ライブレポート
更新日:2009年6月19日
eo Music Tribe LIVE 2nd Approach iTunes Debut 100 Anniversary ライブレポート
“eo Music Tribe”とは…在関西ミュージシャンの音楽活動をバックアップしてくれる企画。メジャー/インディー、プロ/アマを問わず、ミュージック・ラバーであれば誰でも登録できる。そしてアップした自作品が好評を博すと、iTunesデビューが実現するという、画期的なシステムなのだ。これまでに、たくさんのアーティストたちが全国・全世界に紹介され、2009年5月にその数が100組に達した記念として、今回のイベントが開催されることに。
まずは、iTunesデビュー100組目のアーティスト・EVISBEATSがDJを開始。KREVAやサイプレス上野のトラック・メイカー、ラッパー(AMIDA名義)として活躍する彼の選曲内容は、やはりHIPHOPが中心だ。最近は、バッターの素振りのように、日々トラック制作を行っているという彼。その中からも何曲か披露していた。「CDでもリリースしているので、興味があれば是非チェックしてください」とのこと。バンド演奏のトップを務めるdracaenaは1999年に結成され、その後活動休止〜再始動しているが、そのリスタート時期に近いリリースの『Interlude(A.N.G.E.L.)』(DWELE)で最初のDJが締め括られたのは偶然か必然か、そんな思考を経て、いよいよライブが始まる。
1曲目の『エココロ』はストイックな印象。ギターの音色をミュートするなど、微妙な変化で世界観を表現していく。ステージの背景にはグレースケールで植物のイラストが映出される。そこにカラフルな花が登場すると同時に、サウンドは歪みを帯びていく。ビジュアルと音が一体となった変化に、オーディエンスは引き込まれていく様子。『ナイフ』は、基本的には8ビートを貫くリズム・フォーマットだが、時折ブロークンな展開も挟む。シンセを隠し味的に使うところが、彼ららしい。そんな繊細さがなし得ることなのだろう。会場では、dracaenaが用意したマスク(インフルエンザ対策)が配付された。
続いては、シンガーソングライターとして活躍するゆーきゃんと、ピアニカ奏者/トラック・メイカーのあらかじめ決められた恋人たちへ(池永 正二)を中心としたバンド、シグナレス。開幕すると、すぐに4つを打つハウスビートがスタートした。電子音によるハンズ・クラップが加わり、ミニマルな世界観が構築されていく。ブレイク後は、フェンダー・ローズを模したようなキーボードの音色が反響。そういえば転換時のDJで、EVISBEATSが最後にプレイしたのはローズの音が肝である『Feel Like Makin’ Love』(Marlena Shaw)のサンプリングだった。そんな、DJとバンドのリンクを探してみるのも、この日の楽しみの1つ。演奏後、マイクを握り“100組おめでとうございます。この活動があったから、現在の自分たちがあります”とeo Muric Tribeへの感謝を語ったゆーきゃん。
トリを務めるのはSIBERIAN NEWSPAPERだ。アコースティック・ギター、バイオリン、ピアノ、コントラバス、パーカッション、クラシック・ギター、ディジリドゥから成る大所帯バンドで、演奏内容はクラシカルなものから民族音楽まで非常に幅広い。
バイオリン・ソロの美麗なフレーズで始まると、そこに阿守孝夫と真鍋貴之によるユニゾンのギター・ストロークが続く。スパニッシュ・テイスト満載の、情熱的なアンサンブルだ。『柵から逃げ出し亡命する馬車の話』では、まるでブロークンビーツのようなリズム美で盛り上げていく場面が。また『ペルペテゥム・モビレ』では速いテンポで熱を上げていく。この曲についても、あえてクラブ・ミュージック的解釈を行うと、ドラムンベースとなるか。バス・ドラムは控えめながら、ベースは速弾きでテンションが高い。そして“めちゃくちゃにした”という『春』(原曲:ビバルディ)の間奏では、なんと4ビートが登場し、そんな華麗なサウンドに声援で呼応するリスナーが続出。
設立1年目から、eo Music Tribeに登録している彼ら。「初期の頃からお世話になって、こうして戻って来たんですねえ…“戻って来た”はネガティブかな」と回想しながら話す土屋雄作(バイオリン)。すると、阿守が「帰ってきたぜ!」と感慨深さを一言にまとめてみせる。
バンド演目が終了すると、EVISBEATSは会場をクールダウンしていく。ときに『眠りの森 feat.ハナレグミ』(冨田ラボ)といったJ-POPも選曲しながら、まったりとした空気を生み出していた。
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ライブ写真:古石洋平
文:兼道松

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