ライブレポート

更新日:2010年3月19日

原田知世 ライブレポート 2010.2.27@サンケイホールブリーゼ

原田知世 ライブレポート 女優、歌手… 様々な顔を持つ彼女が、新たに見せた側面
オーディションにより5万7千人の中から選出され、芸能界デビューしたのが1982年。同年、「セーラー服と機関銃」でドラマに初主演し、同作の主題歌『悲しいくらいほんとの話』もリリース。いずれも大ヒットとなり、瞬く間に“アイドル”に。翌1983年には「時をかける少女」でスクリーンデビュー、以後も多数の映画に出演し“女優”として活躍していく。90年代は、鈴木慶一やトーレ・ヨハンソンらとのコラボレーションによって音楽面での探求も展開。2007年に発表されたデビュー25周年記念盤『music&me』は、大貫妙子や高木正勝らと制作し、自身の音楽観を確固たるものに。同年、高橋幸宏が結成したバンド・pupaにはボーカリストとして召集され、あらためて“歌手・原田知世”としての存在を示した。

近作は、アイスランドでレコーディングした『eyja』。今回、取り上げるライブは、同アルバムを引っさげてのツアー@大阪である。なお、この記事のアップ後もライブが予定されているため、詳細な記述は控えざるを得ないのだが…想像しながら楽しんでいただければ幸いだ。

ツアー前、原田のホームページにて“Talk about eyja”と題されたコンテンツが立ち上がり、ライブにのぞむ気持ちが紹介された。そこで「(アルバムとは)違った歌い方が見つかったら楽しいかな」と話していた彼女。一体、どんな違いを見せてくれるのだろうか。今ツアーの演出は、夫・Ed TSUWAKIが担当。ときに、ステージ後部にスクリーンが現れ、多彩な表現で観客を楽しませる。Edは「ライブの早い段階から(空気が)あたたまるような仕掛けを」(中略)と語っており、まさにその言葉を体現するスタートに。会場は大規模なホールだが、演出によって“みんなで一緒に楽しもう”という気持ちに包まれた。

もちろん、サウンドの趣向も凝らされている。アンプラグドな演奏、ドラムンベースのようなリズム、ロッキッシュなアレンジ…。バイオリンで参加の伊藤彩は、事前に「エフェクトをかけてもおもしろいかも」と述べており、エレクトリックな質感と原田の歌唱とが合わさると、心地よい音楽になることを実証。

原田知世

『eyja』収録の『FINE』のPVでは、ギターを弾いて見せた原田だが、果たしてライブでは…と、期待していたリスナーがいたろう。その期待に、見事こたえた彼女。数曲において、バンド込みの弾き語りを披露した。“違った歌い方”どころではなく、ギターをプレイしながらのステージングを習得し、このツアーでは“演奏家”としての原田が誕生したのだ。また、久々となる振り付けも行なった。バレエダンサー・首藤康之による動きを身につけ、演じる彼女には“女優”としての表情も浮かぶ。

セットリストには、往年のファンがほほえむ懐かしい作品も満載。17歳のとき、坂本龍一からプレゼントされたあの曲や、大貫妙子作曲によるあの作品などなど。加えて、照明やそれに付随する効果、スクリーンと連動した内容で、楽曲を新しく魅せていく。ツアー前に「昔の曲からなにを選んでどう料理するか」と話していたバンマス・伊藤ゴローのセンスが光っていた。トークが多かったのも印象的だ。前日は悪天候だったため、大阪に向かう飛行機の出発が遅れたという。その待ち時間に「(実は)1人でライブのDVDを観て、個人リハーサルしてたの」と、はにかむ原田。そのあどけなさは“アイドル”の頃の彼女を連想させた。

会場の熱気は、最後までおさまることはなかった。2度のアンコールのあともなお、拍手が止まない。いったん、客席の照明が明度を上げたが…再び暗くなった。そして、原田が登場。挨拶のために現れたのかと思いきや、もう1曲歌ってくれた。そう、みんなが知る、あの名作だ。この演奏が、どんな言葉にも勝る“最高の挨拶”となった。曲が終わり、見えなくなるまで手を振って去っていく原田を、観客は一斉に立ち上がり、見送る。そして全員が大きな拍手を送った。アルバム『eyja』(=アイスランド語で「島」の意)のもとに集った“島民”が一体となった。

ライブ写真:古石洋平
文:兼道松

原田知世
member list
  • 伊藤ゴロー(g)
  • 梅林太郎(key)
  • ミト(b)
  • 千住宗臣(d)
  • 伊藤彩(v)
  • Ed TSUWAKI(アート・ディレクション)

new disc

『eyja』
artist 原田知世
title eyja
release date 2009年10月21日
information 品番:TOCT-26860
価格:3,000円(税込)

CDの詳細情報はこちら

artist profile

原田知世 1982年、14歳でデビュー。翌年、スクリーンデビューとなった『時をかける少女』では、映画と共に自ら歌った主題歌が大きなヒットに。その後も多くの映画に出演。1998年には、ベルリン国際映画祭の招待作品となった『落下する夕方』に主演し、『姑獲鳥の夏』『サヨナラCOLOR』『紙屋悦子の青春』など数々の話題作に出演。音楽活動も継続。1985年に発表した『パヴアーヌ』ではロックの要素やヨーロピアン・テイストを取り入れた音作りに挑戦し、90年代には鈴木慶一やトーレ・ヨハンソンと共に制作を展開、より幅広い音楽性を打ち出していく。2007年には伊藤ゴローのプロデュースによるデビュー25周年記念アルバムを発表。音楽への深い造詣を感じさせる多彩な作風でリスナーを圧倒した。最新作『eyja』には細野晴臣、大貫妙子、いしわたり淳治、mumなど豪華なアーティストが楽曲提供している。 official http://haradatomoyo.com/

次回は「たむらぱん」のライブレポートを掲載予定です。

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