須磨アルプス

須磨アルプス〜六甲山系の西端 連山で味わう阪神間の眺望〜

須磨浦公園駅から旗振山山頂

  • 展望台からの眺望。須磨のビーチはもとより大阪湾まで一望できる。
  • 訪れたのは3月末。公園の中には、さまざまな種類の桜の木が立つ。
  • 旗振山に至るまでは、石段が多く整備が進んでいる。
  • 旗振山山頂から望む明石海峡大橋。西への眺望も良好。
  • 六甲山縦走ルートには、無数の分岐が。その分岐ごとに道標があるので確認を。

花咲く公園内を抜けて展望台へ

山陽電鉄須磨浦公園駅で降りまず目の前に広がるのが、須磨海岸。そして、その須磨海岸を背にして、左手に向かいます。その先、線路をまたぐ様に架かるのが敦盛橋(あつもりばし)で、この橋は、青葉の笛でも知られる平敦盛がこの地で果てたという史実のもと、建てられたそうです。
橋を渡ると公園内に入ります。この辺りは桜の名所としても知られ、[須磨浦山上遊園]もあるため、毎年4月には、家族連れで賑わいを見せます。園内から展望台までの道は、舗装道路。その脇には、ツツジやあじさいなど花がたくさん植えられていますので、道中それらを楽しめます。
30分ほど歩くと展望台へと到着。展望台からは、須磨の海岸はもちろん、西は明石海峡大橋、東は大阪湾までが眼下に広がります。その景色を楽しんだら、旗振山に向けて出発です。10分程度歩けば、山頂に到着します。
旗振山は、字のごとく、ここで昔、堂島(大阪)の米相場を岡山に知らせるため旗を振っていたことに由来すると言われています。それほどの眺望をここでも楽しんだら、次に目指すのは、鉄枴山。次の山頂までもおよそ徒歩10分程度です。

旗振山山頂から栂尾山山頂

  • 鉄枴山から高尾台に向かう道中。しばらく階段が続く。
  • どの山も300メートル程度だが、ひと山ごとにアップダウンがある。
  • 右手に見えるのがおらが茶屋。平日でもハイカーが多い。
  • このルート上に多く見られるコバノミツバツツジ。西日本では多く見られる花の一種。
  • ひたすら続く階段。今回のルートで行くと352段。

神戸有数のニュータウンを越えて

鉄枴山を越えると下りにさしかかり、ここから高倉台まで一気に降ります。その途中には、[おらが茶屋]と呼ばれる茶屋があり、名物のカレーが食べられます。この茶屋付近からも眺望がよく、この連山はどこを切り取ってみてもそこからしか味わえない港町神戸やその先にある海へ抜ける風景が楽しめるので、若い人からお年寄りまで人気なのがうなずけます。
そして、この[おらが茶屋]近くには、登山会の小屋があり、毎日上り続けて40年(2013年4月現在で13,000回以上)といった人の記録や賞状なども飾られています。
さらに進むと、階段があり、目の前には、団地が広がります。1975年に入居が始まった高倉台団地は、神戸ニュータウンのひとつで、壁のタイルや棟の番号が時代を感じさせる可愛さがあります。自然ではありませんが、この団地の景色もこのルートの醍醐味のひとつといっても過言ではありません。
その団地群を抜けると、再度山道に入っていきます。目指すは、栂尾山(とがおやま)の山頂。ここからは、このルート唯一の難所。階段が続きます。延々と続く上り階段途中には、複数のベンチが用意されているほどで、体力に合わせて、ゆっくりと上りましょう。そこを上りきれば、山頂に到着。山頂には、丸太でくまれた展望デッキもあり、昼食をここでとるハイカーも多く見られました。

栂尾山山頂から東山山頂

  • 馬の背の岩稜地帯を東山方向から振り返った景色。
  • 東山山頂までもう少し。水野町への分岐が奥にあり。
  • 風化が進んだ足場は、注意が必要。
  • 両サイドの急斜面。こちらから見ると馬の背と呼ばれる理由がよく分かる。
  • 東山山頂から見る須磨アルプスの景色。岩稜地帯が目立つ。

いよいよ須磨アルプスの岩稜がお目見え

栂尾山を越えれば、いよいよ須磨アルプスのメインスポットへと向かう横尾山にさしかかります。
馬の背と呼ばれる岩稜地帯は、風化が激しいので注意が必要ですが、ゴロゴロとした岩の姿を見上げたり、文字通り馬の背のような細い道を通りながら、斜面の先に広がる神戸の借景を楽しんだり、多いに満喫できるスポットです。特に、岩場を通り過ぎたところから、来たルートを振りかえった風景に迫力があると好まれています。
存分に風景を楽しんだら、いよいよ今回ご紹介するルート上にある最後の山頂、東山山頂に到着します。山頂からは、いくつかのルートがあります。今回は、ここから板宿駅へと向かうルートを行きます。板宿方面の道標を確認して、進んでください。街が常に見えているので、その点でも、道標が指し示す方向を間違うことも少ないでしょう。
ここからは、なだらかな下りが続きます。途中、[板宿八幡神社]があり、そこまで下れば、板宿の街はもうすぐそこです。

登山後の楽しみ

板宿と言えば、商店街と言ってしまいたいほど、駅前にある商店街に活気が溢れています。神戸以外の人にはあまり馴染みのない土地かもしれませんがこの駅前の商店街は、[板宿本通商店街][板宿中央商店街]のほか[板宿市場]と数多くの商店が軒を連ね、街の商いを盛り上げています。お肉屋さん、魚屋さん、八百屋さんと生鮮食品はもちろん、イカナゴの釘煮や漬け物といった加工品の販売も盛んです。また、ぼっかけラーメンと呼ばれるこの辺りの名物は一度は食べたい一品です。
特にこの商店街の注目ポイントは、個人店がメインストリートにも多く残っているところ。地価の高い通りには、コンビニや、スーパーなどのチェーン店が入っているのをよく目にしますが、こちらではまだまだ地元の商店が元気!そんな点に注目して見ると、この板宿の商店街、侮れないかもしれません。

登山後記

今回はじめて須磨アルプスを歩いてみましたが、何よりも眺望がどこもすばらしい。アップダウンは激しいものの、ファミリー登山にももってこいなのではないでしょうか。
注意すべき点は、このルートの一番の見せ場である馬の背です。両サイドは、切り立った崖になっていますので、誤って滑り落ちないようにしてください。気をつけて歩けば、道中には団地も含め、見どころ満載ですので、楽しいハイキングになること間違いなしです。

【取材】松村貴樹/【撮影】米田真也

更新日:2013年4月23日

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