SUPER BUTTER DOG ライブレポート 2008.9.11@Zepp Osaka





「今回のツアーは、新潟、福井、東京とメンバーの故郷を巡る旅なんだけど、大阪出身のメンバーはいないんだよね(笑)。でも、バタードッグは大阪からブレイクしたバンドだから、大阪には絶対来たかった。大阪はSUPER BUTTER DOGの故郷です!」
2008年6月、突然の解散宣言をしたSUPER BUTTER DOG。今回のツアーではチケット先行予約の時点で、予想を上回る応募が殺到し、新潟、福井の2公演は急遽会場を変更したという人気ぶり。こんな様子からも、彼らが如何にファンに愛されているかがわかる。SUPER BUTTER DOGを二度と観ることができないと思うと、涙なしには語れない・・・かと思いきや、ライブのラストでは彼ららしい意外な展開が待ち受けていた。
SEがゆっくりとフェイド・アウトし、緊迫が高まる会場。出音が鳴った途端、歓声が響いた。インディーズ時代の楽曲「犬にくわえさせろ」だ。元メンバーMEGがコーラスで参加し、始まったばかりのライブとは思えない、異常な盛り上がりに会場が覆われた。間を置かずに、繰り広げられるアップ・テンポな曲たち。彼らの音楽は“踊れる曲”ではなく、“踊らずにはいられなくなる曲”。「SUPER BUTTER DOGは働くみなさんのバンドです」というかけ声で始まった「FUNKY労働者」に、オーディエンスは明日の仕事も忘れて踊りまくった。
中盤に差し掛かり「コード」がしっとりと演奏される。じっくりと1音1音、確かめるように歌い上げる永積タカシ(Vo&G)。ステージ全体が真っ赤なライトで包まれ、光に溶けこむように視界から消えていくメンバー。目を閉じて、彼らの音に身を委ねると、SUPER BUTTER DOGが作り出すサウンドが、オーディエンスを優しく包み込んでいくのがわかった。
そんな抱擁感を楽しんでいると、耳馴染みのあるフレーズが・・・「FUNKYウーロン茶」だ。先程のじっくり聴くムードとは打って変わって、一気に沸き上がる会場。イントロを使ったコール&レスポンスは5分間にも及び、やっと始まった楽曲に会場は沸点を超えた。続けて「コミュニケーション・ブレイクダンス」、「五十音」、「マッケンLO」、「セ・ツ・ナ」などが演奏され、休む間のないファンは嬉しい酸欠状態。そして、アンコールに突入。声の限り歌い、髪を振り乱して踊り、SUPER BUTTER DOGの音楽を心ゆくまで楽しんだ、この日の観客とメンバー5人の間には一体感が生まれていた。
「かけひきのジャッヂメント」を演奏し、退場するメンバー。しかし、手拍子は一向に鳴り止まず、誰一人帰る気配はない。それは余韻を噛みしめているのではなく、あの曲が演奏されるまで、このライブが終わらないことを知っているから。そして、再びメンバーが登場。
「こんな形で、この曲をやることになるとは思わなかった」。永積による、繊細なアルペジオで始まった曲は「サヨナラCOLOR」。「サヨナラからはじまることが、たくさんあるんだよ」。まるで、SUPER BUTTER DOGの今を体現しているかのようなその歌は、オーディエンスの胸に深く染み渡っていく。私事だが突然の解散宣言に対して、不満の声は一つも聞こえてこなかった。それは歌を通じて、彼らのメッセージを受け取り、この解散をポジティブに捉えることができたからだろう。
そして、会場がしんみりとした空気に満ちていった。そっと涙をぬぐう観客。2階席からは“ありがとう”と書かれたプラカードが掲げられた。“終わってしまった”と誰もが思った、そのとき・・・「こんなしみったれた空気じゃ終われねーよ」と、永積。「私たち、ウーロン茶の歌を歌ってるバンドですよ(笑)」と、池田貴史(Key)。そして、始まった曲は「エ!?スネ毛」。すべての細胞に彼らの音楽を刻みつけるべく、全身で受け止める観衆。そして、長いアウトロがこの宴の終わりを告げた。メンバーだけでなく、観客の顔にも、全力を出し切った清々しい表情が浮かんでいたーーSUPER BUTTER DOGという殻を脱ぎ、それぞれ巣立っていくメンバーたち。しかし、これからも彼らの故郷がずっと大阪であることに、変わりはない。
- 1. 犬にくわえさせろ
- 2. 真夜中のスーパーフリーク
- 3. ゆっくりまわっていくようだ
- 4. FUNKY労働者
- 5. YO!兄弟
- 6. O.K
- 7. 日々GOGO
- 8. 外出中
- 9. コード
- 10. 5秒前の午後
- 11. FUNKYウーロン茶
- 12. コミュニケーション・ブレイクダンス
- 13. 五十音
- 14. マッケンLO
- 15. セ・ツ・ナ
- ENCORE1
- 1.あいのわ
- 2.終電まぎわのバンヂージャンプ
- 3.かけひきのジャッヂメント
- ENCORE2
- サヨナラCOLOR
- SPECIAL
- エ!?スネ毛
◆PROFILE
1997年にメジャーデビューして以来、幅広い年齢層のファンに支持され、ファンク・ミュージック界で不動の地位を確立。2003年に突然活動を休止した後、永積タカシ(V&G)はハナレグミ、竹内朋康(G)はマボロシ、池田貴史(Key)は100s、沢田周一(Dr)はナタリー・ワイズなどのサポートに参加、TOMOHIKO(B)はHEAVYLOOPERSseSSion、と個々に多彩な才能を発揮。そして2006年9月、「SWEET LOVE SHOWER 2006」の出演を期に活動再開。しかし、その後1年を待たずして突然の解散宣言。2008年9月13日、日比谷野外大音楽堂(公会堂)にてSUPER BUTTER DOGとして最後のライブを行った。

