薬効を持つ植物や動物、鉱物といった、いくつかの天然由来の成分を組み合わせて作られた薬。それが漢方薬です。そんな漢方薬でも健康保険の使える漢方を「医療用漢方製剤」と言い、厚生労働省からの認可を受けた医療用の薬品として、医師などの処方箋によって処方されます。
病院で医療用漢方製剤の処方を受けるときは、一般的な薬と同じように、自己負担は1〜3割負担で済むことになります。ただし、自由診療で漢方薬を処方している医療機関の場合は全額自己負担となりますので、処方を受ける前に確認しておきましょう。
医療用漢方製剤
漢方薬は、「煎じ薬」と「エキス製剤」という種類があり、いずれも漢方の素である「生薬」からできています。
| 煎じ薬 | 医療用漢方エキス製剤 |
|---|---|
生薬をヤカンなどで煮詰め、こして飲む薬です。 |
生薬に含まれるエキス(有効成分)を抽出・濃縮し、粉末や錠剤、カプセルといった形に加工した薬。 |
| 現在、200種類以上の生薬に保険が適用されています。ただし、保険の適用対象となるのは、保険診療を受け付けている医療機関で処方された場合に限ります。特別な生薬が必要な場合は全額自費で購入し、他の生薬と一緒に煎じて使用します。 | 厚生労働省から認可を受けている「医療用漢方エキス製剤」は、約150種類あります。 代表的な製剤:ツムラ案中散エキス顆粒(慢性胃炎、神経性胃炎、胸焼け等)」「ツムラ葛根湯エキス顆粒(風邪の初期症状、鼻炎、頭痛、肩こり等)」「ツムラ麻黄湯エキス顆粒(風邪・インフルエンザ等)」「ツムラヨク仁湯エキス顆粒(関節痛、リウマチ等)」 ※2011年10月現在 |
処方してくれる病院を探すには意外と大変
たとえば、従来の薬ではなかなか症状が改善されないといった悩みを持つ方の場合、漢方薬の処方を受けることで、良い結果が得られるかもしれません。しかしながら、漢方薬を処方してくれる医療機関は増加しているものの、現状ではまだまだ少ないのが実情です。
では、漢方を処方してくれる医療機関を探すには、どうすれば良いのでしょうか。
もっとも確実な方法は、医療機関に漢方処方の有無を直接確認することです。健康保険が使える漢方薬の処方を受けたい場合は、その旨を伝えるようにしましょう。自由診療で漢方を処方している医療機関もありますし、もともと健康保険の適用外となっている漢方薬を処方される場合もありますので、必ず確認しておきましょう。
また、2008年4月から「内科」「外科」といった診療科目に「漢方」という表現を使うことが許可されたことから、「漢方内科」「漢方皮膚科」といった診療科目を標榜する医療機関も増えています。そういった医療機関をインターネット等で調べてみるのも一つの方法です。この場合も、健康保険の使用の可否について、事前に確認することを忘れないようにしましょう。
「漢方薬」と「西洋薬」の主な違い
| 組成 | 作用 | 特徴 | |
|---|---|---|---|
| 漢方薬 | 複数の生薬を組み合わせてつくられる | 1回の処方でさまざまな症状や病気に作用します | 患者の体質や体の状態を見極め、一人ひとりに合った漢方薬が処方されます。症状や病気の原因がはっきりしない場合にも、漢方薬は効果が認められることがあります。 |
| 西洋薬 (一般薬) |
単一の化学物質でつくられる | 痛みを取る・熱を下げる・炎症を抑える、といった具合に、特定の症状にピンポイントで強力に作用します | 患者の訴えだけではなく、各種の検査から得た結果や数値をもとに病気を探り、同一の症状の場合、同じ薬が使用されます。 |
漢方薬にも副作用があります
漢方薬は天然由来のお薬なので副作用がないと誤解している方もいるようです。
漢方薬とはいえ、体調や体質、誤った使用法などによって、副作用が現れることがあります。ですから、漢方薬を服用する場合でも、医師や薬剤師の指示、説明書やパッケージなどに記載されている用法・用量をきちんと守るようにしましょう。
2011年12月8日掲載

生薬をヤカンなどで煮詰め、こして飲む薬です。
生薬に含まれるエキス(有効成分)を抽出・濃縮し、粉末や錠剤、カプセルといった形に加工した薬。