭の原因だと思い、舌磨きをする人がいますが、これも間違い。舌苔は程度の差こそあれ、舌の健康を維持する上で必要であると考えましょう。過剰な舌苔や、異常な舌苔は口臭の原因になることもありますが、磨きすぎることによってさらに口臭を悪化させる場合があるからです。
舌をブラシなどで物理的に磨くことで、保湿に必要な舌の表面の白い毛のように見える舌乳頭や味覚細胞を傷つけ、かえって乾燥が起こりやすくなったり、味覚障害を引き起こします。そのため、舌を物理的に磨く習慣のある人の唾液は、正常な人に比べて、舌粘膜上皮がはがれ落ち白濁沈殿するなど、明らかに異常な唾液になってしまいます。
舌苔が気になる場合は、口の中の天井に押し当てたり、ごしごししたりよく動かして、過剰な舌苔を取りましょう。この方法では、決して舌苔を取りすぎないですし、舌を傷めることはありません。目安は、変な味が無くなるまで数回やってみてください。

水分補給をする

適度な水分補給は、口の中の乾燥を防ぎ、かつ、唾液分泌の促進を図ることができます。摂取量の目安は1日1.2リットル。食事や喉が乾いた時以外にも飲むようにしましょう。
朝、起床後の歯磨き後に、200~300cc程度(コップ1杯程度)を飲むのがおすすめです。これによって唾液分泌が促進されますので、朝食は必ず食べるようにしましょう。また、口腔内乾燥が起こりやすい食間にも水分補給をするようにしましょう。
水分補給に適した飲み物としては、水かスポーツドリンク(砂糖・炭酸を含まないもの)。お茶やウーロン茶は、唾液の分泌を抑えるので不適切です。またコーヒーも、飲むと口の中が酸性に傾き、またその成分が舌苔にも付着しやすく口臭の原因となるので不適切です。特に、空腹時のお茶とコーヒーは、口臭を強くする働きをしますので、注意しましょう。

虫歯がないかチェックする

虫歯があると、そこに食べかすがたまり、それが口の中の細菌によって分解されるため、口臭発生の要因になります。自分では虫歯が無いと思っていても、案外見えないところでできていることがありますし、以前に詰めたものが十分に合っておらず、その周囲に汚れがたまっていたり、あるいはその下で虫歯が進行していることもあります。
口臭が気になるときは、虫歯のチェックをしましょう。

唾液を分泌するエクササイズを行う

唾液分泌は自律神経系の支配を受けているため、私達の意志ではコントロールできませんが、しかしある種の唾液分泌は、舌の動きと連動しているため、コントロールすることができます。そこで、唾液を分泌させる舌のエクササイズをご紹介します。

【唾液分泌で口臭予防!エクササイズ】

口は、完全に閉じずに、少し開いた状態にします。

手順1:口の中で「ら」の時の舌の位置を作ります。この時、舌の先は口の天井に軽く接しています。
   
手順2:「ら・ら・ら・ら・ら・ら……」と激しく舌を動かしてください(声は出さなくてOK)。これによって、唾液がでてきます。それでも出にくいときは、「がらがらがらがらがらがら……」という発音の時の舌の動き(声は出さなくてOK)をしてください。

ほんだ歯科 本田俊一先生

監修:

日本の口臭治療の第一人者。ほんだ式口臭治療の提携クリニックが全国にある。
1980年山口大学獣医学科卒業、厚生省入省。1995年厚生省所属のまま大阪大学微生物研究所研究員、1997年大阪大学学士編入、歯科部卒業後、ほんだ歯科設立、現在に至る。2003年藤田学園大学医学部細菌学教室研究員。

ほんだ歯科

大阪府東大阪市小若江3丁目9番21号
TEL:06-6720-7244  公式サイト: http://www.honda.or.jp/

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