八経ヶ岳

八経ヶ岳〜近畿最高峰の山頂から奈良の山々を眺める〜

行者還トンネルの西口から弁天の森

  • 周りの山々の展望が美しい場所もところどころに。
  • 登山口からしばらくは、木段が続きます。
  • 川が流れていた名残か、橋が残っているところも。
  • 足元を見れば、小さな虫たちの姿が。
  • 吉野と熊野を結ぶ大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)は、修験道の修行の道であり、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として登録されています。

シャクナゲの生える急坂を越えて

[みたらい渓谷]と同様、下市口駅からバスで約1時間、山間部にある天川川合のバス停を目指します。そこからは、タクシーに乗り換え行者還(ぎょうじゃかえり)トンネルの西口へ向かいましょう。到着すると目の前には大きなトンネル、そして、その右手には、弥山へと続く登山道があります。入り口には、登山届用の紙とボックスが設置されているので記入して登り始めましょう。こちらの登山口はすでに標高も約1,000mと高い位置からのスタートとなり、歩き始め早々に、森の奥深くを歩いている風景が広がります。夏は涼しく、緑も美しいので快適な登山が楽しめ、秋になると紅葉が一面に広がります。シャクナゲの群生地の急坂を登り切り分岐をさらに西へと進むと、弁天の森へと道は続いていきます。

弁天の森から弥山小屋

  • 斜面に所狭しと生えるブナの木。
  • 理源大師の像。行者さんたちの詣での札が側に置かれています。
  • 緑豊かな土地を象徴するかのように、木々の周りには、草がうっそうと生え揃います。
  • 木段の先に見えてくる小屋。夏場は修行に来る行者さんたちが泊まる場所。
  • 弥山小屋の前にある看板。記念撮影ポイントにもなります。

ブナに囲まれた道を抜け山小屋へ

弁天の森からも急な上り道が続きます。さらに進むと、ブナの原生林が広がります。そして、その先に行けば聖宝ノ宿跡と呼ばれる地に到着。ここには、理源大師の像があります。理源大師は醍醐寺の開祖としても知られる聖宝(しょうぼう)の諡号(しごう)で、当山修験道の祖としても有名です。そんな像を眺めつつ、さらに道を進みます。ここまでくれば、近畿最高峰の八経ヶ岳に最も近い有人の小屋、弥山小屋までもうすぐです。しばらく続く木段を進むと、坂の上に小屋の姿が見えてきます。ここまで、急な道が続きますが、難しいコースではありません。山小屋付近からの眺望は良く、奈良の大自然を眼下に眺めることができます。この小屋は、弥山という山の名前からとられていて、弥山山頂までは、5分程度。八経ヶ岳に登る前に寄っておくのも良いでしょう。ただし、木々が生い茂り、あまり眺望は良くありません。

弥山小屋から山頂

  • 弥山小屋の近くから、朝日の昇る様子を眺めた光景。雲海ができご来光が今にも登る瞬間です。
  • 早朝の山頂付近の様子。月がまだまだ明るく綺麗に見えています。
  • 時間が経つにつれ、下がっていた雲も徐々に上がりはじめ、辺りにはガスが充満しています。
  • 7月中旬。わずかにオオヤマレンゲの花が残っていました。
  • 八経ヶ岳山頂の看板。近畿最高峰に到着です。

オオヤマレンゲの群生地を通り近畿最高峰へ

山小屋から近畿最高峰の山・八経ヶ岳へは、20分ほどで到着します。小さな石がたくさん転がった道で若干足場は悪いので気をつけて歩いて下さい。山頂までは、まず下り道、その下りが終わるとひたすら登りが続きます。途中、例年、7月上旬に見頃を迎えるオオヤマレンゲの保護区があります。近年の鹿の急増によりオオヤマレンゲが食べられ保護対象になっていることから、この辺り一帯は、鹿が入れないようにネットが張られ入口には、扉が設置されています。網の扉を開けて、そのまま上へと歩いていくと、シーズン中はたくさんの花に出合うことができます。花は真っ白という言葉がよく合うほどに白く、つぼみの状態はまん丸で可愛らしい姿です。その道を最後まで抜けると、いよいよ山頂に到着。山頂は崖のような場所で、視界はある程度良好です。周りの山々が一望できるので、奈良の自然の奥深さを感じることができます。

山頂から天川川合バス停

  • 青空の下に広がる山々。こうして眺めると自然の中にいることを実感できます。
  • 坪内、川合方面へと向かう道。看板が分岐ごとにあります。
  • 避難所もある狼平の側を流れる川。透明度が非常に高いです。
  • 吊り橋を渡りしばらく行くと道路にでます。
  • 坪内・川合方面の道の途中には、緑の野の斜面が続きます。

長時間かけて急坂を川合方面へ下る

ゆっくり眺望を楽しんだら、そのまま天川川合のバス停まで下山します。ここからのルートは、約5時間の行程になりますので、弥山小屋で1泊、またはテント泊をしてもいいでしょう。1泊すればご来光を眺めることもできますし、運が良ければ雲海を楽しむこともできます。下山をするには、山頂からルートを示す標識の方向に歩き始めましょう。始めのうちは緩い下りの道ですが、坪内の林道に着くまでは、何度も登り下りを繰り返して進むことになります。また、道幅の狭いところも多く、その横は斜面というところも何度も訪れますので、気をつけて進んでください。その道の途中には、狼平と呼ばれる平地があります。ここには、避難小屋が設置されており、ここでテント泊をする人も多く見受けられます。その狼平脇にある吊り橋を越えさらに、山頂から狼平までの道のりと同じくらい歩けば、栃尾辻に到着します。ここにも昔、避難小屋となっていた建物があります。ここでルートが川合方面と坪内方面に分かれています。川合方面へと進んでいくと、車道と合流。その車道から林道へと入り、あとはひたすら下っていくことになります。ここからは、バス停付近まで急坂が続きます。

登山後の楽しみ

みたらい渓谷では[洞川温泉]をおすすめしましたが、今回は、[天の川温泉センター]に行ってみてはいかがでしょう。もちろん、洞川温泉も有名な温泉地で、鮎の塩焼きのほか川魚も豊富に楽しめますのでおすすめですが、[天の川温泉センター]の天川の風景を堪能しながらの入浴も格別です。

  • 立ち寄りスポット情報

    名称
    天の川温泉センター
    エリア
    奈良県吉野郡天川村坪内232

登山後記

7月の3連休初日、大峰山系の近畿最高峰・八経ヶ岳に行ってきました。この日は高校生、大学生、そして年配のパーティ、と登山客のほか行者さんたちの姿も見られ、多くの人で賑わっていました。また、この日は、山頂で1泊したおかげで朝日と共に雲海を眺めることができました。雲海自体もはっきりとモクモクとした姿を見ることができましたし、関西圏の山の中ではかなり幸運だったと言えます。都会では満天の星空を眺めるということもほぼできませんが、山の上では光に邪魔されることもなく、夜と朝の両方に楽しみがあるので、たまには泊まりでの計画を立てるのもおすすめです。

【取材】松村貴樹/【撮影】米田真也

更新日:2011年8月16日

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