便通に効くことで知られている食物繊維は、人間の持っている消化酵素で分解されない成分の総称で、難消化性多糖類とも呼ばれています。
不溶性と水溶性に分類され、不溶性食物繊維は、水に溶けず水分を吸収して膨れる性質があります。
不溶性食物繊維を含む食物を摂取すると、咀嚼(そしゃく)回数が増えるため、唾液や胃液の分泌が促進され、胃の中で膨らんで満腹感が得やすくなります。また、便の量を増やして排便を促し、腸内の有害物質の滞留時間を短くしてくれる働きがあります。つまり、未消化物の通過時間を短縮し、糖の吸収を抑え、便秘を予防・改善するとともに、発がん促進物質の除去や食べ過ぎを防ぐ作用があります。
一方、水溶性食物繊維は、水に溶ける性質があります。水溶性食物繊維は、胃の中で食品の水分を吸収し、粘性と容積を増大させます。つまり、食物の胃滞留時間が長くなり、食べ過ぎを防止してくれます。また、粘性は、グルコースの吸収速度を低下させたり、コレステロールや胆汁酸などの吸収を抑制したりする働きがあり、血糖値や血清コレステロール濃度の上昇を緩和します。さらに、水溶性食物繊維は腸内細菌によって発酵し、乳酸や低級脂肪酸を生成します。これらは腸内環境を整える働きがあります。
食物繊維の主な働き
- 1.消化管を刺激し、その動きを活発にする
- 2.腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整える
- 3.便秘の予防、改善
- 4.満腹感を与え、エネルギーの過剰摂取を防ぐ
- 5.胆汁酸の分泌を促し、血中コレステロールの上昇を抑制する
- 6.腸内の有害物質を吸着させ排出する
- 7.グルコースの吸収速度を低下させる
| 食物繊維が不足すると |
食物繊維を摂りすぎると |
| 便秘、痔、糖尿病、高脂血症、大腸の病気などの原因となります。 |
たんぱく質の消化率の減少、下痢、必要なミネラルまで排出する、などの原因となります。※普通の食事をしていれば心配ありませんが、サプリメントから摂取している方は、記載されている規定量以上を長期服用すると過剰症が出る場合がありますので、注意しましょう。 |
食物繊維が特に多く含まれる食品
| 水溶性食物繊維 |
不溶性食物繊維 |
| こんにゃく、果物、野菜、海藻 |
穀類、野菜、きのこ、寒天(天草、オゴノリから抽出したもの)、ココア、豆類 |
食物繊維の1日の摂取基準
目安摂取量は、1,000kcal当たり10gです。
| (単位:g/日) |
| 年齢 |
男性 |
女性 |
| 目標量 |
目標量 |
| 0〜5(カ月) |
- |
- |
| 6〜11(カ月) |
- |
- |
| 1〜2(歳) |
- |
- |
| 3〜5(歳) |
- |
- |
| 6〜7(歳) |
- |
- |
| 8〜9(歳) |
- |
- |
| 10〜11(歳) |
- |
- |
| 12〜14(歳) |
- |
- |
| 15〜17(歳) |
- |
- |
| 18〜29(歳) |
19以上 |
17以上 |
| 30〜49(歳) |
19以上 |
17以上 |
| 50〜69(歳) |
19以上 |
17以上 |
| 70以上(歳) |
19以上 |
17以上 |
| 妊婦の方 |
- |
- |
| 授乳期の方 |
- |
出典:日本人の食事摂取基準(2010年版)