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友達を装う“フレネミー”に要注意!? 見分け方と対処法

みなさんは、「フレネミー」という言葉を聞いたことがありますか?フレネミーとは、「友達を装う敵」のこと。友達のようなフリをして近づいてきたり親しく接してきたりするのに、実は裏で悪口を言っていたり陥れるようなことをしてきたりする傾向のある人のことを指します。みなさんの周りにはそんな人はいませんか?この記事では、フレネミーに見られる特徴やフレネミーと接する際の対処方法などについて、コミュニケーション講師の大野萌子先生に教えていただきました。

大野 萌子

一般社団法人 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、公認心理師、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで5万人以上に講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『「かまってちゃん」社員の上手なかまい方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。

一般社団法人 日本メンタルアップ支援機構 代表理事 大野 萌子

フレネミーとは

フレネミーとは

「フレネミー」は、「friend / 友達」と「enemy / 敵」を組み合わせた造語。「友達を装う敵」という意味で使われています。表面上は仲良くしているのに、裏で悪口を言っていたり陥れるようなことをしてきたり。人が困っているときに「話を聞くよ」と親身な振りをして近づき、悩みや秘密を聞きだしてはそれを別の人にばらしたり……。また、必要以上に距離を詰めて相手と自分の境界を乗り越えてコントロールしようとする傾向も見られます。

フレネミーになりやすい人の特徴

フレネミーになりやすい人の特徴

自己肯定感が低く、劣等感が強い

フレネミーになりやすい人は、「自己肯定感が低い・劣等感が強い」という特徴があります。そんな自分自身を守るために、自分と「同等」もしくは「格下」と思う人に近づきます。そして、その人が幸せになりそう・上手くいきそうになると嫉妬し、足を引っ張ろうと邪魔をするのです。

不健康に負けず嫌い

負けず嫌いな人も多いので、何かとマウントをとったり、相手を陥れたり、相手の立場を危うくしかねない言動を取ったりすることもあります。健康的な考えの人は、相手を「羨ましい」と感じるとき、「自分が頑張って努力してその人より上にいこう」という思考になります。しかし、フレネミーの傾向がある人は、自分はそのままで人を貶めることによって優位に立とうとする心理を強く持っているのです。

自分と相手の境界が曖昧になっている

フレネミーの人は、自分と相手の境界が曖昧になっていて、その境界を乗り越えようとする傾向があります。つまり、相手のことも自分事のように支配できる、コントロールできると思っていて、実際にそのように図ることもあります。

自覚的にやっている人もいれば、無自覚にやっている人もいる

こういった言動を自覚的にやっている人もいます。人と比較することでしか自分の価値観を保てない人は、人をやっかむ気持ちが大きく、自覚的にこういった行動をとりがちです。

一方で、無自覚な人もいます。フレネミータイプの人は自分を客観視するのが苦手な人も多いので、自分が友達に嫉妬して邪魔しようとしていることに気づかないこともあるのです。同様に、マウントや相手を陥れるような言動も、実はそれほど悪意はないこともあります。

フレネミーの見分け方

フレネミーの見分け方

こんな特徴がある人はフレネミーかもしれません。ただし、以下の項目に当てはまるからといって「あの人はフレネミーだ」というわけではありません。あくまで「以下のような傾向がある」と認識した上で参考にしてみてくださいね。

人の悪口や噂話が多い

フレネミータイプの人は、人の悪口や噂話を好んで話す傾向があります。誰かの悪口や噂話をしてくる人がいたら、自分も自分がいないところで何か言われているかもしれません。

プライベートをしつこく詮索してくる

フレネミータイプの人は、相手のプライベートを細かく把握して自分と比較し、「自分の方が上だ」と思いたい傾向があります。また、この心理の裏には「相手の弱点を掴みたい」という思いがあるとも考えられます。

人の不幸な話が好き

例えば事故にあった・恋人に振られたというような不幸な話があったとき、普通はあまり詮索しないように気を使うものです。しかし、フレネミータイプの人は共感するふりをして根掘り葉掘り聞きたがる傾向があります。

おせっかいな部分がある

誰かが困っている時に助けてあげたいと考えるのは健康的な思考ですが、フレネミーの人はその思考が歪んだ形で表面化することがあります。あなたの周りにも、人が困っているとき・弱っているときに俄然張り切る人はいませんか?その人の立場に立って力になろうとするよりも、「自分の活躍の場が見つかった」「自分が優位に立ちたい」「お世話をしてあげている私を見てほしい」という思いが強く働くのです。

何かにつけてマウントを取りたがる

負けず嫌いで「自分のほうが上だ」と思いたい人が多いので、ちょっとしたことでもマウントをとる傾向があります。これは、自分軸よりも他人軸に重きを置いており、人と比較することでしか価値判断ができないからと考えられます。

他の人との距離を空けさせようとすることも

フレネミーの人は、「この人をコントロールしたい」という歪んだ独占欲・支配欲を持っていることが多く、他の人との距離を空けさせようとすることがあります。その結果、気づかないうちにその人とばかり接するようになり、他の人と接点がなくなってしまっているようなケースも。特定の人だけでなく、いろいろな人と広く浅く付き合うのが大事です。

フレネミーとの上手な付き合い方

フレネミーとの上手な付き合い方

フレネミーの傾向がある人とはできるだけ関わらないようにするのが一番ですが、職場やご近所付き合い・学校など、関わりを断つのは難しいケースも多いかと思います。「この人はフレネミーかも」と思ったら、どう付き合っていけばいいのでしょうか。

プライベートな話はしないようにする

面白おかしく噂話をされないよう、プライベートな話はしないようにしましょう。詮索されても明言は避けたり、話題を変えたりなどして踏み込まれないようにしましょう。必要以上の情報を開示しないことも大事です。

二人きりで話をしないようにする

二人きりで話すと、話をかわすのが難しくなったり、自分のことも話さざるを得なくなったりしがちです。二人きりで話をすること自体を避けたほうが賢明です。例えば、2人で出かけようと誘われた場合は、誘いを断るか、断りにくいならば「〇〇さんも誘っていい?」「〇〇さんにも声かけてみたよ」と、2人きりになるのを上手にかわすと良いでしょう。

踏み込まれる隙を作らない

フレネミーの人と話すときは、相手に意見を尋ねるような話し方やネガティブな考えを感じさせる発言をできるだけしないように気をつけましょう。踏み込まれる隙を作らないことが重要です。

相手の意見には反発せずに共感対応を。

フレネミーの人と話すときは、相手の意見には反発せずに共感対応をとるのがおすすめです。共感対応は適切な距離を保つのにとても有効な方法。何かを言われたら、「あなたはそう思うのね」とまずは共感を示した上で、「でも私はこう思うよ」と、言葉や態度で自分の意思をはっきり明示しましょう。このような対応をとることで、「この人はコントロールできない」と分からせることができます。

まとめ

今回ご紹介したように、フレネミー傾向のある人との付き合い方は少し注意が必要です。気づかないうちに裏で悪口を言われていたり、陥れるようなことをされていたり、支配されていたりすることがあります。人間関係の中で「必要以上に入り込まれているな」「意見されすぎているな」「この人といると気持ちが落ちつかないな」など、違和感を覚えることがあったら、物理的・心理的に距離をおくようにすることが大事です。

また、気が弱く自分に自信が持てないタイプの人はフレネミーに狙われやすい傾向があります。精神的に弱っているときは特に、上述した付き合い方を意識して、フレネミーに入り込まれすぎないように注意しましょう。自分の軸をちゃんと持っていれば害を及ばされにくく、影響を受けにくいので、普段から意識的に自分の意見を言葉や行動で示すように心がけてみてくださいね。

一般社団法人 日本メンタルアップ支援機構 代表理事 大野萌子

※上記掲載の情報は、取材当時のものです。以降に内容が変更される場合がございますので、予めご了承ください。

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