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放置すると後遺症も! 四十肩・五十肩のケアと予防法

急な肩の激痛に驚いたことはありませんか?40代~60代に多いとされる『四十肩・五十肩』は、腕が上がり難くなるなど日常的にも支障をきたす辛い症状が一般的です。初期老化の症状として、半年から1年程で自然に治ると言われますが、放置することで肩が動かなくなるなど後遺症が残ることも!適切な対処で痛みを緩和し、早めに回復できるようにしましょう。

『四十肩・五十肩』とは?

四十肩・五十肩とは、正式には「肩関節周囲炎」という疾患群のこと。原因は完全に明らかにはなっていませんが、加齢により血液循環が悪化したり、筋肉、腱などの性質の変化が起こったりすることで、肩の周辺組織が炎症を起こして腫れや痛みが生じる疾患です。40~60代の人に多く発症するため、この名称が付けられました。最近では、生活環境の変化などで、30代で症状が出る方も増えているとも言われています。 四十肩・五十肩と混同されやすい肩こりは、「筋肉の疲労」からくるものであり、全く違うものです。

【四十肩・五十肩のセルフチェック】

次の動きがスムーズにできない人、痛みがある人は要注意!「四十肩・五十肩」の予備軍かもしれません。

1) 両腕を前から真上に上げる。

2) 手のひらを上に向け、両腕を真横から真上に上げる。

3) 両腕をズボンの後ろポケットに手を入れる。

4) 両腕を頭の後ろで組む。

『四十肩・五十肩』の3つの病期

四十肩・五十肩には発症してから痛みが主な「急性期」、肩の可動域が狭まる「慢性期」、回復に向かう「回復期」と3つの病期があります。

急性期(およそ2週間から1カ月)

突然腕を動かしたときに肩に激痛が走るというのが、四十肩・五十肩の典型的な発症パターン。
この時期は夜に寝返りを打つだけで痛みを生じる「夜間痛」や、肩を動かす際に二の腕や手先にも痛みや痺れが伝わる場合もあります。こういった急激な痛みは数日間で治るのが一般的ですが、無理は禁物!安静が第一の大切な時期です。

慢性期(半年から1年)

急性期の痛みが治まってくると、鈍い痛みへと変わり、肩が上がり難くなるなど可動域がだんだんと狭くなってきます(肩関節拘縮)。これは急性期に起きた炎症の影響で、筋肉が委縮して固くなっているから。着替えや洗髪が上手くできないなどの日常生活に支障をきたす時期でもあります。慢性期は半年から1年続くこともあり、痛みを感じない程度の適度なストレッチも有効です。しかし、痛みが減ったからと言って無理をすると、痛みがぶり返すことがあるので要注意です。

回復期

肩関節拘縮(かたかんせつこうしゅく)が改善してきて、少しずつ腕が動かせるようになる大切な時期。痛みはほとんどありません。しかし、人によってはこの時期になっても「肩の動きが非常に悪い」ということも。適度なストレッチなどで、徐々に肩を動かしていきましょう。

痛みの緩和とケア方法

急性期

  • 三角巾やアームスリングを用い、できるだけ肩を使わないように安静にしましょう。痛みを感じるような動作は避けてください。
  • 患部が熱を持っているようなら、氷水などで冷やして炎症を抑えます。
  • 痛みがひどい場合は、鎮痛消炎成分インドメタシンなどが配合された外用薬や飲み薬も有効です。

慢性期

  • 就寝前に入浴して肩を温めたり、ホットタオルを肩に広げて乗せて温めます。出来るだけ肩や体を冷やさないように注意しましょう。
  • 血流をよくするストレッチなど、無理のない範囲での運動を続けましょう。
    ただし、痛みがひどいときのストレッチは炎症を悪化させる可能性があり危険ですので控えてください。

※激しい肩の痛みは、四十肩・五十肩が原因ではない場合もありますので、早めに受診するようにしましょう。

回復期

痛みがほとんどなくなり、リハビリに最適な時期。ここで可動域を広げる運動を怠ると、四十肩・五十肩が治ったあとも肩関節の動ける範囲がだんだん狭くなってしまうこともありますので、ラジオ体操や簡単なストレッチなど、慢性期以上に肩を動かすことを意識して、しっかりリハビリを行いましょう。

※焦らずゆっくり治すことを考え、翌朝に痛みが残るような場合は、痛みが引くまで中止して下さい。

『四十肩・五十肩』を予防するには

四十肩・五十肩にならないために、以下のことに気を付けましょう。

デスクワークや家事など同じ姿勢の作業を長時間続けない

「筋肉が固くなる」といった筋肉の変化も炎症の原因にもなりえます。同じ姿勢を続けると筋肉が固まって動かしづらくなりますので、小休憩を入れて体を動かすようにしましょう。

ハイヒールや肩掛けバックなどで姿勢が崩れないようにする

姿勢の変化は炎症の要因にもなります。日常の繰り返し動作で姿勢が悪くなったり、体の一部に負荷がかかり過ぎないように気をつけましょう。

肩の適度なストレッチを心掛ける

使わない筋肉は固くなり、動きも悪くなるもの。ストレッチをすることで筋肉がほぐれ、血行も良くなります。

栄養バランスの良い食事と質の良い睡眠を取る

動物性の食品や甘い物、お酒を摂りすぎると四十肩・五十肩を起こしやすいと言われています。また、四十肩・五十肩の原因として、ホルモンバランスの変化やストレスといった間接的な原因が重なることで発症しやすくなるとも言われています。

肩を冷やすのもNG!夏場も薄着は避ける

冷えは血液の循環を悪くし、炎症の原因にもなります。夏もクーラーなどが意外と体が冷えるので、直接当たらないようにしましょう。

監修

医療法人 大森整形外科 リハビリマネージャー川口真 先生

2005年鍼灸師取得。約8年間大学野球や陸上を中心にアスレチックトレーナーとしてスポーツの世界で学ぶ。 現在は大阪市の大森整形外科へリハビリマネージャーとして勤務。
CAFE・鍼灸 ZADAN(ザダン)では土日のみ勤務の完全予約制。

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