松本進のNews Letter from USA

Vol.1電撃復活!タイガー・ウッズのREスタート

今後の活躍が期待できる理由

理由は3つあります。

1つ目は、72ホールを通して全く顔をしかめることなくプレーしたことです。
スイングは、腰やひざにあまり負担をかけないよう、インパクトエリアでの粘りをなくしたものになり、その結果、全4日間、棄権することなくプレーができました。
これはタイガーにとっても、復活への第一歩として本当に大きな自信になり、久しぶりに味わえた感覚だと思います。
厳密にいえば、4日間以外の練習ラウンドや練習を含めると、単に4日間ゴルフをしたのとはわけが違います。
それをまずは達成できたことは、今後のゴルフ人生において大きくポジティブな材料となったことは言うまでもありません。

2つ目は、飛距離でも十分に勝負できることが証明できたことです。
タイガーがここ数年トーナメントから遠ざかっている間に、新しいヒーロー達が誕生しました。今回優勝したリッキー・ファウラー、ジョーダン・スピース、ダスティン・ジョンソン、そして”飛ばし屋”ジャスティン・トーマスなど。
今回はっきりしたことは、タイガーの飛距離は現代の若手ゴルファー達と比べても、全く引けを取っていないことでした。
いくらゴルフは技術が必要だと言われても、現在のPGAツアーで勝つためにはやはり最低限必要な飛距離があります。
  今回、大会初日・2日目と2日間一緒に回ったジャスティン・トーマスや3日目にラウンドを共にした松山英樹選手と比べても、まったく引けをとっていませんでした。
このことは、タイガーがいまだに多くの選手たちよりも、飛距離においてアドバンテージがあることを証明しています。これは、タイガーにとって、とても大きな自信になったと思います。

そして最後の3つ目はある意味、いちばん大事なことだと思います。
それは、自分がトーナメントプレイヤーという自覚を持っていることです。
今大会での2日目、ティーショットが右に出た時、タイガーは瞬間的にクラブを地面に叩きつけて悔しがっていました。
もちろん、このような行為はしてはいけないことですが、この時は自分がこのチャリティートーナメントのホストプロであることを完全に忘れて、戦う一選手としての反応を思わずしてしまった瞬間でした。
カメラは、タイガーがクラブを叩きつけた直後に我に返って「しまった…」という表情を映していましたが、ある意味これこそがタイガーらしいというか、我を忘れて戦いに没頭してしまった瞬間でした。
昨年までのホストプロという飾り役でなく、完全に優勝を狙っていた一選手としてのあの反応は、完全に現役選手そのものの姿でした。

これは私の想像でありますが、今年の9月に開催されたプレジデンツカップ(アメリカVSヨーロッパ以外の世界選抜)で、タイガーはキャプテンのサポート役としてアメリカチームに帯同しました。いわゆる、選手達をサポートし、応援する立場です。
アメリカチームの選手たちがスーパーショットの連続で華々しい勝利を飾ったその横で、アメリカチームキャプテン、スティーブ・ストリッカーのサポートをしていたタイガーでしたが、やはり僕には「タイガーには似合わない」という印象しかありませんでした。
彼は、あの時、自分も選手として輪の中に入り、アメリカチームの勝利に貢献したいと、きっと思ったはずです。

今回のヒーローチャレンジでは、最終的にはスコアが崩れて−8の9位タイの成績となりましたが、これら3つの理由から、タイガーのPGAツアーへの復帰は時間の問題となったはずです。

現役復帰のモチベーション

ここアメリカでは、過去にどのような失敗があったとしても、そこから立ち上がろうとする選手には必ずチャンスが与えられます。
この辺りは、日本とは圧倒的にちがうメンタリティーと言えるでしょう。
くしくも今、日本では暴行問題で横綱が引退に追い込まれてしまいました。

そして、最後にもう1つ、大きなモチベーションが今のタイガーにはあります。
それは、自分の子供たちに自分の戦っている姿を見せたい、ということです。
すでに巨万の富を築き、メジャー14勝、通算79勝を挙げているタイガーにとって、通常の選手が持ち得るようなモチベーションは存在しません。
ただ、“自分の子供に強い父親の姿を生で見せてあげたい!“ これはとてつもなく大きなモチベーションになるはずです。

しかしいずれにしても、タイガーが現役で戦える時間はそれほど長くはありません。
以前、私の師でもあるハンク・ヘイニ―氏がタイガー全盛の頃、年間200日タイガーと共に過ごしていたときに、“1日でいいからタイガー・ウッズをやめたい”と呟いたことがあったそうです。

それから長い時が流れた今、自分の意思でタイガー・ウッズをもう一度やると決めて復活してきました。

色々な夢を背負うタイガーの戦う姿、個人的には応援したいです。
皆さんも、来年はタイガーの活躍にぜひ注目していてください!!

(文:松本 進)

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