人生是ゴルフ Vol.1「ミズノゴルフ ツアー担当クラフトマン」
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私が担当しているプロとは、いつも一緒にツアーを戦うメンバーです。選手とクラフトマンがクラブのことでギクシャクしていたり変な緊張関係では、選手もクラフトマンも良いパフォーマンスには繋がりませんから、そういう意味でも楽しくリラックスできる関係を常に心がけています。
普段の何気ない会話から「この人はどういうラインや打球を表現したいのか」、「普段握っているグリップ位置」など、注意深く聞いて観察しています。特にグリップの位置などは、人によって長く持つ人もいれば、少し余らして持ったり、フックに握る人、ウィークに握る人など、様々な個性があるので、そういった所も普段から見聞きして、その選手に合った微妙なニュアンスを掴むようにしています。
試合が開催される季節や気温によっては、プロゴルファーといえども身体が回りにくかったり、またその逆もあるので、そういった要素も考慮してクラブを調整したりシャフトを交換したりする場合があります。また、開催されるコースも重要な要素なので、その点も選手と相談しながらクラブセッティングを施していきます。
プロからの要望を、一回の調整で上手くいくようにすることです。プロの伝えたいニュアンスと、受取る側であるこちらの感覚が一致しないと調整は上手くいかないので、感覚と選手の特徴をしっかとり把握して、一回で決められることにこだわっています。それには、選手の特徴を理解することはもちろんのこと、新製品のことも理解する必要があります。特に新しいシャフトなどは、製品によってスペックやクセが違うので、その都度メーカーさんに問い合わせて情報を得ています。自分たちが扱う製品のことは、プロに聞かれても、すぐに答えられるように、常に勉強しています。その他、プロにセッティングやサポートをする上で大切なことは、我々はいつも最良の状態にしておかなければならないことです。道具だけではなく、自分自身も疲れを残さずしっかりと体調を管理するように努めています。
意外かと思いますが、特にないんですよね。
こだわりや努力の部分も含めて、自分の仕事の一部としてやっているので「大変だな」って思ったことは一度も無いです。
小林プロは、いつもこちらでセッティングした新しいクラブを、用意できればすぐに使ってくれます。「他に好きなクラブがあれば使っても良いよ」と言っても、いつもこちらで用意したクラブを使ってくれるので、とてもうれしく思っています。でも、その新しいクラブを試すことによって、実際に調子を崩してしまう場合もあるので、こちらとしてはいつも、小林プロの調子が気になって仕方ないですね。
アマチュアの方ほうが、プロよりも細部に渡ってこだわりますね。プロの場合は、シャフトが合わなければすぐに交換したり調整できたりする分、細かい注文と言うよりは、もう少し大きな枠でシャフト交換をとらえているようですが、アマチュアの方は、自らお金を払って購入していただいているので、合わないからすぐに交換と言うわけにはいきませんからね。せっかく購入して使っていただくのですから、こだわるのは当然ですよね。また、アマチュアの方とプロでは、要望や注文の仕方も違います。プロの場合は、打ってみて「もうちょっとフェイスが立ってる方が良い」とか、簡単に言う感じなんですが、アマチュアの方は、総重量であったり、バランスであったりと数値に至るまでこだわる方が多いので、担当していた当時は色々勉強になりました。
シーズン中に、新しいクラブで優勝してくれたら最高です。
プロから要望されたセッティングが一回で上手くいって、そのクラブを使った選手が上位で活躍してくれることが至上の喜びです。これからも、その数をもっと増やせるように努力していきたいです。あとは、今年の新しいクラブで、シーズン中にミズノの選手が優勝してくれたら最高です。
ワークショップカーとは、プロのトーナメントなどで、ゴルフクラブのメンテナンスを行うことができる車両のこと。各メーカーから派遣された一流のクラフトマンが乗り込み、クラブの微調整からリシャフトまで、ゴルフクラブのメンテナンスに必要な設備を全て装備している。また、クラフトマンと直接やりとりをしながら、目の前で作業をしていくので、より理想に近いクラブの仕上がりが実現する。最近では、アイアンを削るグラインダーという機械を搭載したワークショップカーも登場しており、ツアープロのハイレベルな要望にも即座に対応することができる。
車内は、6畳ほどのスペースが確保されていて、クラフトマン2名が作業するには十分な広さ。ただ、作業スペースには椅子はなく、クラブのメンテナンス作業は立ち仕事なのだと改めて気づかされた。面白いのは、床に開けられたカップ。限られたスペースを有効に活用した設計になっている。
ミズノのワークショップカーの装備についてお聞きしたところ、「こだわりの装備はライ角の測定機です。最近では、ロフトライを測るのも曲げるのも同じ機械でやってる所が多いのですが、うちは測るのと曲げるのを別々機械で作業しています。曲げる機械でも測ることはできるのですが、専用の測定機を使った方が、より細かい数値が出るので使用しています。」とのこと。クラフトマンのこだわりが感じられます。
どの道具もこだわりはあるのですが、強いて言うなら「ヤスリ」ですね。多分この棒状のヤスリを使っているのはうちだけだと思います。セルソケット(※ネック上部のシャフトに被せるキャップ、シャフトとのつながりをスマートに見せるために使用する。)の部分を、普通のメーカーさんは機械で削るんですけれど、うちはクラブを挟んで固定して手作業で削ります。
構えた時に、ネックとシャフト、セルソケットの繋がり部分の見え方が変わってくるんです。機械で削ると、ネックのラインに合わさってしまって曲がって見える場合があるんです。そうなると、構えた時に違和感を感じたり、ショットのニュアンスが変わったりするので、細かいことですが、その工程はいつもこのヤスリでやっています。元々は、パーシモン(※柿材使った木製のヘッド)を削っていた時からの愛用道具ですが、丁寧な仕事ができるので、これからも使い続けるつもりです。

Profile

大宮 全弘

ミズノゴルフ ツアー担当クラフトマン
大宮 全弘
クラフトマン歴は25年目です。ミズノに入社したてのころは、ゴルフクラブの修理を担当していました。その後、オーダークラブや別注のクラブ作成に携わっていました。ツアーを担当しだしたのは、入社して4〜5年目あたりの頃からで、それ以来ずっとツアー担当として、小林正則プロや手嶋多一プロなどのミズノ契約プロのクラブを担当させて頂いています。

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