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スマホの使いすぎで肩こり、頭痛、吐き気まで!? 急増する「スマートフォン症候群」

「電車に乗ると車両内の全員がスマホを操作していた」。そんな光景も日常茶飯事。私たちの生活に欠かせない存在となったスマートフォン(スマホ)は、「手軽で便利」な代わりに、様々な弊害の原因にもなっています。それらの症状の総称『スマートフォン症候群』とはいったいどのようなものなのでしょう。そして、そうならないためにできることとは何があるのでしょうか。

個人保有率74.3%!国民の7割がスマホ利用者

総務省が実施した「令和3年通信利用動向調査」によると、スマートフォンの世帯の保有割合は88.6%、個人の保有割合は74.3%となっています。世帯で見ると約9割、個人で見ると約7割の国民がスマートフォンを保有していることがわかります。個人のインターネット利用機器としてもっとも多いのはスマートフォンとなっており、利用率は、20~49歳で約9割という結果報告もされています。

また、総務省による情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査でも、スマートフォンを含む「モバイル機器」のインターネット平均利用時間は増加しており、2020年には10代・20代の休日の利用時間は200分を大きく超えるという結果になっています。
インターネットが生活に欠かせないツールであることを考えると、国民の大多数が長時間スマートフォン(スマホ)を利用しているといえるでしょう。

「スマートフォン症候群」とは?

スマホの長時間の使用により生じる、肩こりや首のこり、腱鞘炎、眼精疲労、視力低下、ドライアイ、脳疲労などの症状の総称が『スマートフォン症候群』。
また、首や肩のこり、眼精疲労、脳疲労による影響で頭痛、不眠、めまい、吐き気なども起こることがあります。スマホの利用に関しては、こういった身体の直接的な不調だけでなく、「スマホがないと不安を感じる」など、『スマホ依存症』も問題になっています。

スマートフォン症候群チェック

以下のチェック項目に当てはったスマホ利用者の方は、スマートフォン症候群の恐れも!

  • スマホやパソコン使用で肩こりや首こりを感じる。
  • 1日1時間以上スマホを利用する。
  • 目が疲れやすい。
  • 首を後ろに倒すと痛みがある。
  • 猫背である。
  • 頭痛持ちだ。
  • 肩が上がらない。

 

スマートフォン症候群の代表的な症状

肩こり

スマホを使用するときは、どうしても頭が下がりがち。この姿勢を長時間続けていると、首の後ろから肩にかけて筋肉が強張り、血流が悪化。それが肩こりの原因となります。

眼精疲労、ドライアイ

「眼精疲労」というのは、一晩ゆっくり睡眠を取っても目のかすみや痛みが治らない状態。ドライアイは涙の量が減るなどして、目の表面に傷が生じる病気です。これらは、スマホの画面を見るときに、自然と瞬きの回数が減り、目の乾いた状態が続いて疲労してしまうことが原因です。

スマホ肘

テニス肘やゴルフ肘と似たような、腕のしびれや肘の痛みを生じます。これは肘が曲がった状態で固まり、神経障害が起こったものと言われています。

スマホ巻き肩

スマホの使用で体が丸まり、頭を前に出すような形、つまり猫背になってしまい、肩が内側に丸まった状態のこと。肩こりの原因になる他、放置すると片頭痛や目のかすみなどが出る場合も。

ドケルバン病

ドケルバン病とは「狭窄性腱鞘炎」という腱鞘炎の一種。手首の親指側の腱鞘に炎症が起こるもので、妊娠時や産後、更年期の女性、そして指を頻繁に使うことで起こる病気です。手首の親指側に痛みや腫れが生じ、再発を繰り返す場合は手術をすることもあると言います。

VDT症候群

長時間ディスプレイを見ることで起こる健康トラブル。目の疲労や、首・肩・腕・腰のこりや痛み、精紳にもその症状が現れることがあります。

うつ症状

重要な機能を支配する自律神経が集中する首を長時間圧迫することで、副交感神経の働きを阻害し、頭痛やめまい、全身のだるさや食欲不振、不眠などの症状を引き起こすことも。こういった状況が長く続くと精神的にも悪影響がでて、うつ症状を招くことがあります。

一度なったら治らない!? ストレートネック

ストレートネックは病名ではなく、その状態のことを言います。それは、通常顔に向かってカーブ(前弯)している頚椎(首の骨)が、まっすぐまたは逆カーブ(後弯)になってしまっている状態のこと。正常な前湾角度は30~40度ですが、ストレートネックでは30度以下。もともと何らかの影響でこの状態になっている人も多いようですが、さらにスマホの利用などで長時間うつむいていることで、より首の生理的なカーブがなくなり、症状がひどくなるようです。

ストレートネックの症状

ストレートネックでは、頭部や重心線が背骨の前に突き出してしまうため、頭の重み(4~6kg)が、より首や背中の筋肉にかかってしまいます。これにより慢性的な首の痛みや肩こり、頭痛などが起こり、ひどくなると、吐き気やめまい、耳鳴り、上腕のしびれなどを引き起こします。上記で挙げたスマホ使用による「肩こり」も、このストレートネックが原因かもしれません。
また、顎が出て、頸椎が逆カーブしてしまうと症状がキツくなることも多く、対症療法でやり過ごしていると、骨自体が変形したり骨同士がくっついてしまったりして取り返しのつかない状態になります。そのような状態になると全身の痺れや痛み、歩行障害、排尿障害など重篤な症状が出ることもあります。しかしストレートネックになっても「無症状」である場合もあります。

ストレートネックの治療

スマホなどの使い過ぎによるストレートネックの治療は、整形外科では消炎鎮痛剤などの外用薬やアイシング、リハビリなどの対処療法がメインとなります。基本的に手術などは行わず、治すことができません。
ただし、カイロプラクティックではストレートネックを改善することが可能です。その場合、レントゲンで骨の変形や癒合(骨同士がくっつく状態)の有無を確認してからの施術が必須です。また首を捻って「ボキッ」とする矯正法ではストレートネックを改善することは出来ませんし、変形や癒合があるのを知らずに(レントゲンで確認せず)捻って矯正すると重篤な医療事故に繋がることがあります。ストレートネックを矯正してもらうときは、必ずレントゲンで確認してくれる治療院を選びましょう。

≪番外編:美容にも悪影響!?≫

スマホの長時間使用は美容にも悪影響があると言われています。

スマホ顔

うつむき加減姿勢で画面を見続けることで、頬や顎のラインがたるむ「スマホ顔」。顎は年齢サインが出やすい場所ですから、一気に老け顔になってしまうかもしれません。

体重増加

特に夜間のスマホ使用に注意!スマホやコンピュータが発する光に含まれるブルーライトを浴びると、脳が活性化、睡眠ホルモンが減少し、代わりに食欲増進ホルモンが増加すると言われています。つまり、それほどエネルギーが必要のない時間帯にもかかわらず食欲が増進してしまい、体重増加につながる可能性があるのです。

今すぐできるスマートフォン症候群対策

スマートフォン症候群にならないためにはどんなことに気を付ければよいでしょう。今からでもできるポイントを紹介します。

機種選びのポイント

機種を選ぶ際は、機能やデザイン性だけでなく、自分の手のサイズに合ったものを選びましょう。大き過ぎるスマホは、親指を不自然な形で動かしてしまう場合や、ホールドするのに余分な力がかかってしまうこともあります。

使用する時間

パソコンやタブレットなども同じですが、連続して長時間使わないように心掛けましょう。30分以上使ったら一度小休憩をはさみ、ストレッチなどするのも良いと言われています。

使用する姿勢や環境

細かい字をのぞき込むような姿勢はNG。机などの前でスマホの保持が楽にできる形にし、うつむき加減にならないよう使用するのがおすすめです。電車などの車内は画面が揺れるため、スマホの使用はなるべく控えた方が良いようですが、使用する場合は、肘を固定し、できるだけ目線が下にならないようにしましょう。
また、画面と周囲の明るさとの差を少なくし、寝る前にベッドの中に入ってから使用するなど、暗い場所での使用は控えましょう。

関連:今度はドライアイにならないために。ドライアイを治す2つの生活習慣

監修

カイロプラクティック整体ヘンミ 逸見茂樹さん

岡山県出身。明治東洋医学院卒。患者さんが「一日も早く痛みから解放される」よう、治療家として日々臨床を積んでいる。頭痛・首の痛み・頚椎症の改善実績多数。

カイロプラクティック整体 ヘンミ
〒553-0006 大阪府大阪市福島区吉野4-3-18
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