乳がん予防で乳房を切除―「アンジー効果」で実施者倍増?

2018年1月25日掲載

乳がん予防で乳房を切除―「アンジー効果」で実施者倍増?

(※画像提供:HealthDay)

2013年、米国人女優のアンジェリーナ・ジョリーが乳がんを発症するリスクを低減するために乳房を切除したことを発表し、話題になりました。

ジョリーは母と祖母と叔母をがんで失っており、遺伝子検査を受けたところ、乳がんや卵巣がんを発症するリスクを大きく高める遺伝子変異を持っていることが明らかになりました。そのため、将来的ながんの発症リスクを下げるために乳房を切除する手術である「リスク低減乳房切除術」を受けることを決断したのだそうです。

ジョリーのこの決断は各国の一般女性にも大きな影響を与えたことが、最近の研究で明らかになりました。米国とオーストラリアで昨年実施された研究から、ジョリーの発表後にリスク低減乳房切除術の実施件数が倍増したことが報告されたのです。

発表前後の入院データを比較

発表前後の入院データを比較

今回の研究は米ニューヨーク州にあるワイル・コーネル大学と、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州にあるニューサウスウェールズ大学の研究グループが共同で実施したもの。ジョリーのニュースがリスク低減乳房切除術の実施件数に及ぼした影響を調べるために、それぞれの大学がある州で2004~2014年に病院から退院した人のデータを分析しました。

ニューヨーク州のデータを調べた結果、リスク低減乳房切除術の女性100万人当たりの実施件数は、ジョリーの発表前20カ月間には2カ月間で3.3件だったのに対して発表後20カ月間では同6.3件と、ほぼ倍増したことが分かりました。また、ニューサウスウェールズ州でも同様の結果がみられました。

有名人の影響の大きさ物語る

2015年の英国の研究でも、ジョリーの発表によってリスク低減乳房切除術の実施件数が増えたことが報告されています。また、2005年にはオーストラリアの歌手であるカイリー・ミノーグが乳がんと診断されたことを公表し、その後乳がんの検査を受ける25~44歳の女性が増加したとする研究結果も報告されていました。

今回の研究結果から、研究グループは「有名人の行動は一般の人々の医療上の決断を左右することが分かりました」と結論。「今後は、もし有名人が遺伝子検査や治療の選択について公表したら、それが一般の人々にどのように影響するのかを検証する必要があるでしょう」と指摘しています。(HealthDay News 2017 年9月25日)

https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/breast-cancer-news-94/mastectomy-study-confirms-jolie-effect-726788.html

Copyright c 2017 HealthDay. All rights reserved.
※掲載記事の無断転用を禁じます。

(参考情報)
Abstract
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1475-6773.12774/abstract

Press Release
http://news.weill.cornell.edu/news/2017/09/breast-cancer-study-confirms-the-%E2%80%9Cangelina-jolie%E2%80%9D-effect