
刺激的メニューが女性客に大好評!大阪で人気の「中華バル」3選
進化した中華スタイルのバルが女性を中心にウケている!
コロナ禍で揺れた2020年の大阪の飲食業界で、大ブレイクではないが、スマッシュヒットとなっているのが【中華バル】。中華と聞くと古くからある定食がメインの「街中華」的なお店を想像しますが、今回は、全く違うオシャレ中華!
台湾の屋台をイメージしたり、スパイシーな麻婆豆腐やヘルシーな蒸し料理などを小ポーションで出すなど、工夫を重ねたスタイルで従来の中華とイメージを変えた中華酒場が増えているんです。
今回はフードライター・髙田 強が、いま行くべき注目の中華バル3軒を紹介します。
◆個性が光る!話題の中華バル◆
台湾の屋台街のような雰囲気も魅力 「da pai dang 105(ダパイダン イチマルゴ) 福島店」
(2020年5月6日OPEN)
2019年12月15日に大阪・天満の1号店がオープンした台湾の屋台をイメージした大衆酒場が「da pai dang 105」。天満駅から徒歩3分ほどの好立地と開放的な雰囲気も手伝って若い客でにぎわいます。その2号店となるのが、2020年5月6日に開店した福島店。
ステンレス製のテーブルやプラスチック製のイスなど、雰囲気は本場さながら。
メニュー看板を見ながら飲んでいると、まるで台北に居るかのような気分に。
2号店のメニューも本店とほぼ同じ。キッチンでは、中国人スタッフが腕を振るいます。
これを味わおう!
「自家製焼小籠包」4個 500円、6個 750円(税別)
少し厚めの皮の底面を焼いて仕上げた小籠包。客の90%以上が注文する超人気メニューです。
粗びきの豚ミンチを独自の調味料と混ぜ合わせたあんは、アツアツをかじると肉汁が飛び出すほどのジューシーさ。皮がしっかりしているため食べ応えも十分。
「水餃子」6個 550円(税別)
台湾では、焼小籠包以上に定番の水餃子。
ネギ入りのあっさりスープに浮かぶもっちりとした食感の厚皮の餃子は、シンプルながら豚の旨味をしっかり感じさせます。お好みで中国醤油や豆豉ラー油などを付けて食べるのがおすすめです。
「担々麵」600円(税別)
系列に人気店があることからそのノウハウを生かした担々麺を用意。
もちもちで食べ応えのある麺に合わせるのは、ゴマ風味の濃厚なスープ。ポイントは、豚のミンチを醤油、紹興酒、甜麺醤、さらに山椒などを加えて作る肉みそ。この肉みそがほんのり甘さを感じさせますが、その後に山椒のシビレと爽快感がやって来ます。
おすすめドリンク
青島、台湾、パンダの3種の瓶ビール各600円(税別)
点心類によく合う中国や台湾のビールは瓶ビールで用意。ほかに、「キリン一番搾りの生」450円(税別)や、レモン+紹興酒+ソーダという組み合わせの「ドラゴンハイボール」450円(税別)なども飲めます。
JR東海道本線高架下にあり、飲食店が並ぶ「福ろうじ商店街」の一画。商店街側と道路側の2カ所に入口がありますが、ラーメン店や焼鳥店など飲食店が軒を連ねるいい意味でゴチャゴチャとした商店街に店の雰囲気が良く合っています。
メインの点心類以外に、はしご酒を楽しむ客が多いエリアでもあるので、「よだれ鶏」650円(税別)や「ピータン豆腐」550円(税別)などおつまみも充実。
屋台感を出すため、あえて使い捨ての容器を使用。
そのため、自家製焼小籠包はもちろん、ほとんどのメニューが持ち帰り可能。
下町の酒場感覚で利用できる気軽な雰囲気の店なので、気心の知れた仲間とワイワイ利用するのにピッタリです。
2020年7月23日にはなんばこめじるし店がオープンし、2021年の春には、心斎橋、神戸、梅田にもオープンする予定です。
肉も!魚も!野菜も!蒸しにこだわる 「酒と肴とせいろ蒸し オオサカチャオメン」(2019年10月10日OPEN)
「中華というより、せいろ蒸しをアテに飲んでもらえる店にしたいと思ったんです」とは、店主の上甲さん。これまでなかったスタイルの酒場を目指し、せいろ蒸しの世界観を広げる現在のようなメニュー展開の店を2019年10月10日にオープンしました。
メニューの内容は、店頭の大きな看板でチェックできます。
木の温もりを生かしつつスッキリとした明るい店内は、オープンキッチンスタイルのカウンター席とそれを囲むようにテーブル席が並べられます。
カウンター内のキッチンでは、大量のせいろが積まれ、ドンドン料理が蒸されていきます。
カウンター席からは、蒸される様子を見ることができます。
これを味わおう!
「肉焼売」は1個160円(税別)
日南豚の粗挽きミンチに背脂を加えたあん部分が特徴で、肉汁が豊富なため皮が少し厚め。そのため、アツアツをかじると肉汁がジュワーっと口の中に広がります。また、かなりの粗挽きなので肉の食感が楽しく食べ応えも十分。
「スペアリブ トーチー蒸し」680円(税別)
20種以上のスパイスを使用して作る豆豉醤を使い、2時間半かけて蒸すスペアリブは大迫力。
骨があるとは言え280gとボリューム満点で、食べ応えもあり満足度もバツグン。かぶりついて食べるのも楽しい。
「アボカド やみつきパン粉」450円(税別)
珍しいアボカドのせいろ蒸しです。蒸されて柔らかくなったアボカドと旨味の強い中華醤油の組み合わせが絶妙。隠し味のきいたパン粉とも好相性です。このパン粉をアテに飲めるほどのおいしさ。
「カンパチ 山椒蒸し」580円(税別)
蒸したカンパチは、しっとりとした質感。ふわりとやわらかで、ぽん酢とよく合います。アクセントの花椒がさらに上品さを演出。カンパチの旨味がしみこんだキャベツまでおいしいのがうれしい。
注文を受けてから仕上げる蒸し料理は、「蒸し豚 ホイコーロー風」や「牛タン 山芋とろろ蒸し」といった肉類から、「水蛸 梅紫蘇蒸し」や「ふっくら蒸し穴子」などの魚介、「レタス 海鮮餡かけ」、「ヤングコーン トリュフ塩」の野菜メインまで、かなり多彩で個性的です。
「チャオメン」780円(税別)
ぜひ味わって欲しいのが、店名でもある名物のチャオメン。細めの麺を中華鍋で蒸し焼きにしています。
八宝菜的なあんかけの上に焼いた麺をかぶせるという逆転の発想的なメニューで、焼けた部分のぱりっと感とあんかけと絡んだときのもっちり感の食感のコントラストが楽しい。締めだけでなくビールやハイボールのアテとしても好評だそうです。
おすすめドリンク
「翠フローズンソーダ」550円(税別)
心地よいフレーバー感のあるジンの「翠」のソーダ割り。フローズンアイスをトッピングしています。
「香るエールの生ビール」450円(税別)や「角ハイボール」420円(税別)のほか、「抹茶ハイ」、「紅茶ハイ」、「台洋ハイ」各420円(税別)などのお茶ハイが充実しています。
また、オフィス街のためランチも人気。名物の焼売とともに蒸し野菜がたっぷりの味わえる「肉汁焼売定食」900円(税込)は、常連の女性ファンも多いそうです。
春から秋にかけて人気だったオープンエアを楽しめるテラス席。希望すれば、冬期でも利用可能です。
四ツ橋筋から2筋西のオフィス街の一画ですが、実は淀屋橋駅、肥後橋駅、本町駅からそれぞれ徒歩5分の好立地。仕事終わりに、学生時代の友達と集まって飲むなどの利用にも向いています。
女性に人気のオシャレ中華バル 「満ち汐のロマンス」(2020年4月1日)
2020年4月1日、四ツ橋筋沿いにオープンした、スタンディングスタイルのスタイリッシュなバル。ネオンサイン看板を採用した、間口の広い店はガラス張りの店はエリアでも目立つ存在で、連日若い女性客でにぎわっています。
店内正面はスタンディングスタイルのカウンター。立ち飲みスタイルながら、若い女性客に人気です。
店内の向かって右と左はテーブル席。おしゃべりに花が咲くテーブル席は、予約できるのも好評。
「中華にこだわってるわけではないんですが、気軽に飲んで食べてもらえる店にしようと思ってメニューを考えたら焼売に行き着いて。そこから少しだけ中華に寄せたんです(笑)」と、店長の内山洋平さん。
これを味わおう!
「鶏焼売」、「豚焼売」各1個90円(税別)
肉の質感や旨味をそのまま感じさせるよう薄皮を採用。鶏焼売には、ラーメン用の鶏油をアレンジして使うことでジューシーな旨味を演出。
粗びきの豚ミンチを独自の調味料と混ぜ合わせたあんは、アツアツをかじると肉汁が飛び出すほどのジューシーさ。皮がしっかりしているため食べ応えも十分です。
「よだれサバ缶」390円(税別)
サバ缶を中華のよだれ鶏風にアレンジ。サバ缶のサバをメインに、担々麺に使用するゴマダレをアレンジして作ったタレをかけています。パクチーやフライドオニオンのアクセントも人気の秘密です。
「マスカルポーネと甘納豆」490円(税別)
金時豆やうぐいす豆など、いろいろな豆を使用した甘納豆にマスカルポーネチーズを組み合わせています。甘納豆と少しねっとりしたマスカルポーネの食感のコントラストが絶妙。リッツのサクサク感ともベストマッチ。
ほかにも、ひと手間かけたアレンジを加えた多彩なメニューがそろいます。中華寄りでなければ「和牛ホルモン煮込み」490円(税別)や「GRABアジフライ」350円(税別)などがお店のおすすめです。
おすすめドリンク
「アマレット×トルコ紅茶」450円(税別/左)
「満ち汐オレンジ」410円(税別/右)
中国でスタンダードな「白酒(パイチュウ)」にウーロン茶とキンモクセイを混ぜ合わせた「満ち汐オレンジ」410円(税別)や、女性から人気の「アマレット×トルコ紅茶」450円(税別)などの個性的なカクテルをそろえています。
もちろん、「生中」490円(税別)や「レモンサワー」450円(税別)などの定番ドリンクもラインアップ。
グラス450円(税別)~、一合790円(税別)~の日本酒も充実。
本町駅から少し南の四ツ橋筋沿いなのですが、ガラス張りの外観とネオンサイン看板が印象的。
店内の照明などもレトロな雰囲気を演出し、オシャレ。
オリジナルデザインのグラスも好評だそうです。
というわけで、おっさんの手で残念ですが、こんな風に撮影する女性が続出しているそうです。
オシャレなだけでは、すぐに飽きられてしまいますが、「味もしっかりしていれば、常連が増えて人気店になるんだなぁ」ということを実感させられました。
実はこちらのお店の母体は、大阪でもトップクラスの人気を誇るラーメン店の「鶏soba 座銀」。そのため、フードメニューの最後に「にぼし吟醸(拉麺)」780円(税別)も用意。ちょい飲みにも、ガッツリ食べて帰ることもできる、バランスの良さも魅力です。
取材店以外にも、いくつかの中華バルを巡ってみて感じたのが“お手軽さ”と“裏切られない味”。
変な言い方かもしれませんが、餃子の王将で食べる感覚の延長線上で、さらに個性的に! もっとオシャレに! と進化していったような気がします。
たいていの中国料理は、食べたことのあるものなので誰を連れて行っても外さないし、価格もお手ごろ。それをどうアレンジするかなので、味的にも期待通りか、期待を上回ることが多いです。
よく知っている中華料理の世界観が広がると思いますので、進化型のお手軽中華を一度体感してみてはいかがでしょうか。
高田 強/フードライター 関西エリアを中心に雑誌やwebで飲食店やフードトレンドについての記事を執筆。現在は「関西ウォーカー」、「るるぶ大阪」、「おとなの週末」、「SKY WORD」、「関西・中国・四国じゃらん」などの雑誌、情報誌に寄稿。約月1回ペースで登場する関西テレビ「よ~いドン!」のほか、ABCテレビ「おはようコールABC」、「おはよう朝日です!」、読売テレビ「朝生ワイド す・またん!」などのテレビ番組にグルメ情報のナビゲーターとして出演。 毎年秋に発行される「関西ラーメンウォーカー」では、メインライターを務める。