地クラブ特集!

共栄ゴルフ工業
株式会社

半世紀以上も軟鉄鍛造(フォージド)アイアンヘッドを作り続けてきた伝統あるメーカー、共栄ゴルフ工業株式会社さんを訪ね、軟鉄鍛造アイアンの特徴やメリット、製造工程などをお聞きしました!

  • 軟鉄鍛造(フォージド)アイアンとは
  • 軟鉄鍛造アイアンヘッドの製造工程

2017年7月19日 更新

軟鉄鍛造アイアンヘッドの世界 Vol.1

〜日本のゴルフクラブ発祥の地、兵庫県市川町から〜

軟鉄鍛造アイアンヘッドの世界 Vol.1ゴルファーなら、誰もが憧れる軟鉄鍛造(フォージド)アイアン。ゴルフ上級者が好む、抜群の打感の良さと柔軟なしなりを生みだす軟鉄鍛造アイアンヘッドは、どのようにして造り出されているのか。今回は、日本の軟鉄鍛造発祥の地、兵庫県市川町で半世紀以上も軟鉄鍛造アイアンヘッドを作り続けてきた伝統あるメーカー「共栄ゴルフ工業株式会社」さんを訪ね、「素材・製法・品質」にこだわり、ひとつひとつ丁寧に造られる、日本の軟鉄鍛造アイアンの製造現場を取材。軟鉄鍛造アイアンの特徴やメリット、歴史まで詳しく教えていただきました。

軟鉄鍛造アイアンヘッドについて

軟鉄鍛造とは?

軟鉄鍛造とは? 鍛造とは読んで字の如く、鉄を鍛える
「鍛造(たんぞう)」とは、金属を加工する工法のひとつです。鉄を叩いて鍛えることにより、軟らかく伸縮性のある金属になり、一方の「鋳造」は鋳物であるため折れやすいといった特性を持っています。例えて言うなら、鍛造が“お餅”で鋳造が“おにぎり”のようなものです。
素材である円筒形の軟鉄を、溶ける手前の状態まで加熱して叩きます。鉄は1,500°くらいまで加熱すると、溶けてドロドロになってしまいますが、その鉄が溶ける手前の状態をハンマーで叩き、形状を作る製法を「軟鉄鍛造」と言います。鉄を叩いて圧力を加えることにより金属内部の隙間を埋め、結晶を微細化し、その方向を整えて強度を高めるとともに目的の形状に仕上げます。鉄を塑性変形させることにより、鉄の組成が線のように繋がった金属粒子の流れ(鍛流線)となり、緻密で強靱な部品ができるのが特徴です。

日本の軟鉄鍛造の歴史について

日本の軟鉄鍛造の歴史について 古くから日本刀や火縄銃の銃身、鍬などの農機具の製造技法として用いられ、品質を高める努力により、その技法が発展を遂げました。特に鍬などの農機具は、折れにくい特性を持った鍛造製法のものが求められ、より折れにくい製法として軟鉄鍛造製法が始まったという説が有力です。ただ、日本刀の場合は、鉄を熱して叩いて冷ますことを繰り返すので、厳密に言うと軟鉄鍛造とは若干、製法・技法が異なります。現代では、壊れることが絶対に許されない金属部品、例えば新幹線の車輪や車軸、飛行機や自動車のエンジン細部の部品などで、この鍛造技術が活かされています。

軟鉄鍛造発祥の地、兵庫県市川町

軟鉄鍛造発祥の地、兵庫県市川町今からおよそ100年前、イギリスからゴルフというスポーツが伝わりました。その当時、クラブヘッドの修理を請け負ったのが“市川町”の方でした。その方は元々、三木市で鍛造の修行を積んでおり、今後の商売に繋がることを期待して、地元の市川町に持ち帰ったのが始まりです。その後、本格的にゴルフクラブの修理・製造を手がけたことにより、ここ市川町が日本のアイアンヘッド生産発祥の地となりました。近隣に軟鉄素材の供給元があったことに加え、砥石の“砥”の字がつく地名がいくつか存在するように、良質な天然砥石が採掘できたことも理由のひとつと言われています。また、市川町の周辺には、島根県の“たたら製鉄”からの流れや砥石の採掘で、昔から鉄にゆかりのある土地だったことは確かです。

軟鉄鍛造製法へのこだわり

岡村勲さん 共栄ゴルフ工業株式会社
工場長:岡村 勲(おかむら いさお)さん
軟鉄鍛造アイアンヘッドづくりで大切な要素として、「数字」と「形状」の2つがあります。数字に関して言えば、設定したスペックに対して誤差をできるだけなくすこと。例えば、重量ならば+−0.5gの範囲内におさめることなど、設定したスペックに限りなく近づけた数値に仕上げていくことです。2つめの形状というのは、見た目のイメージの問題なので「コレは良い」「アレが良い」というような、ハッキリと決まった答えがあるわけではありません。そんな中でお客さまの要望などを、より忠実に再現できるよう、日々努力を積み重ねております。

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軟鉄鍛造フォージド(FORGED)アイアン

軟鉄鍛造アイアンの特徴は?

軟鉄鍛造アイアンの特徴は?軟鉄鍛造アイアンヘッドの製法では、約1,200°まで熱した軟鉄をハンマーで叩き、自然冷却させることにより、鉄の組成が均一に並びます。組成が均一に並んだ鉄は、非常に強靱かつ柔軟で、決して折れたり壊れることがありません。そのような特性を持った軟鉄鍛造アイアンは、抜群の打感の良さと柔軟なしなりが特徴的です。鋳造ヘッドはボールを良く弾きますが、軟鉄鍛造ヘッドはボールを運ぶといったイメージです。そのイメージが心地よい打感であり、ボールを思い通りに操れるアイアンヘッドにつながります。

軟鉄鍛造アイアンのメリットは?

軟鉄鍛造アイアンのメリットは、何と言っても心地よい打感と安定した操作性です。特に操作性に関しては、鋳造ヘッドのように弾き系で球離れが早いと、自分が意図したタイミングよりも先にボールがフェースから離れ、思ったよりも飛んでしまったり、狙った所へボールをうまく運べなくなります。その点、軟鉄鍛造アイアンはフェースの球持ちが良いので、ドローボールやフェードボールなどを打ち分けやすく、狙った距離で狙った所へボールを運ぶことが可能です。プロにお聞きした話では、狙ったポイントの5ヤード以内にボールを打とうとすると、それができるのが軟鉄鍛造アイアンで、反発力の高い鋳造アイアンでは難しく、どうしてもアイアンやウェッジは軟鉄鍛造にこだわるとのことでした。

上級者向けのイメージですが?

上級者向けのイメージですが? ホーゼルからボディ、フェースに至るまで一体型の軟鉄鍛造アイアンは、ヘッド全体が鉄の詰まった鍛造です。マッスルバックのようにフェースが肉厚であれば、より打感がソフトになります。最上級のソフトな打感と操作性を求められる方は、マッスルバックを好んで選ばれますが、フェースを薄くすれば、その分ヘッドサイズを大きくすることができるので、最近では、マッスルバックのようなソフトで心地よい打感を感じられつつ、ミスヒットに強いキャビティ形状の軟鉄鍛造アイアンも増えてきました。もちろん、プロや上級者の多くが使用する軟鉄鍛造アイアンですが、決して一般のアマチュアゴルファーが打てないクラブではなく、ヘッドサイズの大型化により、さらに幅広いゴルファーに対応したアイアンに進化しています。

軟鉄鍛造フォージド(FORGED)アイアンの展望

軟鉄鍛造フォージド(FORGED)アイアンの展望 今はまだ「S25C」という軟鉄素材しか使用していませんが、今後は「S25C」以外でも鍛造ヘッドの材料に使える素材があるかもしれません。よりソフトな打感や高いスピン性能などにつながる素材を探す余地はあるので、それが日本初・世界初であれば、よりおもしろい試みだと思います。鍛造製法であるがゆえに、鋳造製法ほどの自由さはありませんが、限界はまだまだ遙か先にあると思うので、もう少し工夫すれば、さらに新しいアイアンを創り出すことができるのではないかと考えています。
軟鉄鍛造アイアンで一番重要なのは、構えた時に違和感がないことですが、ヘッドを開発する際は、店頭に並んでいるところをイメージしています。ヘッドやクラブを展示するときは、ほとんどの場合、バックフェース側が表になっていて、それを見て興味を持った方が実際に手に取るわけです。若い方を含め、一般のゴルファーから見て、“カッコイイ”とか“オーソドックス”“少しイキすぎ”などといった判断基準があるとかと思います。まずは手に取ってもらえるデザインであること。そのことを常に考え、新しいモデルをつくる努力をしております。以前は無かった、バックフェースを機械で加工して、様々な形状をつくったり、そういったことも徐々に取り入れています。

軟鉄鍛造フォージド(FORGED)アイアンの展望共栄ゴルフでは自社ブランドはもちろん、OEM製品に関しても、ある程度デザインの提案を行ったり、いただいたデザインの微調整も行っております。最終目標(夢)としては、海外で評価を受けた自社製品が、後になって日本に入ってくる逆輸入のような形で、海外では人気があるのに日本人が知らない“Made in Japan” のアイアンヘッドをつくることです。

軟鉄鍛造アイアンをぜひ使ってみてください。

鈴木博貴さん 共栄ゴルフ工業株式会社
営業部:鈴木 博貴(すずき ひろき)さん
実際に、自分で軟鉄鍛造アイアンを使っていて思うことは、何と言っても打感の良さです。ただ、数ある軟鉄鍛造アイアンの中にも、打感に違いがあるのも事実です。使っていただくと、これまで、ご自身が経験・体験してきた軟鉄鍛造アイアンでも、様々な打感や打ちやすさに違いを感じられるのではないでしょうか。一言で軟鉄鍛造アイアンと言っても、細かい製造工程や製法、手がける職人の技術によって大きな差が生まれます。まずは、“軟鉄鍛造=難しい”といったようなマイナスイメージを捨てて、軟鉄鍛造アイアンを試してみてください。もちろん、いきなりコースで使わなくても結構です。お店や練習場でお試しいただいて、その中から軟鉄鍛造アイアンの良さを味わってみてください。「百聞は一見にしかず」です。ご自身が打ってみた感覚や使ってみた感想を大切にしてください。ぜひ、本物の軟鉄鍛造アイアンのみが持つ、心地良いソフトな打感を体感してください。

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■取材協力

共栄ゴルフ工業株式会社共栄ゴルフ工業株式会社
住所/〒679-2315 兵庫県神崎郡市川町西川辺5
TEL/0790-26-2211
営業時間/平日 9:00〜17:00

HP/http://www.kyoeigolf.co.jp/

自社工場による一貫生産が強み

おかげさまで、共栄ゴルフは「日本のゴルフクラブ生産発祥の地」である兵庫県市川町で、半世紀以上にわたり軟鉄鍛造フォージドアイアンヘッドを造り続けてくることができました。
これからも皆さまに喜んでいただけるよう「素材・製法・品質」にこだわり、ひとつひとつ丁寧にアイアンヘッドを造り続けるとともに、日本の軟鉄鍛造フォージドアイアンヘッド造りの伝統を継承して参ります。

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