中高年に多いCOPD、リスク上昇は小児期から?

2018年8月23日掲載

中高年に多いCOPD、リスク上昇は小児期から?

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は肺が慢性的な炎症を起こし、呼吸しにくくなる病気です。咳や痰が増え、身体を動かすと息切れするなどの症状が次第に進行し、もとの健康的な肺に戻ることはほとんどありません。

COPDを発症する原因のほとんどは喫煙であるとされ、中高年で発症しやすいため「大人の病気」と考えられがちです。しかし、COPDの発症には子どもの頃の喘息や受動喫煙なども影響している可能性があることが、世界的な呼吸器学の専門誌に掲載された2件の研究で示されました。

子どもの頃から肺機能が低い人は要注意

1件目の研究では、オーストラリア・メルボルン大学の研究者らが、同国タスマニア州の地域住民を対象とした長期追跡調査のデータを用いて、子どもの頃の肺の健康と成人後のCOPDリスクとの関連を検討しました。

この調査に参加した男女2,438人は、7歳から53歳までの間に6回、肺機能の検査を受けていました。この検査結果から、7歳から35歳までの肺機能の変化を6パターンに分類して解析したところ、「小児期から肺機能が悪い」「小児期から肺機能が低め」「小児期から肺機能が低めで、成人後に急低下する」という3パターンに分類された人は、平均的な肺機能の人に比べてCOPDのリスクが高いことが分かりました。

53歳までに発症したCOPD患者のうち、こうした小児期からの肺機能低下が関与したと考えられる人は4分の3を占めました。また、この肺機能低下の原因として、小児期の喘息や気管支炎、肺炎、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、親の喘息、母親の喫煙が関与することも分かりました。さらに、「肺機能が成人後に急低下する」パターンの人では、小児期の要因に加え、本人の喫煙や成人期の喘息が追い打ちをかけることも明らかになりました。

「幼少時の受動喫煙」が鍵に

「幼少時の受動喫煙」が鍵に

一方、英ブリストル大学の研究グループが2,632人の肺機能を出生時から24歳まで追跡した2件目の研究によると、生後1~6カ月のときに肺機能が低かった乳児の4分の3は、小児期までに肺機能が大きく向上していたことが判明。小児期になっても肺機能が低いままの人は、「重い喘息症状を繰り返している」「早期からアレルギー症状がある」「受動喫煙がある」場合が多いことも明らかになりました。

この結果から、研究グループは「幼少期に受動喫煙やアレルギー、喘息の悪化を避けられれば、成人後のCOPDリスクを抑えられるのでは」との見解を示しています。

米レノックス・ヒル病院の専門家は「今回報告された研究から考えると、子どもを受動喫煙から守り、喘息の子どもには最善の治療を受けさせることが、肺の健康を生涯にわたって良好に保つために必要だといえそうです」と話しています。(HealthDay News 2018年4月6日)

https://consumer.healthday.com/diseases-and-conditions-information-37/copd-966/copd-is-an-adult-killer-but-its-origins-may-lie-in-childhood-732645.html