おう吐・下痢・高熱の原因はロタウイルスかも!潜伏期間・症状・治し方は?大人もかかるの?

2018年4月26日掲載

おう吐や下痢・高熱が出ると「これって風邪? それとも急性胃腸炎?インフルエンザ?もしかしてノロウイルス?」などと、さまざまな病名が頭をよぎるのではないでしょうか?

たしかにおう吐や下痢・高熱はさまざまな病気で現れる症状ですが、もしもこういった症状が小さな子供に見られる場合には、ロタウイルスに感染している可能性が考えられます。

今回は、ロタウイルスの症状や特徴、対処方法、予防方法などを医学博士の岸清彦先生に教えていただきました。

医療法人 明和病院
岸清彦院長補佐(内科主任部長・臨床検査科部長)
医療法人 明和病院の院長補佐・内科主任部長・臨床検査科部長を務める。日本人間ドック学会人間ドック健診指導医・専門医・認定医でもあるため、人間ドックについても精通している。患者にとって分かりやすい説明を大切としている。

ロタウイルスとは?どんな症状が出るの?

●ロタウイルスの特徴は?

ロタウイルスは、急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種です。
生後6カ月から2歳前後の子供が感染しやすく、ほとんどが5歳までに1度は経験します。大人も感染することがありますが、軽症で済むか発症しないケースがほとんど。子供でも2度目の感染時は軽い症状で済むことが大半です。

感染者が最も多くなるのは3月から5月にかけてですが、1年を通じていつでも感染する可能性があります。


●ロタウイルスの症状は?

ロタウイルスに感染すると、2~4日の潜伏期間を経て次のような症状が現れます。

  • 吐き気やおう吐
  • 水のような下痢
  • 38℃以上の高熱
  • 下腹部の痛み

このような症状が3~4日間続きます。水のような下痢が続き、高い熱が出るのがロタウイルスの特徴だと言えます。

なお、上記のような症状はノロウイルス発症時にも見られますが、ノロウイルスの場合はさほど高熱が出ません。また、ロタウイルス感染で痛くなるのは主に下腹部(腸のあたり)ですが、ノロウイルスの痛みは上腹部(胃のあたり)に生じます。


●感染経路は?

ロタウイルス感染症は、外部から体内にウイルスが侵入することによって感染・発症します。感染経路としては以下のようなケースが考えられます。

・感染者の吐しゃ物・排せつ物から感染

ロタウイルスはおう吐や便と一緒に体外に排出されてからも、しばらく生存し続けます。そのため、感染者の吐しゃ物や排せつ物を処理した際に、処理を担当した方の手にロタウイルスが付着し、そのウイルスが口から体内に入って感染することがあります。
また、ロタウイルスが飛散したトイレの便座やドアノブなどに手で触れてしまい、それが口に入って感染するケースも。特に保育園や幼稚園ではこういった経路での感染が起こりやすく、ひとりがかかると次々と他の子供にうつり、集団感染につながることがあります。


・ロタウイルスに汚染された食べものを介して感染

ウイルスに汚染された食べものを口にして、感染することもあります。また、生ものを調理した際に調理器具にウイルスが付着し、それらを使って調理した別の食材を口にして感染するケースも考えられます。


・おもちゃなどをなめたり口に入れたりして感染

赤ちゃんは好奇心が旺盛なため、ウイルスの付着したおもちゃやスリッパなどもなめたり口に入れたりします。それが原因で、ウイルスが体内に入ってしまうことが考えられます。

ロタウイルス胃腸炎の治療方法は?感染後の対処方法は?

●ロタウイルスは薬で治せるの?

ロタウイルスに特効薬はありません。治癒に必要なのは、ウイルスを体外に排出すること。おう吐や下痢を繰り返すのはそのためです。

それでもロタウイルスと疑われる症状が出たときは、医療機関で受診することをおすすめします。というのも、小さな子供は体力がないため、おう吐や下痢によって脱水症状に陥る危険性があるからです。症状がひどい場合には、点滴をして脱水症を防ぐための処置が必要です。熱が高い場合は解熱剤を処方されることもあります。


●重症化を防ぐためにはどうすればいい?

ロタウイルス感染後に最も大切なのは、水分補給をして脱水症を防ぐことです。少しずつでも、水もしくは電解質と糖質が配合された経口補水液を摂取してください。また、おう吐や下痢を繰り返すことで体力を消耗してしまいますので、安静にしてしっかり体を休めることも大切です。


●二次感染を防ぐために気をつけるべきことは?

ロタウイルスは大人にうつっても発症しないことがほとんどですが、小さな子供がいる場合は家庭内での二次感染を防ぐ対策が必要です。

特に注意すべきは、感染者の吐しゃ物や排せつ物の処理について。処理方法は、ノロウイルス感染者の吐しゃ物の処理方法と同様ですので、こちらの記事を参考にしてください。

関連記事 「ノロウイルスの潜伏期間を知っていますか?医師に聞く症状・検査・消毒方法


おむつをしている赤ちゃんが感染してしまった際には、おむつの処理にも十分に注意してください。
おむつを交換するときはゴム手袋をつけ、おむつを捨てるときはポリ袋に入れて、ロタウイルスの殺菌に効果もある塩素系漂白剤をかけます。吐しゃ物や便で衣類が汚れてしまったら、塩素系漂白剤につけおきして消毒した後に、他の衣類とは分けて洗濯してください。

このほか保育園や幼稚園で他の子供にうつさないために、下痢がおさまるまでは登園させないことも大切です。

子供のロタウイルス感染を防ぐには?日頃からできる予防対策

・手洗いを徹底しましょう

砂場や遊具・おもちゃで遊ぶなど、子供のまわりにはウイルスに感染するリスクがたくさんあります。子供が外から帰った後やおもちゃで遊んだ後はせっけんで入念に手洗いをさせましょう。また、トイレ後や食事前の手洗いも徹底してください。もちろん大人も外から帰った後やトイレ後・食事前・調理前・子供と触れ合う前などに、手洗いをしっかりすることが大切です。


・調理器具の使用方法を見直しましょう

調理器具を介した感染を防ぐために、生ものを扱った調理器具は、その都度必ず熱湯消毒することを習慣づけましょう。「生もの用」と「生もの以外用」で調理器具を分けるのも、感染予防に効果的です。


・予防接種を受けるという手も?

ロタウイルスには、任意ですが予防接種があります。2回または3回に分けて接種するもので、いずれも1回目の接種を生後6週目から14週目までに済ませる必要があります。
予防接種が推奨されているのは、1型糖尿病や小児麻痺といった先天性の疾患を持っている子供です。予防接種について気になる方は、かかりつけのお医者さんに相談してみると良いでしょう。

まとめ

ロタウイルス感染症は、ほとんどの子供が幼いうちにかかるポピュラーな病気です。
そのため、子供が感染しても慌てないよう、対処方法や二次感染を防ぐ方法をきちんと知っておくことが大切です。また、日頃から手洗いなどの衛生対策を徹底しましょう。

監修

明和病院 院長補佐 / 内科主任部長 / 臨床検査科部長 岸 清彦

医療法人 明和病院 URL: https://www.meiwa-hospital.com/