特集
更新日:2012年12月19日
eo Music Try 2012 FINAL ライブレポート 2012.12.1@BIGCAT
関西最大規模の音楽コンテスト「eo Music Try 2012」のグランプリ決定ライブが、去る12月1日に心斎橋のBIGCATで開催された。今年は過去最高だった昨年をさらに上回る693組がエントリー。インターネット投票の上位3組と審査員審査で選出された4組の計7組が、熱いライブパフォーマンスを繰り広げた。
トップバッターはセミマル、銀平の兄弟を中心にした4ピースバンドGRIKO。ストレートなロックをかき鳴らすバンド陣、ヴォーカルのセミマルはマイクスタンドを振り回しながらお客さんを煽っていく。会場の温度が一気に上がっていくのがわかる。「大阪から夢を持ってやってきました。めっちゃ楽しいです! 熱量がハンパないです! 今日、優勝できたら半年間伸ばしてきた頭をボウズにします!」(ピク/Dr&Cho)というびっくり宣言も飛び出しながら、「一番GRIKOらしい曲」(セミマル)という「the morning bell」へ。キャッチーなメロディーと激しい演奏がぶつかり合う、アグレッシヴなロックチューンだ。限られた持ち時間のなかで自分たちの音楽を出し切ろうとする、その勢いが伝わってくる、熱気に満ちたライブとなった。
続いて登場したairlieは、打って変わってアコギを抱えての弾き語りスタイル。たった一人でステージに立つこと、大勢のお客さんと対峙する度胸を考えたら相当なもので、ふわっとした白のワンピースに身を包んだ彼女から発される歌声が会場に波打つように広がっていく。ほんの少し鼻にかかった、透き通った歌声がすっと入り込んでくる。ふと気づくともう3曲目。「何事にも意味があると思うんです。今この瞬間も意味のあるもので、この15分間は、私がみんなに提示するもの。みんな音楽が好きだからここにいる。これからもずっと音楽を好きでいてください。ときに音楽から離れることもあるだろうけど、また戻ってきてください。私がそのきっかけになります」。18歳にして、だからこそか、この言葉を言えてしまうその覚悟に圧倒される。「歌うこと」を選んだ彼女の情熱を感じられたライブだった。
ドラム&ヴォーカルの西岡拓真とキーボード&ヴォーカルのなす子ちゃん、というデュオで痛快なステージを展開したのはワニのいる生活。お手製のワニの看板を置き、ベースアンプの上にはモリゾーのぬいぐるみ、キーボードの上には造花が飾られていて、という凝りようだ。二人とも60年代サイケ&サブカル色の強い見た目だけれど、出てくる音は少しのアヴァンと満載のポップ! なす子ちゃんは跳ねるようにピアノを弾き、西岡拓真はドカドカと叩く。そのコンビネーションが楽しく、そして赤裸々。3曲目に予定していた曲が機材トラブルのためできなくなるや、急遽違う曲に。たまを連想させるメロディーやノスタルジックな音色にグッとくる。二人の歌や音がくんずほぐれつしていく、なんとも中毒性のあるステージだった。
コンテストも中盤戦。Scenarioartは、演奏を開始した瞬間にみんなをハッとさせ、パワフルなドラムを叩いていたクミコが歌い出した瞬間にみんなのハートをギュッと掴んだのがわかるほどの確かなライブ。オルタナ感のある音像、物語性のある歌詞、凝った曲構成とスキルフルな演奏、ギター&ヴォーカルのコウスケとクミコの男女ヴォーカルのハーモニー。静と動がダイナミックに移り変わり、それらが絡みあいながらひとつの世界観を作り上げていく。「明日、あなたの世界が終わるとしたら、どんな一日を過ごしますか?」という言葉に続いて歌われた「ラブマゲドン」はドラマチックで、激情のロックバラード。ライブ後に話していた「フィクションを交えて希望のある曲を作りたい」という言葉通りの、力強い音楽だった。
小玉哲也は大きな歓声に迎えられて登場。まずはバンドを従えて2曲続ける。ブルースの要素も感じるメロウなフレーズが印象的で、とても楽しそうに、気持ち良さそうに歌う。それを見ているこっちも楽しくなってくるようなライブだ。「手拍子は頭の上でー!」といったMCを含めて乗せ方もうまい! 3曲目はバンドがはけて弾き語りで。「僕の音楽人生のなかで、死ぬまで宝物だと思う曲を歌います」と、「11月の手紙」を始める。「母さん、僕はね」という歌い出しから、思いを込めて情熱的に歌い上げる。その思いがさーっと会場全体に浸透していく、しっかりと完成されたステージだった。
ステージに出てくるや女性の黄色い声援が響いたNA-O。4オクターブの声域を持つ歌声で、ストレートにラブソングを熱唱する。東日本大震災を受けて作ったという曲「always -夢より未来より-」でスタートし、甘く伸びやかな、高音が少しハスキーにかすれる声にファンはうっとり。2曲目「GIVE ME A FEEL」では、ラップ調の部分があったり、コール&レスポンスで盛り上げたり。ポジティヴさが全身から溢れ出ている。「やりきりました。元々は根暗なんですけど(笑)、まあミュージシャンはみんなそうだと思いますけど、リスナーとパワーを交換することでポジティヴになれるんです。もっともっといい歌を歌って、いろんなものを届けていきたい」とはライブ後のインタビューでの話。なんといっても、いい笑顔!
ラストは現役高校生4人によるバンド、音×AiRだ。ヴォーカルの楓は背中に「祭」と書かれた法被を着て登場。1曲目「音祭り」は祭り囃子をアレンジしたサビで、お客さんを巻き込みながら盛り上げる。ステージ中を走り回って、跳ねて、生き生きとライブをしている姿が、見ていて気持ちいい。ロックにアニソン、J-POPといった影響も感じるバンドサウンドで、音楽をする、バンドをする、という楽しさに満ち満ちている。ライブ後に話していた「今日は、若さを見せられたらと思って」(楓/Vo)の通り、恐いもの知らずなステージングと初期衝動まっしぐらのライブで沸かせていた。これからどんなことに興味を持って変化していくのか、そのときどんな音楽をやっているのか、ワクワクさせてくれる4人だった。
という流れで本編は終了、投票タイムに移る。観客ひとりにつき2組に投票し、そこに審査員の票も合わせてグランプリが決定する。その集計をしている間に、昨年の優勝バンド、ココロオークションのライブが行われる。ケイ・オプティコムのマラソン応援ソング「ヒカリ」に続いて、「去年のeo Music Tryで披露した曲を置いて帰ります」と「ナゾノクサ」を演奏。この一年でひと回りもふた回りも成長した、貫禄さえ感じられるライブで観客を魅了した。
そしていよいよ結果発表! 「ミズノ賞」「Pocky賞」「eo特別賞」「準グランプリ」と進んでいく。そしてグランプリには……Scenarioart! 先の表彰で「Pocky賞」も受賞していただけに、ダブル受賞を予想していなかったのだろう、喜びを爆発させるというより「えっ? ホントに?」といった放心状態で前に出てくる。受賞インタビューのころにようやく実感が沸いてきたのか、クミコは涙ながらに「ほんまにありがとうございます」と連発。「賞金100万円はどうしますか?」という問いには泣きじゃくったまま「焼き肉を食べにいって、好きな機材を買います」と即答したのも愛らしく、観客を和ませる。という締めくくりとなった。グランプリのScenarioartはもちろん、この日出演したバラエティに富んだ7組すべての、これからの可能性と成長に期待したい!
文:中谷琢弥
写真:田浦ボン
- 1 GRIKO
- 01)極東コーリング
- 02)ルーレット
- 03)the morning bell

http://grikorock.com/
- 2 airlie
- 01)今、僕想フ
- 02)いまさら
- 03)世界の愛し方
- 3 ワニのいる生活
- 01)ざあざあ
- 02)はだしでええやん
- 03)わるい夢が去るまで

http://waninoiru.dokkoisho.com
- 4 Scenarioart
- 01)スペイシー
- 02)ホワイトレインコートマン
- 03)ラブマゲドン

http://scenarioart.web.fc2.com/
- 5 小玉哲也
- 01)こんな世界に誰がした
- 02)僕のこたえ
- 03)11月の手紙

http://ameblo.jp/tetsuyaan83/
- 6 NA-O
- 01)Always-夢より未来より-
- 02)GIVE ME A FEEL
- 03)イメージ

http://na-o.net/
- 7 音×AiR
- 01)音祭り
- 02)僕らの音楽
- 03)Take away

http://onxair.web.fc2.com/
- 8 ココロオークション
- 01)ヒカリ
- 02)ナゾノクサ

http://cocoroauction.com/
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