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肌断食のやり方と効果とは?メリット・デメリットと好転反応について解説!

美容に興味のある方なら、きっと「肌断食」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。肌断食とは、スキンケアを極力減らすことで肌本来の力をアップさせようとする美容方法です。興味はあるものの、「かえって肌トラブルが起きない?」と疑問に思っている方も多いはず。

そこで今回は、ご自身も肌断食の経験がある美容コンサルタントの清水裕美子さんに、肌断食のやり方や効果のほか、メリット・デメリット、好転反応について教えていただきました。最後に清水さんご自身の体験談もご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

清水裕美子

美容コンサルタント

日本航空の客室乗務員として約5年勤務。乾燥や不規則な生活など過酷な環境の中でもなぜCAたちはみんなこんなにキレイでいられるのか?と疑問を持ち、およそ5000人のCAのきれいの秘密を観察・分析。「CA流美容」として発信する。著書「キャビンアテンダント5000人の24時間美しさが持続するきれいの手抜き」(青春出版社)

美容コンサルタント 清水裕美子

肌断食って?

肌断食とは、スキンケア用品やメイク用品を使うのをやめる、または減らすスキンケア方法です。肌断食のやり方には明確な決まりがあるわけではありませんが、日常生活での肌ダメージや過剰なスキンケア・メイクによって失われた肌本来の力を取り戻すというのが基本的な考え方です。

肌断食のやり方

洗顔する様子

肌断食に決まったルール・やり方はありませんが、大きく分けると「スキンケアのほとんどをやめる本格的な方法」と、「普段のスキンケアを減らすソフトな方法」の2種類があります。ここでは、それぞれのやり方をご紹介します。

本格的な肌断食のやり方

本格的な肌断食の場合、クレンジング剤や洗顔料・日焼け止め・メイク用品の使用を完全に断ちます。洗顔は水またはぬるま湯でのみ。化粧水や乳液なども使用しません。肌の乾燥が気になるときは、保湿剤として白色ワセリンを塗布します。
なお、使用する石鹸は、成分が石鹸素地だけのものが良いでしょう。また、ワセリンは白色ワセリンなど純度の高いものを。よくある黄色いワセリンは、不純物の含有量が多いのでおすすめできません。

ソフトな肌断食のやり方

ソフトな肌断食では、今まで使っていたスキンケア用品のアイテムを最小限に減らしたり、メイク用品も石鹸で落とせるタイプだけにしたりします。

スキンケアのアイテムを減らす

美容に関心が高い方は、スキンケア用品を何種類も使っていることが多いかと思います。しかし、それがかえって肌への負担になっていたり、肌本来のバリア機能を弱めていたりすることがあるのです。一度アイテムの数を減らし、最低限のシンプルなスキンケアに変えてみましょう。スキンケアは保湿だけを目的として、成分のシンプルな化粧水と白色ワセリンだけにするのがおすすめです。

石鹸で落とせるメイク用品を選ぶ

クレンジングをすると肌への摩擦がかかり、負担が大きくなりがちです。また、肌にとって必要な皮脂を落とし過ぎてしまう恐れもあります。

ですから、クレンジングを使用せずに済むように、日焼け止めやメイク用品は石鹸で落とせるものだけにしましょう。最近は、日焼け止め・ベースメイク・アイシャドウ・アイライン・マスカラなど、ほとんどのアイテムで石鹸落ちタイプが販売されています。ベースメイクを選ぶ際は、リキッドよりパウダータイプの方が肌負担も少なく落ちやすいのでおすすめです。

なお、石鹸落ちコスメを使っていても、本当に石鹸で落ちているのか心配でクレンジングをしたくなってしまう方もいるかと思います。ですが、多少のメイク残りよりもむしろ、クレンジングで必要な皮脂まで落としすぎてしまうことの方が肌の負担に繋がると考えられます。大事なのは、皮脂を落としすぎない・肌にできるだけ触らないことです。

肌断食をしていても、日焼け止めはつけるべき!

本格的な肌断食では日焼け止めも使用しないと解説しましたが、個人的には紫外線ダメージを防ぐために日焼け止めは使用した方が良いと考えています。また、外出するときは、日焼け止めの上からパウダーを薄くつけることをおすすめします。日焼け止めだけを塗って肌がべたついている状態だと、花粉や黄砂などの大気汚染が肌に付着しやすくなります。パウダーで肌をさらっと整えてあげた方が、肌へのダメージは軽減しやすくなるので、ぜひ試してみてください。

肌断食で期待できる効果

肌断食の効果を実感する様子

肌断食をすることで以下のような効果が期待できます。

肌のバリア機能の強化

肌断食では、肌がもともと持っているバリア機能を高めることを目指します。バリア機能が高まれば、乾燥や肌荒れなどを起こしにくい健康的な肌が作られます。そういった意味で、肌断食で期待できる効果のひとつは、「乾燥肌の改善」といえます。さらに、乾燥からくる肌荒れやシワなどの予防にもつながるでしょう。

肌負担の軽減

過剰なスキンケアやハードなメイクによる摩擦は、肌にとって良くありません。バリア機能が低下し、乾燥肌や肌荒れを招きやすくなったり、シミやシワの原因になったりもします。スキンケアやメイクを最小限にすることで、顔を触るタイミングが少なくなり、肌への摩擦を減らすことができます。

肌のターンオーバーの促進

過剰なスキンケアやメイクは、肌のターンオーバーを乱す原因になっていることがあります。肌断食をすることで、肌のターンオーバー機能が正常化する効果が期待できるといわれています。その結果、肌のキメが整ったり、ニキビや毛穴の黒ずみなどの悩みの軽減につながったりすると考えられます。

好転反応?肌断食で起こりうるトラブル

肌断食のデメリットを感じる様子

一方、肌断食にはデメリットもあります。

乾燥や毛穴の角栓・黒ずみ・かゆみ・炎症が起きることも

一方で、肌断食をすると肌トラブルが起こることもあります。乾燥がひどくなって皮がめくれたり、ニキビなどの肌荒れがひどくなったり、毛穴の角栓や黒ずみ、開きが悪化したり。これを「好転反応(※肌が本来の機能を取り戻す前の一時的な肌トラブル)」と捉える方もいますが、場合によってはさらに状態が悪化したり、かゆみや炎症・深刻な皮膚疾患につながったりすることもあるので注意が必要です。

肌断食の効果は個人差がある

肌断食の効果や好転反応の出方は、元の肌質やスキンケア習慣・ホルモンバランス・生活習慣・食事習慣などによって個人差があるものです。一概には言えませんが、これまで使っていた化粧品が肌に合っていた方は効果を感じにくく、合っていなかった方は効果を感じやすい傾向があるようです。また、肌断食をするだけでなく、生活習慣や食事習慣を正すよう意識することも大事です。

肌断食を安全に・効果的に行うためのポイント

部屋の湿度を保ち、肌にやさしい環境で過ごす様子

本格的な肌断食をするなら専門家のもとで

本格的な肌断食を専門知識なしに行うと、思わぬ肌トラブルを招いてしまうことがあります。また、トラブルが起きたとき、それが好転反応なのか肌荒れなのか、素人が判断するのは難しいものです。人によっては、肌断食が合わない可能性も。本格的な肌断食をする場合は、皮膚科医や専門的な知識のある方の指導のもとで行うのが安全です。

肌断食をストップした方がいいことも

肌断食によって乾燥や赤みなどの肌トラブルが生じ、その状態が4〜5日程度続いているのであれば、いったんストップしたほうが良いでしょう。

かゆみや炎症が起きたら皮膚科へ

「肌断食を始めたら、肌が乾燥するようになった」「白い角栓が飛び出て目立つ」といった症状は、肌断食の初めに起こりやすい現象です。これらの症状はだんだんと改善することが多いので、様子を見てみましょう。しかし、肌のかゆみや炎症には注意が必要です。かゆみや炎症が出た場合は、早めに皮膚科に行くことをおすすめします。

スキンケア以外で肌を保湿する方法をとる

「肌の保湿はスキンケアでしかできない」と思っている方は多いかもしれませんが、実はそうではありません。肌の保湿方法には以下の3つの方法があります。

  1. スキンケアによる「直接的な保湿」
  2. 飲む・食べるなどの「内側からの保湿」
  3. 部屋の湿度を保つ・乾燥させないことによる、「環境的な保湿」


スキンケアでの直接的な保湿を減らす分、2.3を意識的に行いましょう。例えば、「加湿器をつけて部屋が乾燥しないようにする」「お水をこまめに飲んで体の中から水分を補給する」などがおすすめです。

クレンジングの“代わりの方法”を試す

クレンジングを使用しない代わりに、お風呂にゆっくり浸かってしっかり汗をかくようにしてみましょう。毛穴に溜まった汚れや角栓を自然に除去しやすくなります。

敏感肌やアトピーなどがある方は医師に相談を

敏感肌の方、かゆみや炎症を起こしやすい方、アトピーなどの皮膚疾患がある方が肌断食をすると、肌状態や皮膚疾患の悪化を招くおそれがあります。肌断食を始める前に皮膚科医に相談することをおすすめします。

まとめ

最後に、私が行った肌断食のやり方とその効果についてご紹介します。
私が行ったのは以下の方法です。

  • コスメ:ポイントメイクには石鹸落ちコスメを使用
  • 洗顔:石鹸のみ
  • 保湿:ワセリンのみ
  • 日焼け止め:使用


これを1か月ほど続けてみたところ、最初は乾燥しましたが、その後は特にトラブルはなく、好転反応のようなものも出ませんでした。それまで高い化粧品をいろいろと使っていましたが、お肌の状態はそのときとほとんど変わりませんでした。

みなさんの中にも、導入美容液→化粧水→乳液→美容液→クリーム……とフルラインで使わないと潤わないと思っている方がいるかと思います。私もそう思っていましたが、肌断食を経験したことで、決してそんなことはないということがわかりました。

現在肌断食はしていませんが、以前より使うスキンケアアイテムの数ははるかに少なくなっています。少ないアイテムでも十分とわかったことは、肌断食がもたらしてくれた気づきのひとつでした。むしろ、肌をさわる回数が減ったことで、肌トラブルが起きにくい強い肌になったように思います。これだけやれば大丈夫!というように、自分の肌そのものへの信頼感も増しました。

リモートワークやマスク着用の影響もあり、今までよりもメイクを軽くしやすく、新しい美容方法にもチャレンジしやすい昨今。ご自身の肌の底上げをしたい方は、ソフトな肌断食を取り入れてみても良いのではないでしょうか。

美容コンサルタント 清水裕美子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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