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湯シャンって本当にいいの?湯シャンの効果と適切な方法を解説!

近頃よく耳にする「湯シャン」。湯シャンとは、シャンプーを使わずに、ぬるま湯だけで髪を洗うヘアケア方法です。「シャンプーの手間が減るのは助かる」「楽そう」などと興味はあっても、「シャンプーをしなくても汚れが本当に落ちるの?ニオイは気にならない?」といった疑問を持っている方は多いかもしれません。そこで今回は、ヘアライターの佐藤友美さんに、湯シャンのメリット・デメリット、湯シャンをする際のポイントや注意点などについて解説していただきました。

佐藤 友美

ヘアライター

1976年、北海道知床半島生まれ。テレビ制作会社勤務を経て、ライターに転向。日本初、かつ唯一のヘアライターに。著書『女の運命は髪で変わる』(サンマーク出版) は8万部を超えるベストセラーとなる。2021年に『髪のこと、これで、ぜんぶ。』(かんき出版)を出版。歯切れの良い解説が好評でテレビ、ラジオ番組でも活躍。講演回数も年間60回を超える。

湯シャンは本当に頭皮や髪に良いの?

湯シャンとは、シャンプーを使わずに、ぬるま湯だけで髪を洗うヘアケア方法です。湯シャンの主な目的は「洗いすぎを防ぐこと」。シャンプーを使わないことで、頭皮の皮脂が過剰に奪われるのを防ぎ、頭皮環境が整いやすくなると言われています。

湯シャンの効果・メリットは?

湯シャンだけでも汚れの大半は落ちる

「シャンプーをしないで汚れがちゃんと落ちるの?」と思われる方は多いかもしれませんが、お湯でしっかり洗うだけでも汚れの7〜8割は落ちると言われています。

シャンプーを使う量が減って経済的

湯シャンを取り入れることでシャンプーを使う量が減るので、お財布に優しいと言えます。

頭皮環境を整える

洗浄力の強いシャンプーを毎日使っていると、頭皮の皮脂が必要以上に洗い流されてしまい、頭皮の乾燥を招いたり健康な髪の毛が育つのを邪魔したりすることがあると言われています。

湯シャンのデメリットと注意点

べたつきやニオイ・かゆみが気になることも

湯シャンだけでは頭皮の皮脂を落としきれず、べたつきやニオイが気になることがあります。特に夏場は汗や皮脂が多く出るため、湯シャンだけではべたつきやニオイが残りやすくなります。

摩擦で髪を傷めてしまうことも

お湯だけで髪を洗うと、シャンプーの泡がない分、髪の毛同士が摩擦されたり指や爪にひっかけたりしやすくなり、髪を傷めてしまうことがあります。また、湯シャンのみでトリートメントをしないと、髪表面がコーティングされないので、きしみや摩擦が出やすくなります

頭皮トラブルがあるなら薬用シャンプーを使ったほうが良い

人によっては、頭皮に湿疹やかゆみ・炎症があって市販のシャンプーが合わないことがあります。こういった方の場合、一度皮膚科を受診しましょう。場合によっては湯シャンではなく、皮膚科などで処方される頭皮トラブル用の薬用成分の入ったシャンプーを使った方が効果的なこともあります。

整髪剤を使用している場合はシャンプーを使ったほうが良い

ワックスやスプレーなど整髪料を使用した日は、シャンプーで洗髪を。整髪料をお湯だけで落とし切るのは難しく、成分が髪や頭皮に残ってしまいます。

「今日は汚れてないから湯シャン」なら、全く洗わなくても良い

リモートワークなどで1日中家にいた日・活動量が少なく汗をかかなかった日などは、「今日は汚れてないからお湯で洗うだけでいいかな」と思うことがあるかもしれません。ですが、湯シャンをする理由が「汚れていないから」であれば、全く洗わないという選択肢もあり。

髪は濡れている状態が一番傷みやすいので、湯シャンであっても洗わないほうが髪ダメージは防ぎやすくなります。この場合は、お風呂に入る際に髪をタオルやシャワーキャップでしっかり包んで、濡らさないようにしてください。お風呂上がりに髪の湿気が気になるなら、ドライヤーで乾かしましょう。

湯シャンの適切な方法

湯シャンの頻度

「完全に脱シャンプーし、毎日湯シャンのみ」いう本格的な取り入れ方もあれば、「2日に1回は湯シャン」「週に1回は湯シャン」といった方法も。初めて湯シャンをやってみようという方の場合は、上記に挙げたデメリットが出やすいので、週に1回程度から始めて、「湯シャンが自分に合っている」と感じたら回数を増やしていくのが良いでしょう。

湯シャンのポイント

洗髪前に髪をしっかりブラッシングしてホコリなどを取っておく

髪の毛についたホコリなどの細かい汚れを、先にブラッシングで除去しておきましょう。


お湯の温度は38度程度、熱すぎるのはNG

お湯は38度くらいのぬるま湯を。お湯が熱すぎると頭皮の乾燥が進み、かえって皮脂分泌過多やフケなどのトラブルにつながることがあります。


洗うのは髪の毛ではなく頭皮!

髪の毛ではなく頭皮をしっかり洗うことが大事です。指の腹を使って揉み込むように頭全体をまんべんなく洗いましょう。


髪の毛をゴシゴシ洗わない!

髪の毛をゴシゴシ洗わないように気をつけましょう。特に湯シャンの場合、シャンプー泡のクッションがないため、髪同士が摩擦しあって傷みやすくなります。


シャンプーはしなくてもトリートメントはしたほうが良い

湯シャンだけでは髪を保護するものがないので、パサつきやうねり・ダメージを招きやすくなります。シャンプーを使わなくてもトリートメントはすることをおすすめします。


洗髪後はすぐにドライヤーでしっかり髪を乾して

洗髪後の濡れている状態は最も髪が傷みやすいとき。すぐにドライヤーで髪を乾かしましょう。

「夏場のドライヤーは暑くて苦手」という方は多いかもしれませんが、その場合は涼しいリビングでドライヤーをするのがおすすめです。洗面所は暑くて湿度も高いので、乾かしても乾かしても汗が出てきたり時間がかかったりしますが、かける場所を変えるだけでドライヤー時間が減り、暑さもさほど苦にならなくなるはずです。

また、寝る前に汗や湿度などで髪や頭皮が湿っぽいと感じるときは、タオルで頭皮の水分をとったり再びドライヤーをかけたりすると良いでしょう。

以下の記事でトリートメントと髪の毛の乾かし方について解説しています。合わせて確認してみてください。

関連記事:髪の毛をサラサラにするには?専門家が解説するヘアケアのポイント

まとめ

「湯シャンを取り入れてみようかな」と思う理由は人それぞれかと思います。「頭皮の乾燥が気になるから」「シャンプーするのが面倒くさいから」という方もいれば、「オーガニックの観点から脱シャンプーをしたい」という方もいるでしょう。今回ご紹介したように、湯シャンにはメリットもあればデメリットや注意点もあります。ご自身の髪に関するお悩みやライフスタイルに合わせて、適切な頻度・方法でとりいれてみるのが良いでしょう。

監修者

ヘアライター 佐藤友美

URL: http://satoyumi.com/
▶著書:『髪のこと、これで、ぜんぶ。』はこちらから

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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