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原田知世 インタビュー

原田知世 インタビュー 音楽と私の“これまでとこれから”

デビュー25周年を迎える原田知世が、それを祝うかのような豪華アルバム『music & me』をリリース。この記念すべき作品には、MOOSE HILLの伊藤ゴローをプロデューサーに迎え、これまでの彼女の音楽活動を支えた鈴木慶一、大貫妙子らが参加。

それだけでなく、原田知世の新たな才能を引き出す、高橋幸宏、キセル、高木正勝、オニキユウジといった顔ぶれが加わり、過去を回想し、未来を予感させる、“時をかける”一枚となった。


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__デビュー25周年を記念するアルバムとなった『music & me』は、やはりこれまで以上に思い入れの強い作品になったのではないですか?

振り返ったり、その先を見たり、自分の中でいろんな気持ちが巡ったりして、思い入れは特に強いような気がしますね。あと、前作から5年空いたというのも大きかったです。この5年間は女優の仕事に専念していたので、その間にあった“音楽をやりたい”という思いを、やっとここで出せたという感じなんです。

__今作では、MOOSE HILLの伊藤ゴローさんをプロデューサーに迎えられたわけですが、原田さんにとっての伊藤さんの魅力とは?

ゴローさんは、カフェで数十人の前で演奏するときも、ホールで数千人の前で演奏するときも、音楽と向き合う姿勢はいつも変わらない。それってすごく素敵なことだと思うんです。そういう音楽との自然な付き合いから生まれる空気の中で、私も一緒に音楽をやりたいという気持ちになりました。

__自然体と言えば、今回レコーディングをされた場所も、一軒家を改造したような、とても雰囲気のあるスタジオだったとお聞きしたんですが。

キッチンもリビングもあって、みんなでお茶を飲んだり、ご飯を食べたりしながら、アイデアを出し合ってレコーディングしていたんです。今回は、たくさんのミュージシャンの方が参加してくださったので、そのお宅にいろんな人が尋ねてくるような感覚でした。トーレ・ヨハンソンさんのタンバリンスタジオも、みんながやりたいときにやりたい音楽をやってる感じだったので、ちょっと似ていたかもしれませんね。

__今回のアルバムには、本当にたくさんのアーティストの方が参加されていますね。これは原田さんのアイデアですか?

私の音楽の“これまでとこれから”を共存させたくて、こういう機会だからいろんな人に参加してもらおうと、ゴローさんと一緒に決めていきました。

まず、慶一さんは私の音楽人生の中では欠かせない存在で、この記念すべきアルバムにはぜひ立ち合って欲しい人でした。大貫さんも10代の頃から、私の成長に合わせて心に残る作品をたくさん書いてくださっているので、参加してもらえたらと思って。幸宏さんは、意外にも音楽の仕事は初めて。いつか機会があればご一緒したいとお話していたので、「やっとそのときが来た!」と思ってお願いしました。それ以外の方も全員初めてですね。でも、高木さんもオニキさんもキセルのお二人も、私がとても気になっていた人たち。ライブに伺ったりしていたので、このアルバムのリリースが決まる前から、「いつか(曲を)書いてください」とお話をしていたんです(笑)。

__例えば、鈴木慶一さんは10数年前からのお付き合いですが、今回久しぶりにお仕事をされた感想は?

慶一さんは私の声をよくわかってらっしゃるので、キー合わせをする必要もなかったですし、私も慶一さんの音を聴いたら、「こういう風に歌おう」とすぐにイメージできました。ふとしたときに、懐かしくて心地良いものに触れる感覚があって、他のアーティストの方とはまた違う感じがしましたね。でも、何年も離れている間に、お互いいろんな音楽をやってきたので、昔とは違う新鮮さもありました。

__「くちなしの丘」は、キセルとの初コラボ作品ですが、コーラスも曲の世界観もずっと前からご一緒されていたんじゃないかと思うくらい馴染んでますよね。この曲を初めて聴いたときの印象は?

デモテープでは、ギターと歌だけだったんですけど、「なんていい曲なんだろう」と思って何度も聴き返しました。一つ一つ展開していくメロディが全然別の世界を持っていて、それがすごく印象的。コーラスもお二人の声が浮遊しているみたいで、歌の世界観を大きく広げてもらえた気がします。私としては、キセルの音楽をずっと聴いていたので、今回は“キセルワールド”を旅した気分になりましたね。

__今作には「時をかける少女」、「シンシア」といったセルフカバー曲も収録されています。この2作はご自身にとってどんな曲ですか?

原田知世

やっぱり自分の代表曲ですね。「時をかける少女」は、当時この曲や主題歌になった映画で私のことを知ってくださった人が本当に多かったと思うんです。今でもその頃のイメージを強く持った方がたくさんいらして(笑)。だからこそ、自分にとっては完成された曲だったんですよね。映画とも、当時の自分とも切り離せない。新しく作り直そうという勇気も無かったので、しばらく大切にしまっていたんです。

でも、25周年ということでゴローさんが背中を押してくださって、今なら新しい「時をかける少女」を作れるかもしれないと思い始めて。あの曲の話になると、30代後半ぐらいの方で、遠い目になる方もいらっしゃるんですよね(笑)。たぶん、音楽から当時の思い出がよみがえってくるんだと思うんです。誰かの人生の中で、「時をかける少女」がそういう存在になっていたことが嬉しくて、やっぱり歌ってよかったと思います。

「シンシア」はトーレ・ヨハンソンさんにプロデュースしてもらった曲ですが、あの頃から音楽を通して私を知ってくれた人、特に私よりももう少し下の世代のファンの方が増えていったんですよね。女優だけを続けていたら、そういう世代の人と出会うこともなかったと思うんですが、長く続けているとまた新しい出会いがある、そう思えた曲でもあります。

__改めて、その頃の曲を歌うことで、当時と今の音楽に対する思いの移り変わりも再確認できたのではないですか?

「シンシア」の頃は、音楽に対して少し手ごたえも出てきて、自分なりの世界を音楽で作っていこうと一生懸命でしたね。でも、今はもう少し穏やかに、もう少し楽に音楽と付き合えるようになってきました。生活と音楽がどんどん近づいてきている気がしますね。

__今作をどんな風に楽しんでもらいたいですか?

短編映画を集めたような作りにもなっていて、飽きずにずっと聴いてもらえるアルバムだと思います。いろんな方の生活に寄り添ってくれるような作品になってくれたらいいですね。


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