“優男(やさおとこ)”で、通称「落語界の貴公子」。
近年は宝塚歌劇に興味を持ち、クラシックバレエのレッスンも始めたといいます。
2007年より大阪市立大学で公開授業「大阪落語への招待」の講師として四代目桂春団治とともに教壇に立っています。
上方落語の「粋(すい)」を体現する噺家として評価は高く、三代目春団治の、華麗な羽織の脱ぎ方を継承しているのは、春雨さんひとりとさえいわれます。
多芸多才は知る人ぞ知る。深い素養に裏打ちされた至芸が楽しめそうです。
『お玉牛』
夜這いの風習を題材とした滑稽噺。
所は紀州と大和の国境、堀越村。若い男たちが集まって、京都の奉公先から戻ってきた美女・お玉の噂話をしている。
そこへ茂兵衛が「玉ちゃんのことは、あきらめてもらおか。俺が『うん』と言わせたんやさかいな」と告げ、ひとつのキセルをふたりで吸い合った、と自慢する。
艶やかな噺が広がる古典の名作です。