運動時の水分補給、「喉が渇いたら飲む」はNG

2018年7月19日掲載

運動時の水分補給、「喉が渇いたら飲む」はNG

運動時の水分補給の大切さは広く知られるようになり、「喉の渇きを感じたら水分を補給する」ことを心がけている人は多いことでしょう。しかし、喉の渇きを基準として水分補給をすると、気がつかないうちに運動のパフォーマンスが低下している可能性があることが、最近の研究で明らかになりました。

7人の自転車競技選手を対象に実験を行ったところ、たとえ喉の渇きを感じていなくても、水分補給が不十分な場合は自転車のスピードや出力(ペダルをこぐ力)が低下することが分かったといいます。

脱水状態の自覚なくても…

この研究では、7人の自転車競技選手の男性に高温で乾燥した環境(気温35度、湿度30%)の中で2時間、エアロバイクのペダルをこいでもらう実験を行いました。このとき、(1)鼻から胃まで入れたチューブを通して、流れた汗と同量の水を十分に補給する実験、(2)不十分な量の水しか補給せずに脱水状態にする実験――の2パターンを設定しました。

どちらの実験でも、選手たちが喉の渇きを感じることがないよう、一口程度の水を5分ごとに飲んでもらいました。その上で、運動のペースが一定になってから2時間後、全速力で5km走破してもらい、そのときのパフォーマンスを測りました。

その結果、どちらの実験でも選手たちは喉の渇きを感じなかったにもかかわらず、脱水状態にさせたときの方がペダルをこぐスピードや出力が低下していました。また、体の深部の体温も、脱水状態のときの方が上昇していました。

この結果から、研究を率いた米アーカンソー大学の研究者は「運動中は十分な量の水を飲み、適切な水分量を維持することが、ベストパフォーマンスと深部体温の調節に不可欠であることが示されました」と説明しています。なお、運動時の汗の量には個人差があるため、水分補給の方法は個別に決める必要があるということです。

やる気や意識の問題ではなかった

やる気や意識の問題ではなかった

これまで一部の研究者の間では、脱水状態そのものが悪いのではなく、他の理由からパフォーマンスが低下するのだという説もありました。例えば、「喉が渇くと惨めな気持ちになり、やる気が失われてしまうせいだ」あるいは「脱水状態が体に悪影響を及ぼしているだろうと考えて、自然と力を抑えてしまうせいだ」といった考え方です。

しかし、今回の実験では選手は喉の渇きを感じておらず、水分補給はチューブを通して行われたため自分が脱水状態にあるかどうかを認識できない状態でした。そのため、「喉の渇きや脱水状態に気づいているかどうかにかかわらず、脱水状態そのものが成績を低下させるのだと分かりました」と、研究者らは結論づけています。(HealthDay News 2018年4月30日)

https://consumer.healthday.com/vitamins-and-nutrition-information-27/water-consumption-health-news-701/no-one-size-fits-all-for-hydrating-during-sports-732687.html