関西/神戸ニュース詳細 01月12日 10:10

プロレスこそ人生 多難乗り越えた神戸のレスラー

 父の死や借金を乗り越え、リングで戦い続けるレスラーが神戸にいる。メジャーのプロレス団体への入門はかなわず、自ら主催する団体で、満身創痍(そうい)の身体でメインを張る。「プロレスこそわが人生」と。

 神戸市中央区の藤永幸司さん(46)。元町高架通商店街にあるプロレスカフェ・バー「リングソウル」を経営する傍ら、「カス野郎プロレス」の興行主、そして現役レスラーでもある。

 「俺にとってのヒーローはアントニオ猪木」と、空手と柔道を習い、中学、高校時代は格闘技漬けの日々を送った。

 卒業後、サラリーマン生活を経て、新日本プロレスなど2団体を受験するも不合格。身長175センチとレスラーとしては小柄であることが響いた。それでも諦めきれずプロレスグッズの販売店を開き、東京で自主興行を手掛けるようになった。

 2007年、独自の興行団体を設立。新日本プロレスの“鬼軍曹”として数々のトップ選手を育てた山本小鉄さん(故人)をコーチに迎え、レスラーの公開オーディションを開いたところ、「おまえがレスラーになれ」と小鉄さんに厳命され、リングに立つことを決めた。

 スクワットを4時間続けるなど、過酷なトレーニングを1年間続けた。体をいじめ抜き、72キロだった体重を90キロに鍛え上げ、神戸市出身のTARUさんとの試合に臨むも惨敗。首も傷めてしまった。

 悪いことは重なり、店を任せた知人に運転資金を持ち逃げされ、借金は約1000万円に膨らんだ。その後、神戸に戻った15年1月、がんが見つかった父龍平さんを元気づけようと、レスラーとして再起を約束した。

 龍平さんは復帰戦を見届けることなく亡くなったが、大柄な相手にひるむことなく戦う藤永さんの姿勢に声援が飛んだ。「俺にも人の心を動かせる」と実感。これまでジュニアのカリスマ・金本浩二さん=神戸市=やブラザー・ヤッシーさんらを相手に約30試合を重ねている。

 未明まで店を切り盛りしながら、週5回のトレーニングを続ける。店はモトコー存続問題に揺れるが「技を正面から受けるのは怖いけど、逃げないのがプロレス。まさに俺の人生そのもの」と真っ正面からぶつかっていく。

 3月17日には神戸VARIT.(同市中央区下山手通2)で、同店の18周年記念試合がある。

【神戸新聞社】

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