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ドクター's コラム

    橋本 亮治

    トップページへ戻る執筆:橋本 亮治 はしもと整形外科 院長
    医学博士、日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医
    近畿大学医学部卒業後、大阪市立大学医学部整形外科研修医を経て、平成3年には大阪市立大学大学院を卒業。弥生町国民健康保険病院、淀川キリスト教病院勤務を経て、平成18年にはしもと整形外科を開業。整形外科全般、頭・腰・肢・手足のリハビリのほかにリウマチ、骨粗しょう症、痛風などを主な診療内容としている。
    はしもと整形外科 公式サイト:http://www.hashimoto-seikei.com/

    骨粗しょう症とは

    高齢の方で『つまずいただけなのに足の骨を折ってしまった』、『よろけて手をついたら手首が変形してしまった』などの怪我や、『背中がどんどん曲がってくる』という症状は、いずれも骨粗しょう症と呼ばれる骨折しやすい状態が引き起こしたものと考えられます。骨折の原因と言えば、交通事故やスポーツ等の大きな外力が作用して起こすイメージが強いですが、骨粗しょう症の場合、軽微な力でいとも簡単に骨折を起こしてしまうのです。そして、怖いことに最初は無症状のため、骨折を起こしてはじめて気づく人も少なくありません。

    それでは、何故このような状態になってしまうのでしょうか? 実は骨の強さ(骨強度)が低下して、骨折の危険性が高くなってしまうことが問題なのです。人間の骨の強さには次の2つの要素があります。

    骨密度 骨質
    骨密度とは骨の7割を占め、骨を作っている材料であるカルシウムというミネラル成分がどれだけしっかり詰まっているかを表しています。 骨質は骨の強さの3割を占める部分で、これには骨の大きさや形、カルシウム以外の成分、そして骨の代謝回転※などがかかわっています。※骨が毎日少しずつ生まれ変わっている様子

    これら2つ要素のバランスが崩れると骨の強さが低下し、骨折しやすい状態が生まれます。日本はかつて類をみない高齢化社会に突入しています。このため、老化に関係している骨粗しょう症も年々増加し、関連する骨折も増えてきています。骨折を起こすとADL(日常生活動作)の障害やQOL(生活の質)の低下を招き、一番困ることは骨折のため寝たきりになり、その後の生命予後を悪くしていることです。社会的にも経済的にもこれが大きな問題となってきています。

    骨粗しょう症の原因

    人間の骨は生きている間、絶えず骨を作ることと溶かすことを繰り返しています。このバランスが崩れてくると骨の強度に影響がでて、骨折しやすい状態を生み出します。つまり、骨を作る(骨形成)、骨を溶かす(骨吸収)のアンバランスにより、骨量が減少して骨粗しょう症になるのです。
    骨が溶けていく原因はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの低下、カルシウムビタミンDの欠乏などがあり、このことが閉経後の女性に骨粗しょう症が多い原因の一つになっています。
    しかし、最近は若い女性でも過激なダイエットや運動不足、妊娠・出産・授乳、スポーツによる減量やハードなトレーニングによる生理不順が原因で骨粗しょう症を起こすことも珍しくなくなってきました。また、食事の内容もインスタント食品やファーストフード、清涼飲料水などを好む傾向にありますが、そのような食品にはカルシウムの吸収を阻害するリンが多く含まれているので摂り過ぎには注意しましょう。
    さらに、骨粗しょう症には、他の病気が原因で二次的に発症するものがあります(続発性とも言います)。大きく分けると内分泌性、栄養や代謝性、炎症性、不動性、薬剤性、血液疾患や先天性などに分類され、その疾患は多様です。その発生機序には骨吸収が亢進するものと、骨形成が低下する型の2つに大別されています。
    続発性の骨粗しょう症は原発性に比べて、しばしば症状が重症であることが多く、続発性は原発性と比べ治療方法が異なり、原因となった病気の改善で骨粗しょう症が劇的に改善することがあります。

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