お月見の風習はいつ始まったのでしょうか? 中秋の名月の由来や、なぜこの日に観月の行事をするのか、また満月が起こす不思議な現象などについて、お月見をする際に知っておくとちょっとためになる、そんなお話をお聞きしました。
中秋の名月とは?

旧暦8月15日に見られる月のことを言います。旧暦は月の満ち欠けを基準にしていますので、その日は「十五夜」とも言い、満月かそれに近い形の月になります。日本では、古くからこの日に月を鑑賞する風習がありました。月見の日には、お団子やお餅(中国では月餅)、ススキ、サトイモなどをお供えして月を眺めます。月見の発祥はよくわかっていませんが、中国では月見の日にサトイモを食べる地域も多いことから、もともとはサトイモの収穫祭であったという説が有力です。日本には、奈良〜平安時代頃に月見の風習が入ってきたと言われています。
中秋の名月は、旧暦ですので毎年日にちが違います。2008年の中秋の名月は、9月14日。その日の月は、ほぼ満月に近い形をしています。ちなみに、完全な満月はその翌日の9月15日です。
| 2008年9月14日(日) | |
|---|---|
| ※[大阪市立科学館]が測定した大阪・中之島での時間、それ以外の地域では若干時間が前後します。 | |
| 月の出 | 17:22(※) |
| 月の入 | 翌日5:12(※) |
なぜ旧歴8月15日が月見の日?

お月見の月は綺麗に見えるというイメージがありませんか? それは日本の気候からきています。夏の空は水蒸気を大気中に多く含むため、空気がくすみ、月や星もあまりくっきりとは見えません。しかし、秋になるにつれ、北から乾いた空気が流れ込むので空が澄み、月や星もくっきり見えるようになるのです。本当は秋だけでなく冬も空は澄んでいることが多いのですが、「天高く馬肥える秋」という言葉があるように、それまでの夏のくすんだ空との対比で、秋の青空や月がより美しく見えたのでしょう。また、秋は日が短くなり、夜空を見上げる機会が多くなります。そんな印象もあり、旧暦8月15日のお月見の日に月が美しく見えるのではないでしょうか。
月は何色?
みなさん、月は何色というイメージでしょうか? ほとんどの人が黄色か、天体望遠鏡で見た灰色(白色)というイメージがあるかもしれません。でも、朝日や夕日が赤いのと同じように、地平線近くの月は赤く見えます。理由は、太陽の色が変わって見えるのと同じです。波長の短い青い光は大気で拡散されやすく、波長の長い赤い光は拡散されにくい性質があります。月の出や月の入の位置では、光が大気の中を長い距離通るため、青い光は拡散され赤く見えます。月がやや上がると黄色、一番高いところでは白っぽい色に見えます。



月の大きさが変わる?
異様に大きいと感じる満月を見たことはないでしょうか? そして、それは地平線近くにある満月ではないでしょうか? 月の出直後の満月は、なぜか人間の眼には大きく見えるのです。もちろん、実際に月が大きくなっているわけではありません。月の連続写真を撮影すると、月が地平線近くにある時でも天空にある時でも、大きさは全く同じです。地平線近くの満月が大きく見えるのは、何千年も前から知られていた現象で、どうして人間がそんな錯覚を起こすのかは未だ謎です。みなさんも地平線近くに満月を見つけた場合は、よく観察してみてください。何千年かけてなお、まだ解けない月のミステリーを体感できますよ。


