暮らし あと押し eo

eo健康

顔がむくみやすくなる冬。むくみの原因と解消方法

おそらく誰もが経験したことのある、起床時のいやな「顔のむくみ」。前日に塩分を摂りすぎたり睡眠がしっかりとれていなかったりすると、顔まわりや目まわりなどがむくみやすくなるものです。また、「冬になると顔がむくみやすくなる」と感じる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、LECINQ clinic院長 長谷川佳子先生に、顔のむくみの原因や解消方法・予防策について教えていただきました。

長谷川佳子

LECINQ clinic 院長

2012年 北里大学医学部卒業。2014年 横浜市立大学病院 形成外科入局 KO CLINICに勤務。藤沢湘南台病院、横浜市立大学附属 市民総合医療センター、横浜栄共済病院 小田原銀座クリニック勤務を経て、2020年ルサンククリニック診療部長就任。2021年 ルサンククリニック院長就任。所属学会は、日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本レーザー治療医学会、日本抗加齢学会、日本乳癌学会、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会など多岐にわたる。

LECINQ clinic 院長 長谷川佳子

顔のむくみの正体は?

むくみとは、体内の余分な水分が排出されずに残り、皮膚や皮下に溜まっている状態のことを指します。専門的な言葉では「浮腫(ふしゅ)」ともいいます。つまり、顔に余分な水分が溜まり、それが排出されずに残っているのが「顔がむくんでいる」状態だといえます。

顔のむくみの原因は?

塩

顔のむくみを招く8つの原因

顔のむくみの原因としては以下の8つが考えられます。

塩分の摂りすぎ

人間は、体内の塩分濃度を一定に保とうとする力を持っています。そのため、塩分を多く摂ると体の塩分濃度が濃くなるので水分を溜め込み、通常と同じ塩分濃度にしようと働きます。結果、水分が通常よりも溜め込まれ、むくみになります。

糖分の摂りすぎ

塩分と同様に、糖分を摂りすぎると体は水分を多く抱え込み、糖分濃度を一定にしようとします。そのため、糖分の摂り過ぎもむくみの原因となります。

体の血行不良や冷え

体が冷えていて血行不良に陥っている方は、体内の老廃物を正常に排出できなくなる、もしくは老廃物の排出が減少します。そのような状態が長く続けばむくみやすくなります。

枕があっていない

枕が低すぎると、顔がむくみやすくなると考えられます。というのも、眠っているときに枕が低いと顔の老廃物が流れにくくなるからです。反対に、高さのある枕はむくみにくいですが、肩こりや首こりにつながることも。自分に合っている高さの枕を使うことが大切です。

睡眠不足

睡眠不足だと、体の血流が悪化するため、むくみが起きやすくなります。

肩こり

肩こりと顔のむくみにも関連性があります。肩こりが起きやすい方は、首や肩まわりが冷えていて上半身が血行不良になっていることが多いのです。そのため、顔まわりの老廃物もたまりやすくなり、むくみが現れやすくなります。

生理

生理前から生理中に増加する女性ホルモン・プロゲステロンは、水分をため込みやすくさせる性質があるため、この時期女性はむくみやすくなります。プロゲステロンは妊娠のために必要なホルモンですが、女性にとっては厄介な作用も持ち合わせており、むくみの他にもイライラや食欲増進などをもたらします。

運動不足

運動不足は、血行不良・冷えを引き起こし、むくみの誘因になります。さらに運動不足が続き筋肉量が減ると、体全体の水分代謝が低くなり、よりむくみを引き起こしやすい体になってしまいます。

むくみやすい季節は?むくみについて知っておきたいポイント

むくみが発生しやすい季節の他、お酒の影響などについて解説します。

冬は顔がむくみやすい時期

上述したように、血行不良や運動不足はむくみの原因になります。冬は気温の低下によって血行不良になりやすく、活動量も低下するためむくみが発生しやすい時期だといえます。また、汗をかく機会が減って代謝も悪くなりやすいため、むくみには特に注意すべき時期であるといえるでしょう。

実はお酒を飲むだけではむくまない

アルコールの摂取によってむくみが悪化することは通常ありません。アルコールには利尿作用があり、むしろ水分を排出するのが仕事だからです。しかし、「アルコールを摂取した翌日に顔がむくむ」という方は多いかと思います。これは、お酒と合わせて塩分の高いものをたくさん食べているからだと考えられます。お酒には塩分の濃いおつまみがよく合うので、お酒を飲むと塩分を摂り過ぎてしまう傾向があります。それがむくみを招いてしまうのです。
また、アルコールの摂取量が多すぎると、血管が拡張して血管からの水分排出がスムーズにいかなくなり、むくみやすくなります。

病気が原因でむくむことも

甲状腺機能低下症や腎不全・肝不全・リンパ浮腫など、体の病気が原因でむくみが起きているケースも。これらの場合、むくみは一時的なものではなく慢性化します。また、ステロイドを内服している場合にも、むくみが起こることがあります。

顔のむくみの解消方法

むくみ解消に効果的な食べ物は?

むくみ解消に効果的な栄養素・食べ物

カリウムは、体の余分な水分代謝に役立ちます。他にもビタミンB群に含まれるビタミンB2は、新陳代謝のアップ・血行改善に役立ち、むくみを解消する手助けをします。カリウムやビタミンB2を多く含む食べ物は以下です。

カリウムが豊富な食べ物
  • バナナ
  • ドライマンゴー
  • 芋類
  • ほうれん草
  • わかめ

など

ビタミンB2が豊富な食べ物
  • ブリ
  • さわら
  • 牛乳
  • 豚レバー
  • ほうれん草

など

むくみが気になる方は、これらの食べ物を積極的に摂るようにしましょう。ただし、カリウムやビタミンB2だけでなく、栄養が偏らないようにその他の栄養素もバランス良く摂ることが大切です。また、味付けに利用する塩分・糖分が多いと、むくみが発生してしまいます。調味料の量を減らす、塩や醤油を抑えて出汁を中心にした味付けをするなど、調理方法にも注意してください。

朝のスキンケアでむくみを解消

朝起きていつもより顔がむくんでいるときは、スキンケアをする際に顔まわりの老廃物を排出するのが効果的です。顔の中心から外側に向かって美容液やクリームをつけるようにします。顔の外側までいったら、首の方に指を動かします。首にはリンパがあるため、顔から首に流すようにすると、老廃物が早く出ていきます。
顔の老廃物を排出する方法やマッサージについて詳しく知りたいという方は、こちらの記事もチェックしてみてください。むくみを軽減するだけでなく、小顔、肌ツヤや顔色アップなどの効果も期待できます。
関連記事:顔を小さくするにはこれ!小顔マッサージでフェイスラインをスッキリさせる方法

顔のむくみ予防のために心がけること

むくみ予防をしてハッピーな朝の様子

塩分を摂りすぎない

むくみ予防には塩分を摂りすぎないようにすることが大事です。日本においては、女性の1日あたりの塩分摂取推奨量は6.5g。しかし、海外では6g以下を推奨している国も。むくみだけではなく生活習慣病予防などの観点からも、減塩を心がけましょう。
減塩のコツとしては、ハーブ類やシソ・ネギ・ゆずなどの香りの強い食材を上手に使って、塩や醤油やソースなどを使い過ぎないようにしましょう。また、スープ類を食べるときは具を多めにして、汁を少なくするのがおすすめです。
このほか、寝る前に塩分を摂らないようにすることも大事です。同じ塩分量を摂るなら、昼間の方が活動している分、尿として排出しやすくなります。味の濃いものを食べたい場合は昼食に摂ると良いでしょう。

晩酌時のおつまみ・お酒の飲み過ぎに注意

お酒と一緒に塩分の高いおつまみを食べると翌日むくみやすくなるので、塩分の多いおつまみは極力減らしましょう。また、お酒の量が多すぎると血管からの水分排出がスムーズにいかなくなり、むくみやすくなるのでお酒の量も控えめに。
それでも寝る前にお酒を飲んでしまった場合は、夜間の体の機能を正常にするため、就寝前にコップ1杯の水を飲みましょう。睡眠時間を十分に確保することも大事です。

水分は1.5リットルを目安に、1日を通してこまめに摂ろう

体の循環を良くするためには水分が必要です。「むくみたくないから」といって水分を摂らないでいると、余計にむくみやすくなります。人の体は、多くの水分を使って活動しています。腎臓の機能が正常な場合、1日に必要な水分の最低限は1.5〜2リットル程度。食事でも水分をとっているので、1.5リットル程度を食事以外で摂るようにしましょう。
それ以上となると摂りすぎの傾向があり、水中毒を引き起こす恐れもありますので注意を。また、一度に大量に飲むのではなく、1日を通してこまめに摂ることも大事です。

シャワーではなくお湯に浸かる

シャワーではなくお風呂に浸かることも、むくみの予防改善に効果的です。体を温めると新陳代謝がアップし、余分な水分を含む老廃物が排出されやすくなります。シャワー浴は一時的に体が熱くなりますが、根本的には温まりません。お風呂にゆっくり浸かることが大事です。

適度な運動をする

運動で血液循環を高めると、むくみの予防改善につながります。おすすめなのは、20分程度のウォーキングやジョギングなどです。軽く汗ばむ程度まで体を動かすと、新陳代謝アップ・血行促進・冷え改善に役立ちます。

まとめ

顔や体がむくんでいると、なんだか心まで重たくなってしまいますよね。メイクしてもいつもより可愛くなかったり、洋服や靴がきつく感じたり。ですが、顔や体のむくみは、日頃の予防対策や改善対策によってご自身でもケアできます。今年の冬はむくみ対策をしっかり行なって、絶好のコンディションで乗り切りましょう。

LECINQ clinic院長 長谷川佳子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

おすすめ記事一覧