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おうちで実践簡単エクササイズ

    このコラムをお読みになっている方もそうだと思いますが、最近、多くの方が自分の身体の状態に興味をお持ちのようです。トレーナーという仕事柄、「私の身体って、どんな状態でしょうか?」「姿勢は正しいでしょうか?」などと聞かれることがよくあります。健康ブームということもありますが、多くの方が自分の身体と向き合っているのは、とても素晴らしいことだと思います。それでは今回は身体の歪み、とくに「骨盤の歪み」が人体に及ぼす影響についてお話ししましょう。

    身体の現状を知ることが、歪みを治す大切な一歩

    さて、身体の歪みに関してまず大切なのは、自分の身体と向き合うことです。鏡に自分の身体を映してみるのも良いですし、人からの意見やアドバイスでも構いません。とりあえず、現在の自分の身体(とくに姿勢や癖など)を知っておくことが大切です。まずは「現状を把握する」ということが、小さいながらも大切な一歩になります。では、骨盤の歪みにはどのようなものがあるでしょうか?

    • 左右もしくは片方だけ、骨盤が前傾している。
    • 左右もしくは片方だけ、骨盤が後傾している。
    • 左右どちらかが上にあがっている。
    • 左右どちらかが前に出ている。

    大別すると上のような歪み方に分類されます。しかし、骨盤の歪み方は、人それぞれに違います。その原因は、ライフスタイルにあります。「骨盤が歪む」「姿勢が悪くなる」というのは、昨日、今日の問題ではありません。一般的にいう「ラクな姿勢」とは、筋肉の力を使わず、骨だけで支えられる状態です。そのような「ラクな姿勢」に慣れてしまうと、脳は「その姿勢が正しい姿勢だ」と勘違いし、段々と麻痺してきます。そのため、良くない姿勢が身体に染み付き、徐々に骨盤の歪みや姿勢の変化が大きくなってくるのです。

    ライフスタイルの見直しとキネティック・チェーンがカギ

    骨盤の歪みや悪い姿勢を直そうとしても、まずはライフスタイルの改善などの根本的な原因を見直さない限り、どうにもなりません。フィットネスクラブで1時間のトレーニングをしたからといって、身体は急に変わるものではありません。やはり、何よりも日頃からの意識が大切になります。「常に体を正しいポジションに保つ」ということを意識するだけでも、筋肉を使い、相当のカロリーを消費することにも繋がります。また、身体は頭から爪先までのあらゆる部分を使って、一つの動作をしていることを覚えてください。体を上手く使うということは、身体の各部位を上手く連動させるということなのです。この連動を「キネティック・チェーン」と言います。キネティック・チェーンは、人間が本来持っている自然な動きです。

    それでは、「身体の各部が繋がっている」という点を理解してもらうためにも、骨盤の歪みから体の繋がりについてお話ししましょう。前述の通り、骨盤が歪むと、骨盤周辺の環境にも変化が生まれます。たとえば、骨盤が前傾している場合には次のような症状が出てきます。

    • 01 腰が反り、股関節は曲がった状態になる。
    • 02 すると、おなかが出て、お尻が下がり、平らになる。
    • 03 その状態が続くと、腰にストレスがかかり過ぎて、痛みが出てくる。

    また、左右の骨盤の高さが違う場合はどうでしょうか。左右の差が生まれる原因は、足を組むといった仕草が挙げられます。骨盤が歪むと、背骨も歪んできます。多くの人が悩む「猫背」という状態だと、胸郭(あばら)のポジションも変わってしまいます。さらに、胸郭のポジションが変わると、体内にある肺や心臓などの内臓が圧迫されて、本来の働きをしにくくなってしまいます。その結果、自律神経やホルモンバランス、または消化器にまで影響が出てくることになります。心臓や肺が通常の働きをしないということは、体に新しい酸素が運び込まれず、血液の流れが悪くなるこということ。手足のむくみや冷え症なども、骨盤をはじめとする体の歪みが原因というケースも少なくありません。

    何よりの改善策は身体を動かすこと!

    まずは今まで動かしていなかった骨盤を動かすことが大切です。急激に動かすと、腰や股関節が痛いと感じることがあるかもしれません。それは、凝り固まっている部分が動いているために感じるもので、動かした後で楽になるようなら大丈夫です。ストレッチをしているような感じがすれば、ゆっくりと時間をかけて動かしていきましょう。目標は、骨盤の左右の動きに差を無くすことです。もちろん、以前に怪我をしたということならば、無理に動かす必要はありません。逆に、痛くないからといっても、決して無理はしないでください。一概に骨盤を動かせば歪みは解決するということではありません。身体を動かそうとしても、怪我や痛みの影響がある場合には、専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。

    「身体を動かす」ということは、「どの部分をどう動かすか」「どちらの方向に動くか」などを頭で考え、それを一つの動作として表現することです。見た目の動きを真似するだけでなく、言葉を聞いて、その言葉の通りに動けるかどうかも大切になります。また、頭と身体が一体化しているからこそ、エクササイズは頭の活動も活発にしてくれるのです。エクササイズを続けて、自分の身体のコンディションを整えていけるようになれば、心も体もストレスから解放され、リフレッシュできることでしょう。これからも一緒に、楽しみながらエクササイズを続けていけるように頑張りましょう。

    監修・指導:メディカルフィットネスクラブ「Kフィット」中之島ウェスト

    関西電力グループが運営するメディカルフィットネスクラブ「Kフィット中之島 ウェスト」は、文字通り「医療とフィットネスの融合」をめざしたフィットネスクラブ。たとえば気になる「メタボ」にも、米国アスレティックトレーナー協会公認のトレーナー(ATC)と、関西電力病院、エル・スエヒロが連携し、科学的な根拠に基づきながら改善をはかります。とくにATCパーソナルトレーニングは 「姿勢改善や障害予防に最適」とご好評をいただいています。

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