プールは危険な病原体の温床?

2018年7月12日掲載

プールは危険な病原体の温床?

暑い夏になるとプールやウォーターパークなどが賑わい、多くの人が楽しんでいます。しかし、こうした施設では実は危険な病原体が流行する可能性があり、過去にはそれにより亡くなった人もいることが、米国の政府組織である米疾病対策センター(CDC)の調査で分かりました。

報告書を執筆した同センターの研究者は「公共施設のプールや大型のスパ(温水施設)を清潔に保つためには塩素を用いた管理が必要ですが、適切な塩素濃度を保つことの重要性は十分に理解されていないことが多いのです」と指摘しています。

下痢や肺炎、皮膚炎の原因に

下痢や肺炎、皮膚炎の原因に

今回の全米調査によると、2000~2014年の間に水を介して感染する病気の流行は493件発生していて、そのうち3分の1はホテルなどのプールやスパで起こっていました。少なくとも2万7,219人以上の人が病気になり、8人が亡くなっています。

原因となった病原体は、「クリプトスポリジウム」「レジオネラ菌」「緑膿菌」の3種類が大半を占めました。感染の原因が特定された流行363件のうち、58%がクリプトスポリジウムによるもので、16%はレジオネラ菌、13%は緑膿菌が原因でした。

クリプトスポリジウムは適切に塩素処理されているプールでも生存できる寄生虫です。下痢によってプールの水が汚染され、それを他の人が飲み込むことで感染することが多いとされ、感染するとひどい下痢が最大で3週間ほど続きます。

レジオネラ菌と緑膿菌はいずれも殺菌剤が効きづらく、皮膚や目、鼻を通して体内に侵入します。レジオネラ菌は重い肺炎やインフルエンザのような症状を引き起こし、緑膿菌は外耳炎や「温浴毛包炎」という皮膚炎の原因になります。50歳以上の人、喫煙者や元喫煙者、肺の持病がある人、免疫力の低下している人はレジオネラ菌に感染しやすいといわれています。

利用者の側でも対策を

この結果について、ある専門家は「プールの危険性は十分に知られていません。しかし、十分に浄化して塩素消毒を行い、フィルターを定期的に交換し、さらに水を常に循環させておく必要があるのです」と指摘し、利用者の側も病原体を持ちこまないよう努めるべきだとしています。

プールでの感染防止対策について、米国政府は次のようにアドバイスしています。

・下痢をしているときはプールに入らないようにしましょう。
・休憩時間を設けて子どもをトイレに行かせるようにしましょう。おむつの交換はプールから離れた専用の場所で行うこと。
・水質検査の結果を確認しましょう。
・試験紙を用いて塩素濃度が適切か確認しましょう。
・プールの水を飲み込まないように気をつけましょう。
(HealthDay News 2018年5月17日)

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https://consumer.healthday.com/public-health-information-30/water-safety-news-590/pools-hot-tubs-can-harbor-dangerous-germs-734029.html

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/67/wr/mm6719a3.htm