黒部の太陽

映画「黒部の太陽」の初公開から40年。制作者の意志によりビデオ・DVD化も叶わなかった、石原裕次郎・三船敏郎の幻の名作が、今、舞台に蘇る!

舞台「黒部の太陽」あらすじ

1967年、東京。
石原プロモーションのスタッフルームには、石原裕次郎と三船敏郎、映画監督の熊井啓らが集っていた。彼らは、「黒部の太陽」の映画化を決意し、当時映画界を仕切っていた五社協定という見えない壁に挑んでいた。どれほどの大スターであっても、協定に違反すれば映画界を追放され、俳優生命を絶たれる。彼らの手にした台本「黒部の太陽」にある、恐るべき破砕帯のように壁は厚かった。

時を遡ること10年前。1956年、大阪。
戦後復興を成し遂げようとしている日本の歩みを止めてはならない。
関西電力社長、太田垣士郎は、黒部ダムの建設を決断する。大自然が手つかずのまま残る黒部渓谷での工事は困難であり、人と資材を運搬する関電トンネル(大町トンネル)掘削は急務であった。

建設会社の若き技師、岩岡剛は関電トンネルの掘削に反対だった。無謀である、という現実的な理由の他、彼の父で、昔かたぎのトンネル掘りである岩岡源三との間に横たわる確執が、剛自身を縛っていた。
だが、ダム建設責任者である関西電力の北川覚と出会い、剛の頑なだった心情に変化が訪れる。おりしも源三が作業中に負傷し、現場を離れざるをえなくなった。離脱した源三に代わり、剛は工事の指揮を取ることになる。
北川と剛は、たくさんの想いを背負い、力を合わせて、関電トンネル最大の難関・破砕帯の突破に挑むが...
再び1967年。
映画「黒部の太陽」の制作も、トンネルの破砕帯のように次々と難題が噴出した。

映画製作に苦悩する裕次郎。映画中で破砕帯に挑む岩岡剛を演じる、裕次郎。関電トンネルの破砕帯突破という困難を軸に、人としての苦悩が合わせ鏡のようになった複雑で深いドラマを、中村獅堂が熱演する。

映画「黒部の太陽」とは

当時を振り返り、石原裕次郎は語った。
「三船さんと僕が映画界の将来を考え、強引に推し進めた勇気は、お互い、素直に讃えあいたい」

見えない圧力・五社協定

1966年11月。石原裕次郎と三船敏郎の二人は、木本正次の原作「黒部の太陽」を共同で映画化すると発表。夢の二大スター競演と壮大な作品に世間は驚き、歓喜した。
だが、彼らの発表は映画界に大きな波紋を投げかける。当時の映画界では“五社協定”がまかりとおっていた。“五社協定”とは映画会社5社が調印した取り決めで、自社専属の俳優・女優・監督は貸さない、引き抜かないという厳しい拘束であった。
石原裕次郎、三船敏郎ほどのスターであっても例外ではない。監督を務めた熊井啓も同様である。
しかし、彼らは、苦しみ、悩みながらも前に進む。その10年前、関電トンネルの破砕帯を突破せんと挑んだ男たちのように。
そして1968年、2月。映画「黒部の太陽」は公開され、大きな反響を呼び、当時の邦画史上最高の観客動員数を記録する空前の大ヒットとなる。彼らの破砕帯、“五社協定”を名実ともに突破したのだった。

奇跡が呼んだリアリティー。大迫力の出水シーン

暑い夏の日、クライマックスの出水シーンの撮影が行われた。熊谷組()の工場敷地内に全長200メートルに及ぶ関電トンネルを再現。坑内の岩石などは全て本物を黒部から搬入し、設置した。
本物に迫るセット内で、予想しなかったタイミングで水が噴出。石原裕次郎、三船敏郎らを濁流が襲った。撮影機材まで押し流す、まさに破砕帯からの突然の出水を思わせる事故。この事故で石原裕次郎も怪我を負った。だが、その事故を撮ったフィルムの一部が奇跡のリアリティーを生むことになったのだ。

黒部ダム建設工事を請け負った建設会社の一つ。熊谷組は関電トンネル掘削工事に深く関わったことから、映画撮影にも協力した。

幻の名作

映画「黒部の太陽」は、石原裕次郎の「生涯の最高傑作となった」「こういった映画は映画館の大迫力の画面と音声で見て欲しい」との意志を尊重し、ビデオ化・DVD化が見送られてきた。 かつて映画「黒部の太陽」でそうであったように、多くの人々の希望と熱意が困難を排し、幻の名作を舞台に蘇らせたのである。

脚本・演出 佐々部 清

1958年1月8日、山口県下関市生まれ。
2002年、『陽はまた昇る』で映画監督デビュー。
2003年『チルソクの夏』、2004年『半落ち』(第28回日本アカデミー賞 優秀脚本賞・優秀監督賞・最優秀作品賞/2004年日刊スポーツ映画大賞/2004年石原裕次郎賞受賞/第22回日本映画復興奨励賞/2004年新藤兼人賞を受賞)、2005年『四日間の奇蹟』/『カーテンコール』、2006年『出口のない海』、2007年『夕凪の街 桜の国』、2008年『結婚しようよ』/『三本木農業高校、馬術部』(2008年秋公開予定)と、精力的に作品を制作・発表している。

舞台の脚本・演出は本作品が初めてだが、「映画も舞台も観る人に感動を与えるという点では同じ。多くの方々に感動してもらいたい」と10月の幕開けに向けて取り組んでいる。

キャスト

中村獅童 中村獅童 設計技師「岩岡剛」役
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神田正輝 神田正輝 ダム建設責任者「北川覚」役
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大地 康雄/ベンガル/妹尾 和夫(特別出演)/橋爪 淳/勝野 洋/月影 瞳/渡 哲也(特別映像出演)
高垣 亘/宮川 一朗太/嶋尾 康史/水谷 妃里/伊嵜 充則/金井 勇太
石井 智也/田村 三郎/安井 牧子/天野 貴子 ほか

スタッフ

原作:木本 正次
脚本・演出:佐々部 清

特別協力:関西電力株式会社
協 賛:株式会社熊谷組・宝酒造株式会社
協 力:石原プロモーション、三船プロダクション
スーパーアドバイザー: 小林正彦(石原プロモーション)
主 催:朝日放送/梅田芸術劇場

舞台日程/チケット情報
公演日程 10月5日(日)〜10月26日(日)
会場 梅田芸術劇場メインホール
公式サイト http://www.umegei.com/m2008/kurobe.html

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