肌がひりひり・ぴりぴりする...冬場に起こる肌荒れの原因と対処法

2021年1月28日掲載

冬場になると、顔の皮膚がひりひり・ぴりぴりと痛むことがありませんか?乾燥がひどくなったり、かゆみや赤みが生じたりすることもあるかと思います。特に今年はマスクをつける機会が多くなっているため、例年にも増してこのような肌トラブルが生じやすいのではないでしょうか。

そこで今回は、肌がひりひり・ぴりぴりする原因、症状を和らげるための対処方法・予防方法などについて、ダイエット・アンチエイジング・美容などの専門外来を持つ渋谷セントラルクリニックの河村優子先生に教えていただきました。

渋谷セントラルクリニック 院長 河村 優子

ドクターとしてのモットーは「男女を問わず、綺麗に健康に変身させる」こと。クリニックの掲げる治療メニューは勿論のこと、世界中の美容医療を自ら検証して安全で効果のある治療を探すことを生きがいとしている。東邦大学大学院では腎移植時の臓器への酸化ストレスの研究で医学博士号を拝受。日本抗加齢医学会専門医、日本麻酔科学会専門医、日本先進医療医師会、特定認定再生医療等委員会 委員を務める。

冬場に多い、肌のひりひり・ぴりぴりの原因は?

肌のひりひり感・乾燥は肌を保護する「バリア機能」の低下によって起きる

皮膚の最も外側には、「角質層」という角質細胞の層が形成されており、皮膚からの水分喪失や紫外線・雑菌・アレルゲンなどから肌を保護するバリア機能を担っています。このバリア機能が正常に働くことで、外的刺激に負けない、うるおいのある肌を維持することができるのです。

しかし、バリア機能がなんらかの原因で低下すると、肌内部の水分が蒸発しやすくなったり、外部からの刺激に対して無防備になったりしてしまいます。その結果、肌のひりひりやぴりぴり感・乾燥・かゆみ・赤みといったさまざまな肌トラブルにつながります。よく聞く「乾燥性敏感肌」にも、バリア機能の低下が大きく関与しています。特に冬場はバリア機能が低下しやすい季節。空気が乾燥するため、皮膚から水分がどんどん失われ、水分と皮脂のバランスが崩れやすくなります。

さらに、冬場は日照時間が少なくなるため、日光から体に吸収されるビタミンD量も減少しがちです。ビタミンDは免疫機能に関与しており、摂取量が減ることでバリア機能の低下を招きやすくなると考えられます。


化粧品・マスクなどの刺激が追い討ちをかけることも

肌のバリア機能が低下していると、肌は外部からの刺激に対して敏感になります。そのため、化粧品をつけたときに肌がぴりぴりしたり赤みが出やすくなったりするのです。また、化粧品に配合されているアルコールや香料・防腐剤などに対して、アレルギー反応を起こしてしまうこともありえます。このほか、外部からの刺激という意味では、化粧品をつけるときに使うコットンや日常的につけているマスクなども肌トラブルを助長する原因になってしまうことがあります。


お手入れのしすぎ・間違ったスキンケアも原因のひとつ

日頃からお肌に過度な刺激を与えていると、角質層が薄くなっていき、肌のひりひり感やぴりぴり感をはじめとするトラブルを招きやすくなります。肌をゴシゴシと摩擦するように洗ったり、強いクレンジングを毎日使っていたり、ピーリングを頻繁に行っていたりすると、角質層にダメージが及びます。すると、そのダメージを修復するために肌のターンオーバーが速まり、未熟な角層細胞が積み上がって角質層が薄くなってしまうのです。


肌細菌層のバランスが悪化していると肌トラブルは起きやすくなる

人間の肌には数多くの種類の常在菌が存在しており、表皮ブドウ球菌のように皮膚を守る働きをしている種類もあれば、アクネ菌のようにニキビなど肌荒れの原因となる種類もあります。良い性質の菌が多ければうるおいのある健やかな肌を保つことができますが、肌細菌層のバランスが悪化すると肌トラブルを起こしやすくなってしまいます。慢性的な肌のひりひり感や赤み・乾燥などといったトラブルもその例です。


紫外線の影響も無視できない

紫外線は、肌表面に炎症を起こしてひりひりや乾燥を悪化させてしまいます。特に肌のバリア機能が低下しているときは、ちょっとした日焼けも肌トラブル悪化の原因となる恐れがあります。冬場は日照時間が減るとはいえ紫外線は降り注いでいますので、注意が必要です。


金属アレルギーの可能性も

肌のひりひり感・赤みなどのトラブルは、金属アレルギーが原因のことも。金属アレルギーの場合、ニッケルなどの金属製のピアスやイヤリング・ネックレスなどをつけると、肌に赤みやひりひり感が出ます。

肌がひりひり・ぴりぴりしているときの対処方法

「すでに肌がひりひりしている」「赤みがある」などの悩みを持っている方は、以下のような対処法をしてみましょう。


ひどい場合は早めに皮膚科へ

肌のひりひり感・ぴりぴり感やかゆみ・赤み・乾燥といった症状には、急性のものと慢性のものがあります。
急性の炎症(ある時を境に悪化したといったケース)の場合は、皮膚科への受診をおすすめします。皮膚科では、症状にあわせてステロイド軟膏などの炎症を抑える薬を処方します。また、慢性的な症状にお悩みの方も、一度皮膚科で診療を受けてみると良いでしょう。


急性症状の場合は、冷やしてひりひりを抑える

肌のひりひり感や炎症が起きている場合は、冷やすと緩和されます。洗顔後やお風呂上がりに保冷剤をタオルやハンカチで包んだもので冷やしましょう。ただしこの対処法は急性の場合にのみ有効です。慢性的に起きているときは別の対処が必要になります。


低刺激の化粧品を使用する

バリア機能が低下しているお肌は、外的刺激に弱い状態です。普段なら問題なく使える化粧品でも刺激を感じることがありますので、アルコールや界面活性剤・香料などを含む製品は避けた方が良いでしょう。炎症によって化粧品が染みるときは、メイクをしないようにするか、化粧水や乳液などは使用せずにワセリンを塗るだけのシンプルなケアに変えるのもひとつの方法です。


シャンプーやコンディショナーにも注意して

肌への刺激となるのは、顔につける化粧品だけではありません。顔にかかる可能性のあるシャンプーやコンディショナーの成分にも、肌が敏感になっている時期には注意が必要。日頃から肩甲骨付近や背中に吹き出物が出る方は、シャンプーやコンディショナーの成分が合っていないことが考えられます。大人用のものではなく、赤ちゃんにも使える低刺激のものに換えてみるようにしてください


マスクをつけるときは、低刺激のマスクを選んで

マスクが肌に擦れたり当たったりして刺激となり、肌がぴりぴりしているとき・赤みがさらに悪化することがあります。できるだけ刺激を抑えるためには、マスクの選び方がポイントとなります。


【肌荒れ時の参考に。肌にやさしいマスクの選び方】
  • 綿素材のマスクを選ぶ
  • 不織布マスクを使うときは、マスクの下に綿素材の布を挟む
  • 色素が刺激を与えることもあるので、基本は白色を選ぶ
    (茶色や黒系は染色材が刺激を与える恐れがあるので避けた方が良い)
  • ウレタンやストレッチ素材など、合成繊維のマスクは刺激になりやすいので注意

硬肌のひりひり・ぴりぴりを予防するための方法は?

肌のぴりぴりや赤み・乾燥などを未然に防ぐためには、日頃から以下のポイントに留意しましょう。


洗顔やクレジングはやさしく

肌表面をゴシゴシ摩擦するような洗顔や洗浄力の強すぎるクレンジングは、肌のバリア機能が低下を招くことがあります。ゴシゴシ洗いによる摩擦も良くありません。洗顔料はよく泡だて、肌表面をこすらないように優しく洗いましょう。また、クレンジングはメイクの濃さに合わせた洗浄力のものを選んでください。


肌本来の保湿機能やバリア機能を整える

毛穴が角栓でふさがっていると皮脂が正常に分泌されず、皮脂に含まれるセラミドなどの天然保湿成分の分泌もされづらくなってしまいます。また、肌のバリア機能も低下しやすくなります。

こういった状態から脱するのに試してみてほしいのが、化粧水をはじめとするスキンケア製品の使用をやめる方法です。いわゆる「肌断食」とも呼ばれています。スキンケア製品の使用をやめることで肌への刺激や負担を減らし、肌本来の保湿機能やバリア機能が整いやすくなると考えられます。今は在宅勤務でおうちにいる時間が増えた方が多いと思いますので、普段よりも始めやすいかもしれません。


紫外線対策を怠らない

紫外線は、肌表面に炎症を起こしてひりひりや乾燥を悪化させてしまいます。紫外線が強くなるのは春から夏にかけてですが、冬でも紫外線は降り注いでいます。一年を通して紫外線対策を行いましょう。

なお、すでに肌炎症がある方やできるだけ肌刺激を抑えたい方は、液体タイプの日焼け止めよりもパウダータイプがおすすめです。パウダータイプの方が毛穴をつまらせにくく、肌負担を軽減できます。1日に何度か塗り直すようにしましょう。


便通を改善する

便通が悪いと、腸内の悪玉菌が増加し、腸内細菌層のバランスが悪化します。すると、連動して肌細菌層のバランスも悪化してしまうと考えられます。肌のひりひりや乾燥・赤みといったトラブルを抱えている方は、肌細菌層のバランスを整えるためにも便通を改善して腸内細菌層のバランスを改善しましょう。

便通改善のためにまず行いたいのは、便通を悪化させる原因となる食品の摂取を控えること。例えば、「牛乳を飲むと下痢しやすい」という方であれば、牛乳をはじめとする乳製品を控えましょう。お酒やグルテン(小麦を使った製品など)なども同様です。

あわせて、腸内で善玉菌の餌となる水溶性の食物繊維を摂取するように心がけてください。水溶性食物繊維は、野菜や果物・海藻類などに豊富に含まれています。毎日の食事にこれらの食品を取り入れてみましょう。


生活習慣を見直す

肌細胞の再生を促し健やかな肌を保つためには、成長ホルモンの分泌が必要です。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されますので、睡眠をしっかりとることが大事です。また、成長ホルモンの分泌量はお酒を飲むと減ると言われています。お酒を日頃からたくさん飲んでいる方は控えめに。このほか、適度な運動をすることも大切です。

まとめ

肌のバリア機能が低下しやすい冬場は、肌のひりひり感やぴりぴり感・乾燥・赤み・かゆみといった肌トラブルが起こりやすくなる時期。肌のバリア機能を改善するために、今回ご紹介した対策や予防法をぜひ試してみてくださいね。なお、症状がひどい場合やセルフケアで改善が見られない場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。

渋谷セントラルクリニック 院長 河村 優子