暮らし あと押し eo

eo健康

レチノールとは?肌への効果や副作用、適切な使い方を解説!

最近流行っている化粧品成分といえば、レチノール。「肌のハリが出る」「毛穴が小さくなる」「シミが目立ちにくくなる」など、さまざまな効果がうたわれています。メディアやSNSなどでも話題になっているので、すでに使っている方も気になっている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、レチノール化粧品の使い方や効果・気をつけるべき副作用などについて、LECINQ clinic院長 長谷川佳子先生に解説していただきました。

長谷川佳子

LECINQ clinic院長

2012年北里大学医学部卒業、横浜市立大学初期臨床研修終了後、横浜市立大学形成外科に入局、医局関連病院に勤務の後、2020年ルサンククリニック診療部長に就任。翌2021年ルサンククリニック銀座院 院長に就任。 形成外科、美容外科として保険診療から自費診療にも携わる一方で、医療コラムで情報提供や医療監修などにも携わっている。

LECINQ clinic院長 長谷川佳子

レチノールって何?

レチノールって何?

レチノールは、細胞の分化や増殖に関わるレチノイドと呼ばれる成分の一種です。お肌に塗ることで新しい細胞が生まれ、お肌を若返らせる効果があるとされています。厚生労働省からシワの改善効果があると認められ、2017年に医薬部外品に登録されました。それ以降、多くの化粧品会社からレチノール配合の美容液やクリームなどが販売されています。

なお、レチノールが属しているレチノイドには、さまざまな成分があります。中でも有名なのはトレチノインという成分です。トレチノインは、シワ・ニキビ・シミ・毛穴の治療薬として皮膚科で用いられています。トレチノインはレチノールよりも強い効果がある反面、副作用も強いため、医療機関でしか処方されません。

つまり、レチノール配合の化粧品は「トレチノインの効果や副作用を穏やかにして、より手軽に扱えるようにしたもの」といえます。

レチノールの効果

レチノールの効果

レチノールは厚生労働省から認められているシワ改善効果のほか、以下のような美容効果があると考えられています。

  • 光老化の予防
  • コラーゲン・エラスチンの生成促進作用
  • 肌のターンオーバー促進作用
  • 皮脂分泌抑制作用
  • 表皮細胞の成長促進効果

こういった作用から、毛穴のたるみ・開きの改善、シミ・シワの改善、肌のハリツヤのアップといった効果が期待できます。

レチノール化粧品の副作用

レチノール化粧品の副作用

レチノールは肌への作用が大きい分、「レチノイド反応」という副作用が出ることもあります。特に、レチノール化粧品を初めて使う場合や敏感肌の方では、以下のような反応が出やすくなります。

  • 肌の赤み
  • 肌の乾燥
  • 皮剥け
  • ヒリヒリ感
  • 吹き出物

レチノールの副作用は、2〜3日後、人によってはもっと後になってから現れることもあります。初めて使う場合は、レチノールを使った翌日に副作用が起こらなくても数日間は様子を見るようにしましょう。また、肌が敏感な方やレチノール化粧品を初めて使う方は、後の項目で解説している使用上の注意点・ポイントをしっかり守るようにしてください。

はじめての方に!効果・副作用が穏やかなレチノール

はじめての方に!効果・副作用が穏やかなレチノール

レチノールの中にもさまざまな種類があり、効果の出やすさ・副作用の出やすさがそれぞれ異なります。中でも効果・副作用が穏やかで、まだレチノールを使ったことがないという方におすすめなのが以下の4つです。

  • パルミチン酸レチノール
  • プロピオン酸レチノール
  • 酢酸レチノール
  • ピュアレチノール

これらのレチノールは、肌に塗布すると比較的穏やかに反応します。レチノール系化粧品を初めて使用する場合は、上記のレチノールからはじめてみてください。
また、これらは「守りのレチノール」と呼ばれており、継続使用することでSPF20程度の紫外線カット効果が皮膚に貯蓄されると言われています。美容液やクリームだけでなく、化粧水やフェイスパック・日焼け止めクリームや化粧下地などのアイテムに含まれていることもあります。

レチノール化粧品の選び方・使い方のポイントと注意点

レチノール化粧品の選び方・使い方のポイントと注意点

効果が穏やかなものを、少量から

レチノールを初めて使う方や肌が敏感な方は、まずは様子を見つつレチノールに肌を慣らすために、上述した4つの成分を配合したレチノール化粧品を使用することをおすすめします。また、最初はたっぷり使用せずに少量を薄く塗布しましょう。使用頻度も最初のうちは1週間に2回程度にとどめ、副作用が起こっていないかチェックしてください。このほか、副作用が心配な方は、いきなり顔に塗布せずに腕の内側に塗って様子を見てみたり、サンプル品で試してみたりするのも良いでしょう。

濃度が強ければ良いというわけではない!

「早く効果を実感したい」と高濃度のレチノール化粧品を選ぶ方は多いかもしれません。しかし、濃度が高ければいいかというと、決してそうではありません。濃度が高ければ、それだけ赤みや皮剥けなどの副作用リスクが高くなります。

日本製のレチノール化粧品においては、レチノールの配合量は250,000IUまでと定められています。これは配合量にすると約0.04%と換算されるため、この濃度でも十分レチノールの効果を実感できると考えることができます。海外化粧品では0.5%や1%といった高濃度化粧品もありますが、それらは即効性が期待できる反面、副作用も強く出る可能性があることを覚えておきましょう。

アイテムの使用方法をしっかり守って

レチノール含有化粧品は商品それぞれに使用頻度や使用上の注意点・使用方法などが定められていますので、それらに従って使用するようにしましょう。肌への作用が高い分、間違った使い方をすると副作用や肌トラブルが出やすくなりますので、注意が必要です。

レチノール化粧品を使うなら、紫外線対策を徹底

「継続使用することで皮膚に紫外線カット効果が生まれる」と解説しましたが、レチノール化粧品を使用しはじめた当初は、皮膚代謝が亢進することでバリア機能が破綻し、紫外線などの刺激に弱くなります。普段以上に紫外線対策を徹底しましょう。

関連記事:美肌の大敵!お肌のタイプ別「日焼け・紫外線対策」

まとめ

レチノールは、肌のハリや毛穴・シミ・くすみ・たるみなど、気になるトラブルやエイジングサインの予防改善に効果が期待できる成分です。マスクを外せる日も近くなってきた今、肌のコンディションを底上げするためにぜひレチノールを日頃のスキンケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。ただし使用する際は、今回ご紹介した注意点をしっかり頭に入れて、副作用が起きないように注意してくださいね。

LECINQ clinic院長 長谷川佳子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

おすすめ記事一覧