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      見分け困難!怖い毒キノコの食中毒

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      見分け困難!怖い毒キノコの食中毒

      ヘルシーで美味しいキノコは秋の味覚の一つ。しかし、毎年このシーズンには“毒キノコ中毒”の事例が多く発生しています。日本には200種を超える毒キノコが存在すると言われており、これらの事故を引き起こすのはその中の10種類程度。しかし、中には死亡してしまうほどの猛毒を持つものもあります。さらに食用キノコとの見分けが難しいこともあり、一般家庭での中毒事例がほとんどです。このような食中毒の被害に遭わないため、主な毒キノコの種類や注意点を確認し、キノコの危険性を再認識しましょう。

      毒キノコのこんな「迷信」に惑わされないで!

      昔から毒キノコについては、様々な見分け方が挙げられていますが、その大半が「迷信」。
      判別が難しい場合、見たことのないキノコなどは、保健所や森林総合研究所などでプロに判断してもらいましょう。

      【迷信1】縦にきれいに裂けるキノコは食べられる。

      ほとんどのキノコが、毒の有無に関係なく縦に裂くことができます。

      【迷信2】色柄が派手なキノコは毒。おとなしい色柄は食べられる。

      中毒事例のある毒キノコのほとんどが、地味で食用に似た色柄をしています。
      逆に、派手な色の食用キノコもあり、キノコの有毒性は色柄では判断できません。

      【迷信3】虫に食われていれば人間も食べられる。

      哺乳類と虫は体の構造が違うため、毒の作用については全く参考になりません。
      実際に、虫は毒の有無に関係なくキノコを食べます。

      【迷信4】ナスと煮れば毒を中和できる。

      キノコをナスと一緒に調理して中毒を発症した例が多くあります。
      ナスにキノコの毒を中和する作用はありません。

      【迷信5】塩漬けにすればどんなキノコも食べられる。

      塩蔵して塩抜きすると、水溶性の毒が流れて毒濃度が薄まることはありますが、毒が抜けることはありません。

      中毒の多くがコレ!食用と間違いやすい「日本3大毒キノコ」

      ※キノコは発生場所や成熟度によって、通常の形状と異なるものもありますのでご注意ください。

      【毒】ツキヨタケ

      【毒】ツキヨタケ(写真)

      中毒事例No.1と言われるキノコ。色はシイタケ、形はヒラタケに似ています。カサは大型で10〜20cm程度。柄の付け根に、刀のツバのような盛り上がりがあること、そして切断面を見ると、柄の付け根に黒いシミがあることが特徴。名前の由来は、暗闇でかすかに青白く光ることから。

      • 【中毒症状】食後30分〜1時間程で嘔吐、下痢、腹痛などの消化器系の中毒症状が現れます。幻覚痙攣を伴う場合もありますが、数日後には回復に向かいます。
      • 【発生場所】ブナなどの落葉樹の枯れ木
      ◎間違いやすい食用:
      シイタケ、ヒラタケ、ムキタケ

      【毒】クサウラベニタケ

      【毒】クサウラベニタケ(写真)

      ツキヨタケと並んで中毒事例が多い種。カサは3〜10cm程度で黄土色〜灰褐色、わずかに光沢があり、ヒダは初め白色で、後にピンク色。

      • 【中毒症状】食後10分〜数時間程度で激しい腹痛、嘔吐、下痢などの胃腸の消化器系中毒を起こします。また、発汗などの症状も現れ、まれに死に至ることも。
      • 【発生場所】広葉樹林の地上
      ◎間違いやすい食用:
      ウラベニホテイシメジ、食用シメジ類

      【毒】カキシメジ

      【毒】カキシメジ(写真)

      カサの大きさは3〜8cm程度で、赤褐色〜くり褐色またはうすい黄褐色。湿っているときは粘性があり、葉や木くずが張り付いていることが多いです。

      • 【中毒症状】食後30分〜3時間後に現れ、頭痛を伴い、嘔吐、下痢、腹痛などの症状を起こします。
      • 【発生場所】ブナ、コナラ、クヌギなどの雑木林の地上
      ◎間違いやすい食用:
      チャナメツムタケ、ニセアブラシメジ、シイタケ、マツタケ

      死亡事例も発生「絶対危険な毒キノコ」

      ※キノコは発生場所や成熟度によって、通常の形状と異なるものもありますのでご注意ください。

      【猛毒】ドクツルタケ

      【猛毒】ドクツルタケ(写真)

      毒性の最も強いキノコの一つ。林に発生する白いキノコ。カサに近い柄の部分に、刀のツバのような輪(ツバ)があり、根元に袋状のふくらみ(ツボ)がある。似た食用もありますが、こういった形の白いキノコには猛毒のものが多いので、摂取は控えましょう。

      • 【中毒症状】食後6〜24時間後にコレラ様の症状(嘔吐、下痢、腹痛)が現れるが1日でおさまり、その後、数日〜約1週間で内臓の細胞が破壊され肝臓肥大、黄疸、胃腸の出血などの肝臓、腎臓機能障害の症状が現れ、死亡する場合があります。
      • 【発生場所】広葉樹林、針葉樹林の地上
      ◎間違いやすい食用:
      シロマツタケモドキ、シロオオハラタケ

      【猛毒】カエンタケ

      【猛毒】カエンタケ(写真)撮影:浅井郁夫

      表面はオレンジ色から赤色、細長い円柱状または棒状で、土から手の指が出ているように群生または単生しています。毒々しい見た目が特長で、食用には見えませんが、薬用と勘違いし、酒に浸して飲んで発生した中毒事例もあります。

      • 【中毒症状】食べると比較的短時間で、発熱、悪寒、嘔吐、下痢、腹痛、手足のしびれが発生。消化器不全、小脳萎縮による運動障害など脳神経障害といった全身症状になり、死亡した例もあります。また、回復しても後遺症が残る場合も。飲み込まなくても、口に入れるだけでも危険です。
      • 【発生場所】広葉樹林の地上、ナラ枯れが多発している地域に多く発生

      他にもこんな危険な毒キノコ

      ※キノコは発生場所や成熟度によって、通常の形状と異なるものもありますのでご注意ください。

      【毒】毒キノコの古参!?「テングタケ」

      【毒】テングタケ(写真)

      古くから認識されてきたキノコの一つで、猛毒菌を多数含むテングタケ属を代表するキノコ。カサは6〜15cmで灰褐色〜オリーブ褐色。表面には白色のイボが多数散在し、ふちには条線があります。このイボは脱落しやすく、それだけでは判断し難いので注意しましょう。

      • 【中毒症状】食後30分程で嘔吐、下痢、腹痛など胃腸消化器の中毒症状が現れます。また、神経系の中毒症状、縮瞳、発汗、めまい、痙攣などで呼吸困難になる場合もあり、1日程度で回復しますが、毒性の強いキノコです。
      • 【発生場所】広葉樹林の地上

      【猛毒】近年中毒が発見された毒キノコの新参物「スギヒラタケ」

      【猛毒】スギヒラタケ(写真)

      カサは白色で2〜6cm。耳形または扇形でスギなどの針葉樹の切り株や倒木に重なり合うように群生しています。元は食用と考えられ、地域によっては頻繁に食べられていましたが、平成16年以降、スギヒラタケが原因と思われる急性脳症が多数報告されました。

      • 【中毒症状】当初は腎臓の機能が低下している人のみに症状が発症すると思われていましたが、それ以外でも発症、死亡事例もあり、摂取は控える方が良いでしょう。
      • 【発生場所】スギなどの針葉樹の倒木や古株に群生

      症状が出たときは

      野生のキノコを食べて、吐き気や嘔吐、痺れなどを感じたらすぐ受診するのはもちろん、「胃がいつもと違う」と少しでも異変があれば病院に行くことをおすすめします。早期に病院にかかれば、胃洗浄ができることもあります。しかし、食後6時間以上遅れて症状が出る場合もありますので注意して下さい。
      そして、決して安易に市販の胃薬などを飲まないようにしましょう。逆に有毒成分を体外に排出し辛くなる場合があります。また、一緒にキノコを食べた人に中毒症状が出た場合もすぐに受診をして下さい。

      受診時の注意

      受診する際に、キノコの外観、採集場所、調理前の処理、調理法、食べた量を伝え、キノコの食べ残しを持参するとキノコの種類が特定しやすく、治療もスムーズです。

      毒キノコ中毒にならないために

      キノコ狩りに慣れている人でもキノコは種類が豊富な上に、見た目での判別は難しいものです。
      知識を過信せず、野生のキノコの取扱いには注意しましょう。

      • キノコ狩りには知識のある人と行き、食べるときには専門家の判断に従うこと。
        専門家がいない場合は食べないこと。
      • キノコ狩りが行える場所に行ったときでも、キノコを採取して良い場所かしっかり確認すること。
      • 採取したキノコを、安易に口に入れたり、飲み込んだりしないこと。
      • 安全なキノコでも新鮮ではないと中毒になることも。(マツタケで中毒の例もあります)
        食用キノコは新鮮なうちに食べるようにすること。
      • 安易にキノコを人に譲らない、人から譲り受けないこと。
      • 栽培用シイタケの原木に毒キノコが発生した例も。思い込みは禁物!必ず形状など確認すること。
      監修:千葉県立中央博物館 吹春俊光さん

      福岡県生まれ。京都大学農学部卒業、農学博士、日本きのこ学会所属。千葉県立中央博物館に勤務。千葉県のきのこを30年近く調査。動物の糞から生えるきのこ(糞生菌類)などに興味を持ち、2015年には「ウシグソコナヒトヨタケ」を新種発表した。著書に「持ち歩き図鑑 おいしいきのこ毒きのこ」(2011年 主婦の友社)、「きのこの下には死体が眠る」(2009年 技術評論社)、「きのこワンダーランド」(2004年 山と渓谷社)などがある。

      千葉県立中央博物館
      〒260-0852 千葉県千葉市中央区青葉町955-2
      TEL:043-265-3111  公式サイト:http://www2.chiba-muse.or.jp/
      日本きのこ学会 事務局
      〒680-8553 鳥取市湖山町南4丁目101番地
      TEL:0857-31-5372  公式サイト:http://www.jsmsb.jp/
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