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栄養素辞典

カルシウム

「カルシウムが豊富に含まれる食品は何ですか?」と聞かれたら、誰でもすぐに思いつくほど、今や非常に認知度の高い栄養素です。実は、体内のカルシウムのうち、99%は骨と歯に含まれています。残りの1%は、血液中や細胞中にイオンとして、またたんぱく質と結合した状態で存在しています。細胞中や血液中のカルシウム濃度は一定に保たれていて、血液中のカルシウム濃度が下がると、骨に貯蔵されているカルシウムが溶け出し、正常な濃度を保ちます。しかしこのような状態が続くと骨はカルシウムが抜けてスカスカになり、骨粗しょう症になってしまいます。また、血管を老化させるため、高血圧や動脈硬化の引き金にもなります。カルシウムは、一度にたくさん摂取しても、吸収できるカルシウム量は限られているので、毎日の食事で積極的にとるよう心がけましょう。

カルシウムの主な働き

1.骨と歯の形成
2.体液、血液の正常な状態を維持する
3.神経の機能や筋肉の収縮を正常に保つ
イライラ防止、心臓の働きをスムーズにする作用があるので、高血圧や動脈硬化の予防にも役立ちます。
4.血液を凝固させる
5.酵素を活性化させる

カルシウムが不足すると カルシウムを摂りすぎると
骨粗しょう症、高血圧、けいれん、筋力低下、イライラする、抑うつ感、クル病、骨軟化症、動悸、不眠、関節症、PMS(月経前症候群)などの原因となります。 高カルシウム血症、マグネシウム欠乏症、他のミネラル成分の吸収阻害などの原因となります。※普通の食事をしていれば心配ありませんが、サプリメントから摂取している方は、記載されている規定量以上を長期間服用すると余分なカルシウム(または吸収されなかったカルシウム)が上記の症状を引き起こす場合があります。
積極的に摂取したほうが良い方

発育期の子供、妊婦・授乳期の女性、高齢者、足がつる、イライラしやすい、リンナトリウムの摂取量が多い、骨粗しょう症・動脈硬化・高血圧の予防をしたい方など。

吸収を促進する要素

マグネシウムリンビタミンDビタミンK、クエン酸、リンゴ酸、乳糖、乳酸、カゼインホスホペプチド、塩基性アミノ酸(リシン、アルギニン)、エストロゲン(女性ホルモン)。また適度な運動もカルシウムの吸収を促進してくれます。

吸収を阻害する要素

マグネシウムの過剰摂取、遊離脂肪酸、フィチン酸、リンの過剰摂取(インスタント加工食品類)、シュウ酸、含硫アミノ酸、アルコール、食物繊維、カフェイン、食塩、たんぱく質の過剰摂取。

カルシウムが特に多く含まれる食品

小魚、乳製品、海藻、緑黄色野菜など

カルシウムの吸収率

乳・乳製品:約50%
小魚:約30%
植物性食品:約20%

カルシウムの1日の摂取基準

(単位:mg/日)
年齢 男性 女性
推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量 推定平均必要量 推奨量 目安量 耐容上限量
0~5(カ月) - - 200 - - - 200 -
6~11(カ月) - - 250 - - - 250 -
1~2(歳) 350 400 - - 350 400 - -
3~5(歳) 500 600 - - 450 550 - -
6~7(歳) 500 600 - - 450 550 - -
8~9(歳) 550 650 - - 600 750 - -
10~11(歳) 600 700 - - 600 700 - -
12~14(歳) 800 1,000 - - 650 800 - -
15~17(歳) 650 800 - - 550 650 - -
18~29(歳) 650 800 - 2,300 550 650 - 2,300
30~49(歳) 550 650 - 2,300 550 650 - 2,300
50~69(歳) 600 700 - 2,300 550 650 - 2,300
70以上(歳) 600 700 - 2,300 500 600 - 2,300
妊婦の方(付加量) - +0 +0 - -
授乳期の方(付加量) +0 +0 - -

出典:日本人の食事摂取基準(2010年版)

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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