まるでハンドパワー!「手をかざすと動く台」をFabってみた

2017/09/22

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WRITERテキスト:トライアウト・組橋信太朗/撮影:野田真

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もしも、「手をかざすだけで物が動かせる」なんてことができれば、手に取りたい物を動かずして取ることができたり、物を運ぶ手間が省けたりと何かと便利になることが増えそう。大学生の秋山耀さんに、そんな超能力のようなアイデアの実現に挑戦してもらいました。

もしも、「手をかざすだけで物が動かせる」なんてことができれば、手に取りたい物を動かずして取ることができたり、物を運ぶ手間が省けたりと何かと便利になることが増えそう。以前「3Dプリンタで“声の立体化”に挑戦!?」に挑戦してくれた秋山耀さんに、そんな超能力のようなアイデアの実現に挑戦してもらいました。


コンセプトは「自由に動く台」

今回も、このムチャぶりにチャレンジしてくれるのは大学生の秋山耀さん。中学から高校まで所属していた物理部では、モーターやマイコンを用いた工作を行っていたそうです。大学進学後はARにも興味を持ち様々な作品を作りつつも、「画面の中で起きる変化よりも、現実世界が動いた方が面白い!」との衝動が湧き上がり、現在は再び電子工作に熱中しているそうです。

「深く考え込んで前に進まないよりも、とにかく手を動かして物をつくること」を信条にする秋山さん。今回も完璧な構想を練り上げるよりも先につくり始めることになりましたが、そんな中でも、コンセプトと使いたいパーツの2つは最初に決めてから作業に取り掛かったそうです。

「Fabってみた」第2回「まるでハンドパワー!『手をかざすと動く台』をFabってみた」-画像-02

まずはコンセプトですが「基本的に面倒なことは機械にやらせたいと思っている」という秋山さん。そして多くの人たちにとって「面倒なこと」の代表ともいえそうなのが「離れた場所にある物を取る」という行為。これを機械に任せることができれば、どんなに楽なことか! しかし、物を取りに行って持ってきてくれるだけのロボットを家に置くのも邪魔……。そこで「物が置いてある床や台そのものが動くようにすればいいのでは!」とひらめいたのです。というわけで、コンセプトは「自由に動く台」に決定しました。

四方向に動く「全方向移動型車輪」

コンセプトが「自由に動く台」に決まり、次に秋山さんが決めたことは「全方向移動型車輪」を採用するということ。

全方向移動型車輪

「全方向移動型車輪」とは、通常のタイヤが前後の動きしかできないのに対し、左右の動きもできるタイヤのこと。さらに、これを3つ組み合わせると平面上を自由に動き回る機構ができるとのことで、以前から使ってみたかったそうです。

コンセプトと使いたいパーツ。この2つが決まってしまえば、後はとにかく手を動かすのみ。「失敗したらもう一度つくり直せばいい」と自分に言い聞かせながら、いよいよ製作に移ります。作業は大きく分けて以下の2工程です。
[1]「三輪全方位移動車」をつくる
[2] モーターを制御するプログラムをつくる

[1]「三輪全方位移動車」をつくる

まずは躯(く)体づくりから。レーザーカッターで土台となる板を六角形に切り出し、市販の全方向移動型車輪を取り付けるというシンプルなもの。「意外とホイールの組み立てに苦戦しました。結局は強引に組み立てましたが(笑)」と秋山さん。3つの全方向移動型車輪を正三角形になるように板に固定します。これで、どんな方向にでも進むことができる車ができました。

三輪全方位移動車

[2] モーターを制御するプログラムをつくる

躯体が出来上がったら、それを動かすためのプログラムをつくります。コンセプトの「自由に動く台」の具体的な実現方法を考えた結果、「人間の動きに反応したほうが便利そうだし、面白いだろう」ということで、手をかざした方向に動く機構をつくることに。導入したのは、VRヘッドマウントにも搭載されている、手の動きを認識する「LeapMotion」という機器。これを「1本以上の突起があるものを手と認識する」という設定にして、手をパーにすると反応し、グーにすると反応しないプログラムにしました。

手の場所に応じて3つの全方向移動型車輪のモーターがそれぞれ速度を調整し、手に向かって走ってくる仕掛けです。

手の場所に応じて3つの全方向移動型車輪のモーターがそれぞれ速度を調整し、手に向かって走ってくる仕掛け

さらに、今後機能をブラッシュアップさせるためにも拡張性を高めようということで、シングルボードコンピュータLattePandaを積み込むことにもなりました。秋山さん曰く、「移動する台の中にWindowsが入っている感じ」とのことです。

シングルコンピューターを積み込む

いよいよ実走!

制御と組み立てを行い、完成したものを動かしてみたものがこちら!

LeapMotionの設定通り、手をかざしてパーの状態にすると反応し、それを追うようにして進んできます。そして、グーにするとストップ。誤作動なのか、たまに戸惑ってプルプルしていますが、その辺は逆に愛らしくも思えてきます。実用に向けて上に色々な物を乗せて動かしてみました。予想以上にパワフルで、5kgほどの植木を乗せてもバッチリ動きます。

電話を乗せる

カメラを乗せる

歩かなくても移動できる家!?

最後に、将来どのように実用化できそうか尋ねてみました。「1個だけだとなかなか力を発揮する機会がないかもしれませんが、複数あれば色々なことができそうですね。例えばこれを床全面に敷き詰めて、人が歩かなくても移動できるようにするとか。そうすれば部屋のレイアウト変えも簡単にできそうですよね」と思わずワクワクする発想を語ってくれました。

観葉植物を乗せる

緑色の髪の少年がゲーム機(超能力)で木を動かす漫画が昔あって……

ほほえみ
  • 秋山耀さん
  • PROFILE

    秋山耀

    明治大学大学院 理工学研究科 新領域創造専攻2年。3Dプリンタの研究を中心に、電子工作、プログラミングなどを活用したものづくりを行っている。趣味は8mm映写機いじりと、星の撮影。過去につくった工作物や論文、受賞歴などはこちら(https://gutugutu3030.github.io/profile.html)。

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