特集
更新日:2011年12月19日
eo Music Try 2011 FINAL ライブレポート 2011.12.3@BIGCATTweet
関西最大規模の音楽コンテストeo Music Try。今年は、過去最高の681組がエントリーした。そのなかからインターネット投票で選出された上位3組と審査員による審査で選出された4組が、大阪心斎橋のBIGCATを舞台にグランプリの座を争った。詰めかけた音楽ファンをはじめ、レコード会社やメディアなどの音楽業界関係者も熱視線を送るなか、それぞれの持ち味を最大限に発揮する、熱いステージが繰り広げられた。
一番手に勢いよく登場したのはKANA-BOON。平均年齢20歳という若い4人が、ストレートなまでに純粋なロックを演奏して、会場を一気にヒートアップさせる。3曲目の『東京』では、かき鳴らされるギターに煽られるように、ボーカルの谷口俊寛がマイクを通さずに叫ぶ。前のめりになった、谷口の物語るような目が印象的だ。「ちょっとでも届いたらいいなと思います!」「いつかまたここでライブする日まで、がんばります」とコメントしていたが、この若いエネルギーには期待したい。
2組目は@way。アコースティック・ギター×2人という編成だったが、演奏を始めるとその多彩さに驚く。ジャズやロックの要素も取り入れたポップスで会場を魅了する。中学からの同級生という藤原劍と森佑樹の2人が交互にボーカルをとるスタイルがうまくハマっていて、曲の幅を広げている。3曲目の入りでは、ギターのリズムに合わせて自然と客席から手拍子が起こる。「今、僕が言おうとしたことをやってくれましたね」と藤原が笑顔で話し、曲がスタート。後半ではお客さんとの掛け合いもあって、和気あいあいとした雰囲気で終了。
ひと際、大きな歓声で迎えられたのはナードマグネット。最初の音を出した瞬間から会場の雰囲気をがらっと変え、観客を引き込む。エモーショナルで哀愁的なメロディーがいい。「去年も一昨年もeo Music Tryに応募したけど、全然ダメで、今回ようやくここまで来ることができました。ここにいるひとりひとりにディープキスして回りたいくらい(笑)」と前川知子(B)が喜びを打ち明ける。そして須田亮太(Vo&G)は「12月ですね。クリスマスですね。ということで別れの歌を歌いたいと思います」と『グッバイ』という曲を始める。ロックの王道を行く展開のなかで、ギターの谷村京亮の弾くフレーズが楽曲に幅を持たせている。男性からの歓声が多かったのは、「『コイツ情けないな』っていうシンパシーじゃないですか」(須田)という等身大さと、日常の機微を綴った歌詞の魅力だろう。
続いて登場したのはMoccobond。今年2月に結成されたばかりと、まだ日は浅い。女性3人に男性1人という編成も独特だ。くりんくりんの金髪が目を惹く引く谷夏野子(Vo&G)のキュートな声がダンスビートに乗っかり、amanamazoooはキーボードそっちのけでスマートフォンを振り回して効果音を出している。「みんな自由にやってます」(佐藤慶佑/Vo&B)と、4人ともがキャラの立ったメンバーだ。続く、『ラベル』では佐藤慶佑がボーカルをとり、フェンダーローズに似せたキーボードの音色も滑らかに響く。「みんなに届かないと意味がないから、精一杯、誠実に歌いたい」(佐藤慶佑)と、スローに始まった『in the end』は、中盤から一気に速度を上げ4人がステージを駆け巡ってスリリングに盛り上がっていった。
今回、唯一のソロステージとなった大村みさこ。彼女はキーボードでの弾き語りだ。始めの2曲はSIBERIAN NEWSPAPERの土屋雄作をヴァイオリンに迎えて、叙情的に歌い上げる。悲しみの歌なのに、そこに前向きさも感じられるのは凛とした存在感からだろうか。ラストの曲は完全に1人で観客と対峙する。これだけの視線を一身に集める、そのプレッシャーは相当なものだろう。けれど彼女はそれを感じさせないくらいに、柔らかに歌う。リバーブを効かせたピアノと声が、余韻を残していく。ライブ後のコメントでは終止照れていて、そのギャップに驚かされた。
いよいよ終盤戦、6組目のココロオークション。演奏も、歌も、パフォーマンスも、どれもまとまりがあって、安定感がある。奇をてらうことなく、真っ向からロックを鳴らせていて、言葉のひとつひとつを大切に歌っているから、そのストーリーにも惹き付けられる。ドラムの井川聡の叩くリズムが時折、前に出てきて、それがアクセントになっているのもいい。あっという間に2曲が終わり、エントリー曲でもある最後の曲『蝉時雨』へと。粟子真行(Vo&G)がこの歌への思いを話す。「この一年間、この曲と歩いていました。大事な思いが詰まった曲です」「夏っていうのはいつの間にか終わってしまっていて、やり残したことも多くて。蝉の鳴くうちに動き出さないと、という思いを込めた曲です」。観客席を見渡すと聴き入っている人が多数で、その光景がまたこの曲を物語っていた。
最後は、「大阪・三国ヶ丘の最終兵器!」と登場したスリーピースバンドThe denkibranだ。ブリティッシュロックゆずりのハネたビートで会場をホットにしていく。「中学のときにエレキギターを初めて手にして、Aコードを弾けたとき、世界が変わるんじゃないかと感じた。あのときのオレは、今見てるこんな景色を見たかったんじゃないかな」という倉坂直樹(Vo&G)のMCも熱い。シンプルなコード進行とポップなメロディーで沸かせる。バンドをしているのが楽しくて仕方ない、という初期衝動を今もなお持ち続けている、そんなステージで見事にトリを飾った。
続いて投票タイムだ。観客はひとりが2組のアーティストに投票し、これに審査員の得点が総合されてグランプリが決定する。すぐに丸をつけている人、悩みに悩んでいる人、友達と相談しながら選んでいる人、さまざまだ。投票結果を集計している時間を使って、全出演者のサイン入りCDなどが当たるじゃんけん大会が開催。続いて、惜しくもコンテストのノミネート選考からは外れたものの、そのなかから魅力的なアーティストをピックアップ、BIGCATでの演奏権とiTunes国内デビュー権を賭けてインターネット投票で競う「スペシャル・バトル!!」で総合第1位となったMy Idol Pickup部門ノミネートの若瀬悠里がゲストライブを行う。ロックなバンドが続いた後に、アニソン〜アイドルなパフォーマンス。この幅広さもまた音楽だ。
いよいよ結果発表。「Pocky賞」にはナードマグネット、「eo特別賞」にKANA-BOON、「審査員特別賞」に大村みさこ「準グランプリ」は@wayと、それぞれの賞の発表を経て、eo Music Try 2011グランプリは…ココロオークション! メンバー4人は飛び跳ね、喜びを爆発させる。客席では嬉しさのあまりか涙を流す人もいて、ファンに支えられているバンドなんだな、と納得。賞状とトロフィー、賞金100万円と副賞の目録を受け取った後に、優勝コメントでは「よし、みんな飲みにいこうぜ!」と言っていたが、ファンを、仲間を大切にしているからこそ出た言葉だったのだろう。ココロオークションはもちろんのこと、どの出演者もキラリと光るものがあった。関西から世界へ挑戦(=Try)する、と同コンテストの主旨にもあるように、ここはまだスタート地点。これからの彼らの活躍を楽しみにしたい!
文:中谷琢弥
写真:田浦薫
- 1.KANA-BOON
- 01)A-OH!
- 02)スノーエスカー
- 03)東京
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- 2.@way
- 01)夏の匂い
- 02)CUBE
- 03)and I
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- 3.ナードマグネット
- 01)ルーザー
- 02)グッバイ
- 03)アフタースクール
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- 4.Moccobond
- 01)キキとララ
- 02)ラベル
- 03)in the end
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- 5.大村みさこ
- 01)明日から君はもういないのに
- 02)いないいない
- 03)それでもそんな風に
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- 6.ココロオークション
- 01)星空
- 02)ナゾノクサ
- 03)蝉時雨
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- 7.The denkibran
- 01)ルート26
- 02)センチメンタル・ギター・ラプソティ
- 03)パレット
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- 8.若瀬悠里
- 01)アイリスタ
- 02)蒼色のカナリー
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