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ドクター's コラム

      突発性難聴

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      治療方法

      大学病院をはじめ、一定水準以上の医療機関においては、スタンダードな治療法が確立されています。突発性難聴と診断されたその日から、ステロイドホルモンの漸減療法を血漿増量剤の点滴と組み合わせて行います。ビタミン溶液、ATP製剤溶液なども同時に加えます。大体7〜10日間、毎日点滴を施行し、自覚症状と聴力検査で評価します。以上の治療で、聴力が回復しない場合は「難治性の突発性難聴」と考えられ、特殊な治療方法として、高圧酸素療法や星状神経節ブロックなどを検討します。
      ステロイド治療により血糖値が上昇し、糖尿病が急性に増悪することがあるので、糖尿病と言われた、あるいは糖尿病治療を受けている場合には、内科の医師による血糖値のコントロールを同時に行うことが大切です。
      また、妊娠中の方や授乳中の方が突発性難聴になる場合もあり、そのような時は、安全な薬剤とそうでない薬剤とがあるので、産婦人科医と耳鼻咽喉科医の充分な連携が必要です。

      治療で治るのでしょうか?

      正確な診断と適切な早期治療が極めて重要です。症状を自覚した場合は速やかに設備の整った病院や耳鼻咽喉科専門医の診断を受けることが必要です。一般的には発症してから、つまり聞こえなくなったと自覚した時点から、約48時間以内に適切な治療を開始すれば治療により聴力が改善する方が多く、1週間を超えると、治療をしても改善が困難な場合が多いようです。また、1か月あるいはそれ以上経過していると、きわめて治療困難と考えられています。つまり、治療開始が早ければ早いほど、その後の症状に大きな差異が出るとの考えがあります。
      突発性難聴は、治療により必ず治る病気というわけではなく、治る場合と治らない場合があります。統計的には、適切な治療を行っても難聴が完治するのは患者のうちおよそ3分の1で、あと3分の1は改善はするが難聴・耳鳴りなどの後遺症が残り、残りの3分の1は改善しない、と言われています。特に高音部の難聴は治療しにくいと言われています。突発性難聴は、内耳の血液循環不全が病態ですので、手術など外科治療による聴力改善は望めません。

      治りやすい人

      前述の通り、治療開始が早い方が治りやすいと言われます。また他に、難聴の程度が軽い、年齢が若い、めまいを伴っていない、糖尿病や高血圧・高脂血症などの内科疾患がないなどの方は、比較的治りやすいと考えられています。また、これらの反対である場合には、予後が良くないことが明らかとなっています。

      耳が聞こえなくなるとどうなるか

      突発性難聴が治らない場合、突然の失聴が患者に与える精神的負担は極めて大きいものです。外見的に障害が見られず周囲の理解が得られにくいことに加え、健康体からの突然の発症からくるショックや、耳の異常を常時自覚せざるを得ないため、深刻なストレスと精神的苦痛を常に強いられます。特に大人になってからの中途失聴は障害認識が難しく、それまで言語コミュニケーションにより築いてきた友人関係・家族関係・社会的地位などを危うくする場合もあります。

      突発性難聴の予防法

      突発性難聴自体の原因はいまだ研究段階ですので、残念ながら完全な予防法というのはありません。ただ病態は解明されており、内耳の血液循環不全が突発性難聴の病態ですので、血液循環が悪くならないように注意することです。具体的には、栄養のバランスを考えた食事を取る、睡眠を十分にとる、極端に熱い入浴や長い入浴は避ける、できるだけ禁酒禁煙をする、耳に大きすぎる刺激を与えないなど、どれも当たり前のことばかりですが重要なことです。現実の臨床では、睡眠不足、過労、ストレスが加わったときに突発性難聴の発症が多く見られますので、精神的な安静も重要です。突発性難聴は、1日でも一刻でも早い、早期の診断治療が不可欠です。万一、急に「聞こえが悪くなった」、「急に耳鳴りがしだした」といった場合、絶対に放置せずに、できればその日のうちに耳鼻咽喉科専門医を受診しましょう。

      ドクターズメモ

      音の伝わり方

      「音」は、(1)耳介で集められ、(2)外耳道を経て、(3)鼓膜を振動させ、(4)耳小骨という3つの小さな骨を介して、(6)蝸牛に伝わります。また、中耳と鼻とは、耳管(5)で繋がっています。
      蝸牛のそばには、(7)前庭や三半規管があり、(8)聴神経に伝わり、大脳に入り、音の分析と理解がなされます。

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