グリップ特集

株式会社STM

星型の出っ張りと豊富なカラーバリエーションで人気の「STMグリップ」。異硬度2層構造と呼ばれる特許技術で業界を驚かせた、新感覚グリップの製造現場を訪ね、製造工程からグリップの選び方、グリップフィッティングのことまで、その全てをお聞きしました!

「ゴルフグリップ AtoZ」Vol.1

2017年8月23日 更新

グリップができるまで

一貫生産について

一貫生産について 樹脂系グリップの製法は、一般的なプラスティック製品と同じくインジェクション製法です。インジェクション製法とは、加熱して溶かした材料を金型に流し込んで成形品を作る製法のことで、特徴として、型に流し込むためデザインの成形性に優れ、溶かす材料に着色することにより色のバリエーションを増やすことが容易なところです。この製法そのものは、技術的に特別難しいものではありません。その分、汗や水に強い材料選びや、汚れにくい材料選びなどが難しく、また最も重要なポイントになります。
現場からの要望が、例えば「滑らないグリップ」ならば、滑りにくい材料を、「汚れにくいグリップを」ならば、汚れにくい材料などを、材料選びから配合まで試行錯誤しながらつくり上げていきます。そこには当然、硬さや重さも重要な要素としてありますので、毎日のようにテストや微調整を繰り返しながら最終段階まで仕上げます。最初に材料が決まったら、豊富なカラーバリエーションをイメージどおりに仕上げるために、色の微調整を繰り返し行います。テスト段階では、既存の金型を使い新しい材料やカラーを製造し、様々なデータをとることで新製品に繋げます。 グリップ製造で最も大変なのは、重量の“1g”です。重量が1g変わるだけで、製造工程での温度や速度、圧力などの様々な設定が大きく変わり、同じ材料で1g減らしたり、1g増やしたりというのが難しい点です。US製のグリップなどは、ラバーグリップということもありますが+-2gです。従来のラバーグリップでは常識と言われる+-2gですが、日本製のグリップで+-2gもあれば“役立たず=不良品”となります。実際のところ、最近ではどんどんシビアになってきており、ツアーサポートでは+-0.5gになってきています。中でも、STMの独自技術「異硬度2色成形構造」は、通常の1層成形構造であれば特に問題ない工程でも、2台の機械を使用する必要があり、2つの工程とも完璧に設定しなければなりません。その+-0.5gに収めるには、もちろん高い技術が必要ですが、STMグリップでは厳しい基準をクリアし市販品にも繋げています。

STMグリップ工場の外観

STMグリップ工場の外観

STMグリップの製造風景

STMグリップの製造風景

配合された材料(エラストマーのペレット/白と色)

配合された材料(エラストマーのペレット/白と色)

仕上げ前のグリップ

仕上げ前のグリップ

生産には、インジェクション成形機でインサートという方法を用います。エンドキャップを取り付けた芯棒(コアピン)をインジェクション成形機にセットし、インサートという方法で本体とエンドキャップが一体化した仕上げ前のグリップが生産されます。機械から取り出した直後は200℃と高温になるため、一旦、水で冷ましてから芯棒(コアピン)から外されます。1重構造のグリップは1台の機械で生産し、2重構造のグリップは2台の機械で、1次・2次それぞれ異なる工程を経て生産されます。
検査で合格したグリップは、最終仕上げでロゴマークなどに色付けし、余分な部分をカットして完成品となります。生産工程そのものは、機械化されているので一見簡単そうだが、金型はもちろん材料選びや配合、成形機の設定には豊富なノウハウと高い技術が必要となります。STMのグリップ工場は、食品工場なみのクリーンルームで生産されていて、製品化を予定している「抗菌グリップ」もこの生産環境だからこその発想です。

モノづくりへのこだわり

藤田晃平さん キンジヨ株式会社
本部長:藤田 晃平(ふじた こうへい)さん
今まで「創ったことがないモノ」をつくり上げる、他社にないモノづくりにこだわっています。日々、挑戦を続けながら、苦しみながら、最後には楽しみながら生産と製品開発に取り組んでいます。誰も「見たことがない」驚きの製品もたくさん抱えていますので、テストを何度も繰り返し、その製品を世に送り出す日を楽しみにしています。ゴルフのグリップというモノは、消耗品ではあるのですが、その消耗品づくりへのこだわりを大切に、材料選びから配合や成形機の設定に至るまで、全ての生産工程で試行錯誤しながら尽力に努めています。

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グリップ交換について

グリップ交換のタイミング

グリップ交換のタイミング グリップの寿命は、週に1回程度の練習と月に1度ラウンドされる方で約1年です。もちろん、グリップ素材の軟らかさや手の使い方などによっては、右手(レフティは左手)部分の磨り減りが多かったりするので、1年もたない場合もよくあります。グリップ表面に「テカリ」や「磨り減り」等が、目に見えてわかる場合は劣化が進んでいるので、その時がグリップ交換のタイミングです。特にゴム系グリップはテカリやすく、一度グリップ表面にテカリが出てしまうと、いくら洗ったり手入れをしても元の状態には戻らないので、そうなる前にグリップを交換した方が良いでしょう。また、寿命(交換時期)を過ぎたグリップを使い続けると、皮脂や磨り減りの影響で、より滑りやすくなり、必要以上に力む原因にもなります。力みが入るとヘッドが走らなくなり、結果的に良いショットに繋がらないのでおすすめできません。中には、右手親指(レフティは左手親指)部分が大きく磨り減り、シャフトが見えそうな方もいますが、本来磨り減ってはいけない部分が磨り減っているのに加え、そもそもグリップは円型でなくてはならず、意図的にグリップ本体に大きな窪みや出っ張りをつけることはルール違反です。グリップは適度なメンテナンスと早めの交換をおすすめします。プロや競技ゴルファーなどは、毎試合グリップを変える方もいれば、一度そのセッティングが気に入れば、1年くらいグリップを変えない方もいます。勝負の世界に身を置くプロには、験を担ぎ、調子が良い時はグリップも交換しないといった方も少なくありません。

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グリップの交換は自分でやっても大丈夫?

最初からは上手にはできないと思いますが、正しい手順を守ってさえいれば、自分でグリップ交換をしても問題ないでしょう。ただし、インターネットショップなどでは安価でグリップを購入できますが、異常に安い価格の粗悪品も出まわっているようなので注意が必要です。グリップを交換するには、グリップはもちろんのこと、グリップカッターやグリップ専用両面テープ、さらには溶剤なども揃える必要がありますので、作業の手間や時間、費用などを総合的に判断すると、ショップに任せた場合と比べ、さほどメリットを感じられないかもしれません。グリップは、ただ単に装着すれば良いと言った簡単なものではありませんので、ぜひ一度、豊富な経験と確かな技術を持ったプロに相談しながら、グリップフィッティングをお試しください。

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グリップのメンテナンス

グリップのメンテナンス 使用回数を重ねたグリップは、皆さんが思っている以上に「汚く」なっています。そんな汚いグリップですが、多くの方が、普段グリップのお手入れをしていないのではないでしょうか?グリップに付着する汚れの大半は、手の汗や皮脂による脂汚れです。その汚れ成分が、グリップ表面や隙間に浸透することで汚れが付着し、水洗いだけでは落としにくくなります。そこで、脂を分解する中性洗剤とたわしや歯ブラシなどを使えば、簡単に汚れを落とすことができます。ただし、ステンレス製の金たわしなどは、グリップ表面を傷つけるので、絶対に使わないでください。また、ツアープロも使用するSTMのグリップクリーナーを使えば、簡単にグリップの汚れを落とすことができるので、一度試してみてください。

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グリップを長持ちさせるには?

ゴム系グリップと樹脂系グリップの違いは劣化速度にあります。ゴム系グリップは、天然素材ということもあり、紫外線に非常に弱く、即硬化が始まります。炎天下はもちろん、室内の蛍光灯の光だけでも硬化して劣化が進むので、普段からキャディバッグに入れておくことをおすすめします。さらに長持ちさせたいのであれば、ナイロン袋などをグリップに被せて保管すれば良いでしょう。
一方の樹脂系グリップは、ゴム系グリップと比べて硬化速度が遅いので、少々炎天下にさらしてもグリップが硬化することはありません。硬化しなければヒビ割れも起きにくく、長い間グリップ本来の性能を保つことができます。樹脂系グリップの唯一の弱点は、あまり長時間紫外線を浴び続けると、持ち味でもある鮮やかな色目が変色してしまう場合があることです。近年、紫外線に強い対光剤の入った樹脂素材の使用により、変色の度合がかなり減ってきてはいますが、現在、検証を続けている段階なので「絶対に変色しない」と言うところまでは、もう少し時間が必要です。

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グリップ交換の仕方

基礎編

グリップは、正しい手順を守ってさえいれば、自分でグリップ交換をしても問題ありません。グリップを自分で交換したいという方のために、交換の手順をご紹介します。

グリップ交換に必要な道具

市販のグリップカッターと替刃(フック刃)

市販のグリップカッターと替刃(フック刃)
※ホームセンターなどでも手に入る。

グリップ専用両面テープ

グリップ専用両面テープ
Nitto(日東電工)のグリップ専用両面テープがオススメ!

グリップ交換溶剤(N-ヘキサン)など

グリップ交換溶剤(N-ヘキサンなど)
※様々なメーカーからグリップ交換溶剤が販売されています。

グリップ交換の手順

市販のグリップカッターと替刃(フック刃)を用意

まずは古いグリップをシャフトから取り外します。
※グリップの先にフック刃を引っ掛け、グリップカッターを押し出すのではなく、シャフトを手前に引きながらカットする。

古いグリップをカットする

片方だけでもOKだが両側からカットした方が楽に剥がせる。
※フック刃を立てるとシャフトをキズつける恐れがあるのでNG!

カットしたグリップの先側から片方づつ剥がしとる

カットしたグリップの先側から片方づつ剥がしとる。
※グリップエンドを反対側まで一気に剥がすと、シャフトの繊維が裂ける恐れがあるのでNG!

残しておいたグリップエンド部分を真っ直ぐ上に引き剥がす

残しておいたグリップエンド部分を真っ直ぐ上に引き剥がす。

シャフトに残った古いテープを先側から剥がす

シャフトに残った古いテープを先側から剥がす。
※古いテープが剥がしにくい時はヒートガン(ドライヤーでも可)で炙ると簡単に剥がせる!

新しいグリップをシャフトに装着します。

新しいグリップをシャフトに装着します。
装着するグリップの長さに合わせて、グリップ専用両面テープをカットしテープを剥がす。

シャフトの先側と手元側を合わせ、シャフトを横に転がしながらグリップ専用両面テープを巻き付ける

シャフトの先側と手元側を合わせ、シャフトを横に転がしながらグリップ専用両面テープを巻き付ける。
※まんべんなくシャフトにしっかりと巻き付ける。

シャフトエンドの余分なテープをねじって中に収める

シャフトエンドの余分なテープをねじって中に収める。
※Nitto(日東電工)から市販されているグリップ専用両面テープは剥がしやすくオススメ!

シャフトのグリップ専用両面テープとグリップの内側に溶剤(N-ヘキサンなど)をかける

シャフトのグリップ専用両面テープとグリップの内側に溶剤(N-ヘキサンなど)をかける。
※グリップ交換用の溶剤はスプレータイプや様々なタイプが市販されている。

シャフトにグリップを差し込む

シャフトにグリップを差し込む。

グリップをシャフトに差し込んだら、すぐにグリップの長さと向きを調整する

グリップをシャフトに差し込んだら、すぐにグリップの長さと向きを調整する。
※装着後すぐにグリップのエンドキャップを地面に叩き付けたり強く押し付けると、エンドキャップが抜けてしまう恐れがあるのでNG!

最後にグリップ全体とシャフト周りを溶剤でキレイに拭いたら、グリップ交換の出来上がり

最後にグリップ全体とシャフト周りを溶剤でキレイに拭いたら、グリップ交換の出来上がり。

※溶剤を使ったグリップ交換の場合、最低でも3時間、できれば6時間(特に冬場など)はクラブを使わないようにしましょう。
※室内などで溶剤(N-ヘキサンなど)を使えない場合は、水でも可能なグリップ専用両面テープも市販されています。
 水用のグリップ専用両面テープを使ったグリップ交換の場合、24時間はクラブを使わないようにしましょう。

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応用編

新品ゴルフクラブの純正グリップや、自分で交換したばかりの新しいグリップを、カットすることなく太さや向きを調整する方法をご紹介します。
グリップをカットせずに交換する場合、注射器を使ってグリップとシャフトの隙間に溶剤を注入する方法が一般的ですが、注射針の付いた注射器は、色々と取り扱いにも注意が必要です。そこで今回は、注射器を使わない安全でグリップをカットせずに交換する方法を簡単にご説明します。

グリップ交換に必要な道具

グリップ専用両面テープ

グリップ専用両面テープ
Nitto(日東電工)のグリップ専用両面テープがオススメ!

グリップ交換溶剤(N-ヘキサン)など

グリップ交換溶剤(N-ヘキサンなど)
※様々なメーカーからグリップ交換溶剤が販売されています。

グリップリムーバー

グリップリムーバー
※市販されている、グリップとシャフトの隙間に差し込む器具。

グリップ交換の手順

グリップとシャフトの隙間に器具を差し込み、溶剤を注ぎ入れながら、グリップとグリップ専用両面テープを剥離させる

グリップとシャフトの隙間にグリップリムーバーを差し込み、溶剤を注ぎ入れながら、グリップとグリップ専用両面テープを剥離させる。

グリップとグリップ専用両面テープが剥離できたら、シャフトを真っ直ぐ引き抜く

グリップとグリップ専用両面テープが剥離できたら、シャフトを真っ直ぐ引き抜く。

シャフトから取り外したグリップの中に溶剤を注ぎ入れ、内側のグリップ専用両面テープの剥がし残りなどの汚れを落とす

シャフトから取り外したグリップの中に溶剤を注ぎ入れ、内側のグリップ専用両面テープの剥がし残りなどの汚れを落とす。

以降の手順は「一般編」の5番からと同じです。

以降の手順は「一般編」の5番からと同じです。

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