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栄養素辞典

バナジウム

バナジウム

バナジウムは、自然界では玄武岩などの塩基性岩に多く含まれているミネラルです。石油や石炭にも多量に含まれている微量金属元素で、日本では富士山の地下水に多く含まれていることがわかっています。ミネラルウォーターなどで話題になったので、ご存知の方も多いでしょう。
微量ですが、人体にもバナジウムが存在しています。その生理作用はまだ完全に証明されていませんが、生活習慣病、特に糖尿病に効果があるのではないかと期待されています。特徴としては熱に強く、加熱調理をしても成分は変わりません。
ただ、ミネラルウォーターに含まれる程度なら安全とされてはいるものの、バナジウム元素自体は猛毒なので注意が必要です。またWHO(世界保険機構)では、無機バナジウムについて発がん性の有無を判断できる材料がないことから、「人に対して発がん性があるかもしれない」と位置づけています。
このように、バナジウムはまだまだ研究段階のミネラルで、はっきりした実態は解明されておらず、1日の摂取基準も定まっていません。(2009年11月現在)
「体に良いから……」という有益なうたい文句につられて、むやみに大量摂取することは避けましょう。微量ではありますが、私たちの日々の食事からも摂取できるので、特別に意識して摂る必要はないと考えられます。

バナジウムの主な働き

※動物実験の成果であり、人に対する効果は完全には証明されていません。

1.血糖値を下げる
インスリンと同じように血糖値を下げるので、糖尿病の予防や改善に効果があると期待されています。
2.骨や歯の形成を助ける
3.脂質の代謝に関与する
4.コレステロール値を下げる
5.血圧を下げる
6.体内の有害毒素や老廃物の排出を促す

バナジウムが不足すると バナジウムを摂りすぎると
成長不良、生殖機能低下、脱毛などの原因となります。
※動物実験の結果であり、人での欠乏症の報告はありません。
脱水、体重減少、成長不良、下痢、呼吸困難、心不全、腎臓障害などの原因となります。
※動物実験の結果であり、人での過剰症の報告はありません。

バナジウムが特に多く含まれる食品

昆布、ひじき、ワカメ、海苔、アサリ、エビ、カニ、イワシ、サバ、パセリ、きゅうり、トマト、マッシュルーム、卵、豚肉、牛乳、そば、大豆

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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